第3章:好きな人の話
品川駅の朝は昨日より少しだけ空気が薄く感じられ、夏の終わりを告げる乾いた風がホームの端から端へと吹き抜けていった。乃依は改札を抜けながら、いつもの柱の陰を目で探した。
透青はすでにそこに立っていて、スマートフォンの画面から顔を上げると、いつもの調子で片手を上げた。
「おはよう」
遠くの空にうっすらと鰯雲が浮かんでいるのが見えた。夏の間はほとんど見かけなかった雲の形だった。
「おはよう。今日、なんか涼しくない?」
「ほんとだ。やっと秋、来るのかな」
そんな短い挨拶のあとに続く沈黙も、もう気まずさを含まないものになっていた。ホームへ向かう人の流れに紛れながら、乃依は透青の横顔を盗み見た。伸びた髪先が風に少しだけ揺れていた。
改札の向こうから吹き込む風には、どこかで刈られたばかりの草の匂いが混じっていた。夏の名残と秋の気配が入り混じるこの季節特有の匂いだった。乃依はその匂いを吸い込みながら、隣を歩く透青の歩調にいつの間にか自分の歩調を合わせていることに気づいた。
電車に揺られている間、透青がふと思い出したように言った。
「そういえば、今日部署の飲み会あるんだ」
「へえ、事業企画部の?」
「うん。新しいプロジェクトが立ち上がった記念とかで」
「楽しそうだね」
「まあ、行かないといけない感じの飲み会だけど」
透青は苦笑いを浮かべながら答えた。乃依はその言葉に特に深い意味を感じることなく相槌を打った。仕事の付き合いはどこの部署にもあるものだった。
車窓の外を流れる景色は、湾岸の倉庫街からオフィスビルの密集地帯へと変わっていき、ガラスに反射する朝日が車内に淡い光の筋を落としていた。
「飲み会、何時までなの?」
「わかんないけど、二次会までは行かないと思う」
「そっか。気を付けて」
「うん、ありがとう」
会話はそこで一区切りついた。特に何気ない日常の延長のようなやり取りだったが、乃依は透青の夜の予定を知ったことで、頭の片隅にその時間帯を刻み込んでしまう自分に気づいていた。
会社に着くと、いつも通りエレベーターの前で別れた。透青は事業企画部のフロアに向かいながら、最後にもう一言付け加えた。
「もし早く終わったら、連絡するかも」
「うん、いつでも」
エレベーターの扉が閉まる直前、透青はもう一度乃依の方を振り返った。何かを言いかけたようにも見えたが、結局そのまま扉は閉まってしまった。
透青はそう言って事業企画部のフロアへ消えていった。乃依は自分のデスクに戻りながら、今日一日をどう過ごそうかとぼんやりと考えていた。
広報部のフロアに戻ると、朝の慌ただしさがまだ残っていた。同僚たちの挨拶に応えながら、乃依はパソコンの電源を入れた。画面が立ち上がるまでの短い待ち時間、頭の中ではまだ電車内での会話が響いていた。
「飲み会、二次会まで行かないと思う」その一言がなぜか妙に引っかかっていた。「行かないと思う」という曖昧な言い方の中に、まだ確定していない夜の時間が漂っているような気がした。
午前中の仕事はいつも通りに進んだ。取材の依頼メールを送り、社内報の校正を進める。定型的な作業の合間にも、頭の片隅に夜の飲み会のことがちらついていた。
昼休み、乃依は一人で近くの公園まで歩いた。ベンチに座り、コンビニのおにぎりを頬張りながら行き交う人々を眺めた。会社員、観光客らしき旅行者、犬の散歩をする老夫婦。
誰もがそれぞれの時間を生きていた。
木々の葉は、まだ夏の緑を保ったまま風に揺れ、乃依はその音に耳を澄ませながら透青の夜の予定についてあれこれと想像を巡らせていた。
近くのベンチではサラリーマン風の男性がスマートフォンで誰かと通話していた。切れ切れに聞こえてくる声は仕事の内容らしく、抑揚のない事務的な調子だった。乃依はその声を遠くに聞きながら自分の考え事に戻っていった。
昼休みの終わりを告げるように公園の時計台から控えめなチャイムが鳴り、乃依は残っていたおにぎりの最後の一口を食べ終えてベンチから立ち上がった。
飲み会でどんな話をするのだろう、誰と隣り合わせになるのだろう。
考えても仕方のないことばかりが頭の中を巡っていく。
午後の仕事はいつもより長く感じられ、乃依はいつしか時計をちらちらと確認する癖がついている自分に気づいた。夕方が近づくにつれ、フロアの空気も少しずつ帰り支度の色を帯びていく。
その日、乃依は珍しく残業になった。取材先とのやり取りが長引き、気づけば窓の外はすっかり暗くなっていた。オフィスの照明だけが煌々と灯る中、乃依はパソコンの画面と向き合いながら時折、スマートフォンを確認していた。
