勇者とメイドさん その39
オフの日。
「メイドさんジュース飲む?」
「ではいただきます」
「オレンジジュースおいしいよね」
こうして雨の日は、家でゆっくりするに限る。オフのメイドさんは、いつもよりキレがなくて大人しい。それもいいけど。
「メイドさんポーカーしよ?」
「フルハウスです」
「ぐはぁ」
オフでもゲームではキレッキレなメイドさん。いつの日かメイドさんに勝てる日は来るのだろうか。
「メイドさんもたまにはゆっくり食事しよ?」
「30回噛みます」
「真面目だねぇ」
普段は食事などはすぐに終わらせて、次の仕事に移っていくメイドさん。こういう日くらいは、ゆっくりしてもらいたいよね。
「メイドさんペン回しできる?」
「できます(ヒュンヒュン」
「指笛できる?」
「できます(ピューイ」
「お手玉できる?」
「できます(ポポポーイ」
何かと器用なメイドさん。俺が出来ないこと全部簡単にやってのけるのさすがメイドさん。
「メイドさんはゆっくり浴槽浸かってきてね」
「いえ、すぐに出ますので」
「こういう日くらいはいいからね。ほら行った」
オフでも習慣は習慣。日々の行動が染み付いてるから、その辺は一言添えておかないと。
「眠れません」
「羊を数えると眠れるって言うよ」
「ではご主人様への忠誠を数えます」
「まあそれでもいいけど」
ほっとくとずっと起きてるから、オフくらいはメイドさんを早めに寝かす。無理しすぎないようにね。
「ご主人様への忠誠は一つ、ちゅうせぃh……(スヤァ」
(寝るの早っ)
羊の件はオフの度にやってるけど毎回驚かされる。最早ある種の才能だよね。
その日の夕飯はパイナップル入り酢豚を作った。
お互いに普段より省エネ。




