勇者とメイドさん その42
とりあえず積んでいく。
「ご主人様、今作っているそれは一体」
「え? 世界の守護者だけど」
「守護者というには素材が貧相では?」
「いいと思ったんだけどね」
ご主人様が何やらグルーガン片手に空き缶を積んでいたので、聞いてみればそれは世界の守護者だというそうです。高さもご主人様の半分程度。にわかには信じられませんが、箱が飛び去ったあの光景を忘れた訳ではありません。本当に守護者という可能性も。
「守護者というからには、目からビームでも出すんですかね」
「いいね。それ採用」
「えっ」
目からビームがあっさり採用されてしまいました。安易に下手なこと口走らない方がよさそうですね。会話をしながらも、ご主人様のグルーガンと空き缶を積む手は止まりません。
「守護者ともなると、空き缶じゃ耐久性も問題になるんだよね。メイドさんは何かないかな」
「タングステンでのコーティングとかどうでしょう」
「いいね。ある程度完成したら業者に送ろう」
世界の悪と戦う守護者の装甲はタングステンになりました。絶対に破壊出来ないような素材とかですと、手がつけられなくなるかもしれないので、この程度でいいんじゃないですかね。そんな中ご主人様は空き缶を積みつつ、ビーム発射機構の接着をしています。
「駆動系は」
「悪路も走破可能なキャタピラで」
「ジェットエンジンは」
「空き缶じゃ姿勢制御出来ず墜落しそうなので却下で」
「コクピットは」
「こんな物に搭乗するのは危ないので、これにカメラを付けて別の場所に用意しましょう」
そうしてご主人様が空き缶を積み上げ、謎の物体が完成しました。なんなんでしょうねこれ。
「じゃあ加工のために業者に送るから、俺が不在の時に戻って来たら受け取っておいてね」
「まあこんな危険な代物ですから、他の場所には置いておけませんからね」
目から発射するビームを試しに撃ってみたところ、山を貫通していました。ご主人様も詳しい出処は知らないとか。
部屋には空のメガシャキが8本。




