第4話 フットサル部、結成条件はあと三人
志保のボケ、理沙のツッコミは書いていて面白いですwww
理沙が教室に戻ると、志保は自分の机に突っ伏して頭を抱えていた。
「ほら、志保。帰るぞ」
カバンを手に取り、そばへ歩み寄る。しかし志保はまったく反応しない。
「本当に帰るぞ」
「うえ〜ん、理沙〜。メンバー集めるの、どうしたらいいのか全然わかんないよ〜」
顔を上げた志保は涙目だった。
「どうやってメンバーって集めたらいいの?」
そう言いながら抱きつき、理沙の胸に顔を埋める。
「あ〜はいはい、そんなことだろうと思った。だから帰って、アイディアを考えようって言ってるんだろ。早く動かないと他の部に取られるぞ」
志保の頭をなでて落ち着かせる。こういうところが可愛いのだと、理沙は内心思う。
「……うん。帰る」
「じゃあ今から私の家に行くぞ。進学校だから部活より勉強を優先する人が多い。部員は取り合いになる。明日からすぐ動かないといけない」
「わかったよ、理沙」
二人はカバンを持ち、急ぎ足で教室を出た。
「でもさ、本当に何からやればいいんだろうね?」
「まず絶対に必要なのは勧誘ポスターだな」
「おぉ〜理沙、頭いい〜」
「……この廊下を見て、何も気づかないのか?」
下駄箱へ向かう廊下には、各部活の勧誘ポスターが所狭しと貼られていた。
「あっ、本当だ。野球部、バレー部、吹奏楽部……あ、軽音部もある! 私ここにしようかな〜」
「いや、ないよ。その選択肢はないよ! フットサル部だろ!」
志保の天然に、理沙は思わず声を荒げる。
「あっ、そうか。えへへ」
「……今まで気づかなかったのか?」
「うん、全然。まったく目に入らなかった」
真顔で答える志保。
(ポスター作った人、泣くぞ……)
理沙はそっと背を向けた。
「まあいい。とにかくポスターは必須だ。帰ったらすぐ作るぞ」
志保の手を引き、下駄箱へ向かう。
「うん、頑張ろうね」
そののんびりした返事に、理沙は軽くため息をついた。
外へ出ると、校庭から賑やかな声が聞こえてくる。
「なに? なんかあったの?」
「行けば分かる。靴を履け」
「なんか理沙、お母さんみたい」
「いいから履け」
校庭に出ると、そこでは各部活の勧誘が行われていた。チラシを配り、声を張り上げる生徒たち。
「すごい……大学みたい」
「感心してる場合じゃないぞ」
「顔が近いよ、理沙。落ち着いて」
「落ち着いてる場合じゃないわよ」
いつの間にか背後に立っていたゆかりが声をかけた。
「どわぁぁぁ!?」
二人は飛び退く。
「びっくりした……」
「いつからいたんですか?」
「理沙……私、もうダメかも……フットサル部は永遠に……」
「まだ出来てない!」
理沙が即座にツッコむ。
「このコント、いつまで続くの?」
ゆかりが呆れ気味に言う。
「終わりです。それで、どういう意味ですか?」
「落ち着いてる場合じゃないって?」
「……はい、まず深呼吸」
ゆかりに促され、二人は深呼吸する。
「うちは進学校だから、部活より勉強が優先。部員が少ないのよ」
ゆかりは静かに説明を始めた。
「五人未満だと同好会に格下げ。部費もなし、部室も使えない。正式な部として認められないの」
「へえ〜」
「絶対理解してないだろ」
「えへへ」
志保の反応に、理沙は頭を抱えた。
「ダメだ、志保はやっぱりダメな子だ……」
ゆかりも小さく苦笑する。
「でも、頑張ります!」
志保は拳を握る。
「応援してるわ。定例会議はGW明け。それまでが勝負ね」
その言葉に、理沙の表情が変わる。
「悠長にしてる場合じゃないぞ。行くぞ!」
志保の襟を掴み、そのまま引きずる。
「先生、さようなら〜!」
「廊下は走らないのよ〜!」
ゆかりの声を背に、二人は駆け出した。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
どんな子がメンバーになるのか。楽しみにして頂けると嬉しいです。
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