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理解不能な間宮君  作者: 春美月
3/8

歩く殺人兵器な間宮君


ーーーーあの衝撃の対面から1時間後。



「大島ぁ~、お前どこに行ってたんだ。生物の森先生が心配してらしたぞ。」


帰りのSHRにバッチリ間に合った春香。

しかしあろう事か森先生は担任のまっちゃんにあたしがいなかった事をチクったらしい。


…はぁ。

春香は小さくため息をついてまっちゃんに視線を向ける。


「(ゔっ…)」

まっちゃんが一瞬たじろいだ。


その春香の表情は憂鬱気で、

本人はこれから始まるだろうお説教が原因で沈んでいるのだがそんな春香を見たクラス諸君は春香の本心を知らず、心配そうに春香をみていたのだった。


(大島さん辛そう…)

(まっちゃん、大島さんを叱らないであげて)

(春香ちゃん確か午前中から元気無かったもんね…)


などなど、

まわりは春香を気遣っているのだが当の本人は全く気がついてい無い。



「松下先生ごめんなさい。私、あのぉ…。」


言いにくそうに目を伏せる。

いくらあたしでも堂々とサボってましたなんて言え無いもの。



するとまっちゃんはどこか慌てた様に

「い、いや気にするなっ。とにかく無事かどうかが心配だったんだ。校内だが、何かあったかもしれないだろう。これからは一言言ってから休みなさい。」優しくそう言ってくれたのだ。



そんなまっちゃんにあたしは目を数回パチパチ瞬いた。


えっ……あたしサボる事を申告してからサボればいいの?




……なんて気前のいい先生なんだっ。


驚きを通り越して尊敬するわ。

そもそもそんな先生でいいんだろうか。



しかし怒られ無かった事に気を良くして、

ふんわりと、春香は微笑み

「ありがとうございます。次からそうしますね。」と告げた。


するとまっちゃん始めクラスの殆どが安心した様な表情になる。



そんなクラスでの出来事を見ながら呆れる様に笑っているのは春香の隣の席の千明。

「(本当っ、人生得してるわねぇ…)」


この子がサボるわけないなんてどうして皆思うのかしら。

…まぁ、それは春香の容姿と普段の行いからか。と、千明は1人納得する。


寧ろ親友の自分から見ても普段真面目な春香がサボるだなんて未だに信じられないぐらいだ。


春香は全くわかっていない。

間宮君同様に自分も得をする容姿だという事に。











ーーーーーー……………


ーーーー……


次の日の昼休み。




「ねぇ、千明。」

「うーん?」

「千明はクラスメイト全員わかる?」

「うーん…まぁ。」

「じゃあさ、間宮君ってどんな人?」


………。







「……今なんて!?」


ピタッと箸を持つ手を止めて目を見開く千明。


ゔっ。

そんなに驚いた表情する事ないじゃない。


少し俯きながら「だから間宮君だって…。」と呟いた。



「どうしたのよ春香。あんたあんなに他人の事に興味無かったくせに。」


「いや…ちょっと。」


「特に自分から男子の話なんてした事無かったくせに。」


「………。」


「この間、儚い美少年ぽい間宮君の話した時だって完全無反応だったくせに。」


「……ごめんなさい。」


最後の少々怒った様な声に思わず謝ると、

"いいわよ気にしてないから"と笑って卵焼きを頬張る彼女。


そもそも反応していないだけで聞いてはいるのだ。

その証拠に儚い美少年=間宮春彦君の方程式はしっかり頭の中に残っていたのだから。








「うーん、そうねぇ………

……一言で言えば歩く殺人兵器?」


へ?



今度はピタッと春香の箸を持つてが止まる。


あんな人体無害な顔をしておいてどこからそんな恐ろしいネーミングが?


そんな春香の心情を察して千明が苦笑いしながら後ろを指差す。



ーーーーーー………。


「ねぇ、春彦君。どうして昨日は途中で居なくなっちゃったの?」


あ、梨沙子ちゃんだ。

とっさの感想がそれだつた。


クラス一美少女梨沙子ちゃん。校内にファンクラブがあるとかないとか。

そんな彼女が話しかけているのが……間宮君。


ちなみに彼は読書中らしい。




「ねぇ、春彦君聞いてる?昨日は梨沙子眼球の解剖1人でやったんだからね。隣の春彦君がいなくて大変だったんだからぁ。」


ほおを膨らませて怒るそぶりを見せる彼女はなんとも愛らしい。

大抵の男なら優しく笑って謝ってしまうだろう。


そっかぁ…昨日は千明1人で解剖させちゃったのか。

悪い事をしたと思ったが、以前カエルの死体の実験で笑顔でカエルを裁く彼女を思い出した。

謝る事は…ないか。



気を取り直して視線を再び戻すと、丁度間宮君が本を閉じた所だった。




「…で?」


「え?春彦君…?」


「君は俺に謝って欲しいの?」


「いや、別に…。」


ここからでも彼女の困惑した様子が伺えた。



「まあ、謝るくらいで気が済むならいくらでも謝るけどさ。そもそも僕が謝る理由ないんじゃない?」


ニッコリ笑う間宮君。

それは昨日見た笑顔と違ってとても恐ろしく見えるのはなぜだろう。


「僕がいなくったって君に迷惑かけたつもりないんだけど。君なら僕以外にも手伝ってくれる男子はいくらでもいるだろうし。そもそもいつも実験とか僕にやらせてばっかりなのもどうかと思うよ。少しは自分でやる努力をしたらどうかな。」


「………。」


あーぁ、梨沙子ちゃんの眼がウルウルしてるよ。

春香はハラハラしながら二人の様子を見守る。



「それに、読書している最中なのに無神経に話しかけて来るのもどうかな。お陰で文字が頭の中に入って来なくてイライラするんだけど。その高い声がいかに迷惑かわかってない様だね。寧ろ僕に謝って欲しいくらいだよ。」



はあ、とわざとらしくため息をついた後再び本を開いた間宮君。


む、むごい。

それになんて大物なんだ間宮君。

目線をあげてみなよ、今にも梨沙子ちゃん泣き出しそうだよ?



ーーーー結局、


「間宮君の馬鹿ぁぁぁぁぁあ!!」



梨沙子ちゃんは泣きじゃくりながら教室から出て行ってしまい、

間宮君はそれにピクリとも反応しなかった。


…なるほど、歩く殺人兵器は最強だ。


























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