第7話 最後の一人は、先輩?
4人いると会話が楽ですね。
「さて、今日のここのおごりで志保へのわだかまりは消えた……ということにして、あと一人。あと一人、部員を集めれば正式な部活になる」
「私はジャンクフードというものは口に合わないのですが……仕方ありませんわ。今回はこれで手を打ちます」
(コクコク)
「うぅ……今月のお小遣いがもうない……。私は部員を集めただけなのに……しかも、なんで柚季ちゃんまで……」
四人は学校帰り、ファーストフード店にいた。
泣いている志保を完全に無視して、理沙たちは話を進める。
「で、これからどうしますの?」
「もうすぐGWだ。入っちゃうと部員集めはほぼ無理。それにこの時期だと、チラシやポスターの効果も薄い。……でも、あと一人は絶対必要だ」
そこで理沙は一度言葉を切り、志保を睨んだ。
「って、いつまで泣いてるんだ! 志保が部長だろ!? なんで私が仕切ってるんだ!」
「いいよ、理沙が部長やればいいじゃん」
志保は泣き止んだと思ったら、今度はふてくされて頬を膨らませる。
四月も終わりが近づき、部員集めは完全に行き詰まっていた。
理沙は大きくため息をつき、仕切り直す。
「……志保は放っておこう。話を進める」
「私が入部した以上、同好会なんて中途半端なことは許しませんわ」
「同好会じゃ新聞出せないの……」
「あなた、本当に必要な時にしか喋りませんのね」
亜紀が呆れながらジュースを飲む。
その横で、柚季がこっそり写真を撮った。
「ちょっと、何してますの!? 勝手に撮らないでくださる? 言ってくれればちゃんとポーズを取りますのに」
モデルのようにポーズを決める亜紀。
「……そういう写真は撮らないの」
「なんですって!?」
柚季は無関心に携帯をしまう。
やり取りを強制終了するように、理沙が話を戻した。
「脱線は終わりだ。あと実質三日。もう部活に入る人はほぼ決まってる」
「確かに。時間は無駄にできませんわ」
(コクコク)
真剣な空気が流れる。
――が。
「で、どうしようか?」
理沙の一言で、すべてが崩れた。
亜紀は椅子から滑り落ち、柚季は首をかしげる。
「何も考えてませんの?」
(コクコク)
「……だって、基本は分かるけど応用は苦手なんだもん……」
理沙がしょんぼりする。
その様子に亜紀は呆れ、深いため息をついた。
「なにか案は?」
理沙が小さく聞く。
「今の顔、もう一回やってほしいの。シャッターチャンス逃したの」
「はあ!? あなた何を考えていますの!?」
「そうじゃないの。作ったポーズは売れないの」
「……売ってるの!?」
理沙と亜紀が同時に叫ぶ。
「これがランキングなの」
柚季が画面を見せる。
「一年生だけなら相原さんが一位なの」
「お~ほっほっほ! 当然ですわ!」
「でも総合一位は理沙さんなの」
「……どういうことですの!?」
亜紀が机を叩いて立ち上がる。
「二、三年の認知度の差なの。新入生代表の影響」
「くっ……!」
悔しがる亜紀。
その横で理沙は静かにジュースを飲んでいた。
「一回勝っただけで調子に乗らないでくださいまし!」
炎のように燃える亜紀。
――その時。
「そうだ、いいこと考えた~」
志保が復活した。
「やめろ」
「やめてください」
二人が即座に止める。
「大丈夫だよ~。今回は普通だよ」
信用ゼロである。
「一年生がダメなら、二、三年生を引き抜こうよ。柚季ちゃんがいるし」
空気が凍った。
「お前は人の都合を考えろぉぉぉ!」
理沙が頬をつねる。
「でも、発想自体は悪くないの」
柚季がぽつりと呟く。
「卑劣ですわ!」
「ダメだよ!」
志保以外全員が否定。
しかし柚季はタブレットを操作し始めた。
やがて画面を見せる。
「この人なら可能性あるの」
そこには一人の名前。
「二年生、遠藤舞。ハンドボール部のGK。特待生で県選抜経験あり」
「強すぎだろ……」
「でも最近、部活に出てないの」
「理由は分からないのですわね」
亜紀が言う。
柚季は無言で肯定した。
「じゃあ、話だけでも聞いてみない?」
志保が言う。
「確かに、それしかないな」
「他に手もありませんし」
(コクコク)
三人が頷く。
「じゃあ、明日、遠藤先輩のところにみんなで聞きに行こう~」
志保ののんびりした声で、締められた。
4人のキャラクターたちは愛されていますでしょうか?
先輩はどんなキャラになるんでしょうね。
面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価もよろしくお願いします!