透青からの連絡はまだない。飲み会が長引いているのかもしれない、と乃依は思った。それとも、そもそも連絡するつもりなどなかったのかもしれない。
もし早く終わったら、という言葉の軽さを乃依は改めて噛みしめていた。
パソコンの画面を閉じ、荷物をまとめながらも、乃依はスマートフォンを鞄にしまう前に、もう一度だけ画面を確認した。通知は何もない。分かっていたことなのに、その事実を目で確かめるたびに、小さな落胆が積み重なっていく。
自分から連絡するという選択肢もあったが、いつでもと答えた手前、自分から急かすようなことはしたくなかった。待つことにも、それなりの意地が必要だった。
会社の廊下はいつしか人影もまばらになり、蛍光灯の白い光だけが静かにフロアを照らしていた。エレベーターホールに響く自分の足音がやけに大きく聞こえた。
仕事を終えて会社を出ると、夜の品川は昼間とはまったく違う顔をしていた。オフィス街の窓明かりはまばらになり、代わりに飲食店の看板が赤や黄色の光を路上に投げかけている。乃依はその光の中を一人でゆっくりと歩いた。
駅前の広場を通りかかったとき、少し先の居酒屋の前で、見覚えのある集団が出てくるのが見えた。にぎやかな話し声と酔いの回った足取り、見慣れた顔がいくつも混じっていて、事業企画部の飲み会だとすぐに分かった。
透青もその中にいる。ネクタイを緩め、いつもより少しだけ表情が柔らかくなっているのが遠目にも分かった。
普段の彼とは違う、少しくだけた立ち姿、誰かに何かを話しかけられ笑いながら頷く、その一つひとつの仕草が乃依の目には妙に鮮明に映った。
居酒屋の引き戸から漏れる灯りと賑やかな話し声が、夜の路上にまで溢れ出ていた。焼き鳥の煙の匂い、ビールの泡がはじける音、誰かの笑い声。それらが混じり合って、店の前に独特の熱気を作り出していた。
乃依は思わず物陰に身を寄せて、その様子を眺めた。覗き見のようなことをしている自分に少し呆れながらも、足が動かなかった。
透青は同僚たちに囲まれていつもと変わらない穏やかな笑顔を浮かべ、誰かが肩を叩くと笑って返していた。その輪の中心にいるわけではないが、確かにその場に馴染んでいる様子が遠目にも伝わってきた。
乃依は物陰からその光景をしばらく見つめていた。会社では見せない少し砕けた表情、仕事とは違う声のトーン。
知っているようで知らない、透青の一面がそこにはあった。
集団は解散する気配もなく、店の前で二次会の相談を始めているようだった。乃依はその場を離れるべきか迷いながらも、なぜか足が動かなかった。
透青が誰かの冗談に声を上げて笑う瞬間があった。その笑い方は朝の駅で見せるものより少しだけ大きく開けたもので、仕事中とも朝一緒に歩く時とも違う、また別の表情を見てしまったことに乃依は小さな戸惑いを覚えた。
この距離感でしか見られない透青の姿があることに、乃依は今さらながら気づかされていた。毎朝顔を合わせているつもりで、実際には彼のほんの一部分しか知らないのかもしれない、という気づきは、嬉しさよりもむしろ小さな寂しさを連れてきた。
グラスの触れ合う音や誰かの大きな笑い声が店先から漏れ出てきて、乃依はさらに一歩だけ物陰の奥へと身を引いた。
「雪代くん、彼女とかいないの?もったいないよね」
酔った様子の先輩社員の声が夜の静けさの中でよく響き、乃依は思わず息を止めた。
「いないですよ、そんな相手」
透青はいつもの調子で軽く笑いながら答えた。その声には、はぐらかすような響きも深刻さもなかった。ただの世間話として処理されるべき軽い一言だった。
「でも、好きな人くらいはいるでしょ」
別の誰かが茶化すように続け、透青は少し間を置いてから静かに答えた。
「まあ、いなくはないんですけど」
透青の声はいつもと変わらない穏やかさを保っていたが、その一瞬だけ視線がわずかに下を向いたように見えた。夜の暗さのせいで、乃依にはそれが本当かどうか確かめるすべはなかった。
その一言に、乃依の心臓が大きく跳ねた。以前、透青自身の口から聞いた覚えのある言葉とほとんど同じ響きだった。
あれは半年ほど前のことだった。仕事終わりにたまたま同じ時間に残業になった夜、雑談の流れで恋愛の話になったことがある。
閉め切ったオフィスに互いのキーボードを打つ音だけが響く、冬の夜だった。窓の外はすでに真っ暗で、暖房の効きすぎた部屋の空気が少しだけ息苦しく感じられたことを乃依はまだ覚えている。
乃依が何気なく「好きな人とかいないの?」と尋ねると、透青は少し照れたように笑って同じように答えていた。
