〜天界生活〜
天界に召された私達は、毎日私が歩いた道に、毎日僕が待っていた木陰から僕を押してくれた。
シナリオは天界で続編が描かれ、私達は遂にハッピーエンド。
何度も毎日のように願っていたシナリオが変わることこそなかったが、願いは取り入れられたのだった。
シの神は浄化の宮の償いの門まで二人を送った。狼と赤ずきんは、仲良く手まで繋いでシノ神に別れの挨拶をする。
「「シの神さんありがとうございました。」」
「いえいえ。」
死ぬ前の赤ずきんと狼の、シの神に対する嫌悪感は、もう見られない。狼と一緒にいられるなら、と狼の肉食に生まれた事の罪を共に償っている。
***
**
*
「あ〜あ。また恋愛物語が終わっちゃったね。」
今まで暇つぶしにしていた娯楽がなくなり、ハニの神は暇に戻ってしまった。
「全くシの神はいつもいつも美味しいとこどりで…」
「いいじゃん。悪役も引き受けたんだから。」
「まあ。」
「なんにしろ二人共、呪いが解けてよかったね。」
ハニの神が現実的な事を言う。
「私達の目に留まったのが、幸運だったんだよねぇ。きっと。」
「そうですね。呪いは次の生まれにも影響されますからね。我々に助けられなければ、最悪来世にも同じ結末を迎えていたでしょう。現に彼らの前世は人間。その前は今回と同じでした。」
ホヘトの神は、輪廻の輪を見ながら言う。
「呪いは嫌いだぁ。」
ハニの神は机に突っ伏す。
「そう?いい事もあるよ。呪いは絆みたいなのもあるから、彼らは来世でも巡り会うはずだよ。」
既に全て読み終えた棚から、『永久呪詛』を取り出し、ハニの神に見せる。
「本当っ⁉︎来世の恋物語も楽しみだねぇ!」
ハニの神が飛び起きた衝動で、ホヘトの神が転ぶ。
「騒がしいですよ。」
いつからいたのか、一番ドアに近い本棚を物色していたシの神が開いたドアをノックする。
「輪廻の輪からの情報です。決定事項が送られてきました」
「えー、また誰か死んだの?」
「決めつけないでいただきたいですね、ハニの神」
「まあまあ」
ホヘトの神が仲裁に入る。
「オホン。」
柄にもなく、シの神がもったいぶる。
「えー、人間。」
「へっ?」
「狼と赤ずきんの来世は人間と決まりました。」
「「「え〜〜〜!」」」
「前と同じじゃない?」
「まあいいんじゃない?」
「輪廻の考えてる事は分かりませんね」
「とりあえず、」
「「「「やった〜〜〜!」」」」




