勇者とメイドさん その30
海にいる賊だから海賊。
「海賊とはまた古いものが来ましたね」
「なんでも港で物資の略奪してるらしいよ」
「ご主人様は行かなくてよろしいのですか?」
「いやね、この程度は勇者の出る幕じゃないからね。そういうのは城のお仕事」
ご主人様によると数百年前に横行していた、略奪行為を主とする海の犯罪者の海賊とやらが出没してるようです。なぜ今になって。
「ていうのも、伝説の海賊キャプテンミラとかいうのの、生まれ変わりらしいよ」
「それが信用を得て率いているということは、ほんとに生まれ変わったのかもしれませんね」
「メイドさんは興味無い?」
「まあ、海賊がいるからといって、私たちの生活に支障はありませんし」
文献によっては海の男ーなんて外聞良く書いていたりもしますが、結局のところ犯罪者者集団でしかないので、いない方がいいですけどね。ただそういうものにロマンを追い求めずにはいられない、そんな一定数もいるのでしょう。
「もし城が鎮圧しきれずに勢力拡大していったなら、ある程度は間引かせてもらうけどね」
「命を間引くとか、勇者の言葉とは思えませんね」
「悪者なんだから仕方なし。情け容赦なしのスタイルよ。海賊の国とかなっても困るし」
「それもそうですね」
その数日後、何者かの手によって海賊と思わしき首が大量に港に晒されていたとかそうでないとか。
つまり陸に上がったら山賊になる可能性。