「いなくはない」と。
その時も乃依は、詳しく聞き出すことはなかった。踏み込みすぎることが怖かったし、答えを知ってしまえば自分の気持ちに区切りをつけなければならなくなる気がしていたからだ。だからあの日から今日まで、乃依はその言葉を心のどこかにそっとしまい込んだまま過ごしてきた。
あの夜、透青がどんな表情でその言葉を口にしたのか、乃依は今でも鮮明に思い出せる。窓ガラスに映った互いの姿、パソコンの明かりだけが照らす薄暗い部屋、コーヒーの湯気が立ちのぼる音、すべてがまるで昨日のことのように蘇ってくる。
あの時と今夜、同じ言葉が二度確かめられたその事実の重さを、乃依はまだうまく受け止めきれずにいた。
半年という時間の中で何かが変わっていてもおかしくないはずだったのに、答えは変わらなかった。変わらなかったという事実こそが乃依にとって一番重く響いていた。
もし透青の気持ちが本当に変わらないままなのだとしたら、自分にできることはやはり何もない。それでも、半年前より少しだけ近くなった距離を乃依は確かに感じていたし、答えの出ない問いを抱えながらもその近さだけは手放したくない気がしていた。
「誰誰、教えてよ」
「言うわけないじゃないですか」
周りから小さな笑い声が上がった。誰かがビールを注ぎ足し、話題はすぐに仕事の愚痴へと移っていった。透青も笑いながらその輪に加わり、先ほどの質問などまるでなかったかのように振る舞っていた。
透青は笑ってその場をかわしていたが、その様子はいかにも打ち解けた同僚同士のやり取りに見えた。誰も本気で追及するつもりはなく、話題はすぐに別のものへと移っていった。
乃依は物陰から離れ、駅へ向かって歩き出した。頭の中では、たった今聞いた会話が何度も繰り返し再生されている。
いなくはない。
その言葉の重さを、乃依はどう受け止めればいいのか分からなかった。以前聞いた話と今聞いた話、同じ答えが時間を挟んで二度確認されたことになる。
透青には確かに誰か好きな人がいる。
その事実をこれまでずっと分かっていたはずだった。それでもこうして改めて耳にすると、胸の奥に鈍い痛みが広がっていく。分かっていることを再確認するだけなのに、なぜこんなにも苦しいのか乃依自身にも説明がつかなかった。
夜風が乃依の頬を撫でて通り過ぎ、居酒屋から漏れる賑やかな声が少しずつ遠ざかっていく。乃依は振り返ることなく駅の方角へと足を向けた。
改札を抜け、ホームに立つと、夜の電光掲示板の光がいつもより冷たく感じられた。電車を待つ間、乃依はスマートフォンの画面を何度も確認したが、透青からの連絡はまだ来ていなかった。
電車に乗り込み、窓の外を流れる夜景を眺めながら乃依は自分に問いかけていた。
自分は、一体誰のことを考えて胸を痛めているのだろう。
車窓に映る自分の顔はいつもより青白く見えた。対向のホームを通り過ぎる急行列車の光が一瞬だけ視界を白く塗りつぶし、そのまぶしさが消えた後にはまた元の暗い車窓が戻ってきた。
答えは分かっていた。透青のことを想う気持ちが今夜また一段と重くなっただけのことだった。乃依は、誰か他の人を想っている透青をそれでも好きでいることの意味を考えずにはいられなかった。
好きになるということは、こんなにも一方的なものなのだろうか。相手の気持ちがどこにあろうと、自分の中の想いだけが勝手に育ち続けてしまうその理不尽さに、乃依はほとほと疲れを感じていた。
車内アナウンスが次の停車駅を告げても、乃依の意識はそこに向かわなかった。ドアが開き、閉まり、また電車が動き出す、その繰り返しの中で乃依はただじっと座席に身を沈めていた。
家に着いたころには夜もすっかり更けており、乃依は靴を脱ぎながら玄関の暗さにしばらく立ち尽くした。灯りをつける気力さえ今夜はなかなか湧いてこなかった。
エアコンの止まった部屋には、昼間の熱気がまだ薄く残っていた。窓を少し開けると、外から虫の声が微かに入り込んでくる。まだ夏の名残を語るその小さな合唱を聞きながら、乃依はようやく部屋の灯りをつけた。
冷蔵庫から取り出した麦茶を一口飲むと、少しだけ気持ちが落ち着いた。乃依はソファに沈み込むように座り、しばらく何も考えずに天井を見上げていた。
ソファに座り込み、乃依はようやくスマートフォンを開いた。透青からのメッセージが一件届いている。
「今、終わった。今日はごめん、連絡遅くなった」
時刻を確認すると、思っていたよりずっと遅い時間だった。二次会にまでもつれ込んだのだろうか。それとも一次会が長引いただけなのだろうか。
乃依は、その短い一文を何度も読み返した。飲み会の間中、忙しかったのだろうか。それとも、誰かとの会話に夢中になっていたのだろうか。
想像は際限なく広がっていくが、答えを知るすべはなかった。
「お疲れさま。飲み会、楽しかった?」
短く返信を送ると、すぐに既読がついた。
「まあまあかな。乃依は?残業だった?」
「うん、ちょっと長引いた」
「大変だったね。ゆっくり休んで」
その優しい一言に、乃依はまた胸が締め付けられるのを感じた。誰にでも向けられる優しさなのだと頭では分かっている。
それでも今夜だけは、この言葉が自分だけに向けられたものであってほしいと願わずにはいられなかった。画面に表示された短い文字列を乃依はしばらく見つめ続けていた。既読の文字だけが静かにそこに残っている。
シャワーを浴びながら、乃依は今夜聞いた言葉をもう一度反芻していた。
いなくはない。
温かい湯が肩に当たる感触もいつもより遠く感じられ、頭の中はたった一言の残響でいっぱいだった。
その相手が誰なのか、乃依には見当もつかない。同じ会社の誰かなのか、それとも学生時代からの知り合いなのか。想像すればするほど、胸の奥が締め付けられるように痛んだ。
もし相手の顔や名前を知ってしまったら今よりもっと苦しくなるかもしれないが、知らないままでいることの方が時に残酷に思えることもある。乃依はその両方の恐れの間で、行き場のない気持ちを持て余していた。
蛇口を閉めると、急に部屋が静寂に包まれた。水滴が肌を伝う感触だけが、しばらくの間乃依の意識を現実に繋ぎ止めていた。バスタオルに包まりながら、乃依は鏡に映る自分の顔をもう一度だけ見つめた。
湯気の向こうに映る自分の顔を、乃依はぼんやりと見つめた。恋をするというのは、こんなにも苦しいことだったのかと、今さらながら思い知らされた。
バスルームを出て髪を乾かしながらベッドに腰掛けた乃依は、窓の外に目をやった。夜の街はいつも通りの静けさを湛えており、遠くのビルの窓明かりが規則正しく点在していた。
もし透青に好きな人がいるのだとしたら、自分にできることは何もない。ただ、朝の数分間をこれまで通り大切にするだけだった。それ以上を望むことは自分には許されていない気がした。
願うことすら贅沢なのかもしれない、と乃依は思ったが、それでも朝また彼に会えることだけが今の自分にとって揺るがない確かな喜びだった。矛盾した感情を抱えたまま、乃依は自分の中の折り合いをつけようとしていた。
そう自分に言い聞かせながらも、乃依の心のどこかにはまだ小さな違和感が残っていた。今夜聞いた言葉の響きが以前聞いた時と微妙に違って聞こえたことだった。
以前はもっと確信に満ちた口調だった気がするが、今夜の透青は、どこか言葉を選びながら慎重に答えていたように思えた。その違いが何を意味するのか、乃依にはまだ分からなかった。
もしかしたら、単に酒の席という場がいつもより言葉を慎重にさせただけかもしれないし、あるいは以前とは違う何かが透青の中で変わりつつあるのかもしれない。どちらの可能性も乃依には確かめる手立てがなかった。
答えを確かめるための一番簡単な方法は本人に直接尋ねることだが、その一言を口にする勇気は今の乃依にはまだ持てそうになかった。
分からないことを分からないまま抱えておくことに、乃依はもう慣れているつもりだった。それでも今夜だけは、その分からなさがいつもよりずっしりと重く感じられた。
カーテンを閉め切らない窓から月明かりが薄く差し込んでおり、その光の淡さが今の自分の心情と重なって見えた。はっきりとした形を持たないまま、それでも確かにそこにある明るさだった。
ベッドに横になり、天井を見つめながら乃依はゆっくりと目を閉じた。
今日一日の出来事が順番も脈絡もなく頭の中を巡っていく。朝の他愛もない会話、昼の公園のベンチ、夜の居酒屋の前で聞いた一言。バラバラな断片がまだうまく一つの意味にまとまらない。
今夜という一日が、また新しい形の切なさを胸に刻んでいったことだけが確かだった。
明日の朝もいつもの場所で透青に会える、そのことだけを心の支えにしながら、乃依は静かに眠りに落ちていった。
夢の中では、まだ答えの出ない問いが形を変えながら漂い続けていた。「いなくはない」という言葉の向こうにある顔のない誰かを、乃依はぼんやりと探し続けていた。
朝が来れば、またいつもの柱の陰にあの人が立っている、という確かな思いだけを胸に抱いて、乃依は長い夜の底へと沈んでいった。




