表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/38

第21話 本気の練習、始まる

原文よりも読みやすいとは思いますが、情報量が足りない気がしています

次の日。授業を終えた志保たちが体育館に向かうと、そこには柚季の兄――健の姿があった。


急いで着替えを済ませた5人は、健の前に整列する。そんな様子を見て、健は苦笑しながら口を開いた。


「えー、今考えると、とてつもない脅しで今日からコーチを引き受けることになりました、足立健です」


「なんか本当にすいません。うちのメンバーが……本当にすいません」


「ごめんなさい、ごめんなさい」


理沙と舞が何度も頭を下げる。だがその内心では、健がコーチになることを歓迎していた。


【スクラッチ】の強さを見れば、その指導力は明らかだ。メンバーは健を信頼し、練習メニューを一任している。そしてその成果は、確実に結果として現れている。


そんな人物がコーチに付けば、全国への道も見えてくる。


(まあ、亜紀は少しだけ可哀想だったけど)


理沙がちらりと隣を見ると、亜紀は顔を真っ赤にして整列していた。


「さて、自己紹介とかは知ってるからいいや。とりあえず、いつも通りに練習してくれるかな」


「「「はい!」」」


全員の元気な返事が体育館に響く。


「じゃあ、とりあえず体育館周りを5周するぞ」


理沙が先頭に立ち、全員を引っ張って走り出した。


その様子を見ながら、健は何かを書き留め始める。志保たちはいつも通り、真面目に練習をこなしていた。


(まあ、真面目にやってるな。間違ってはいないけど、正解でもないか)


そんなことを考えていると、背後からゆかりが声をかけてきた。


「どうですか? うちの生徒たちは?」


健は軽く会釈するだけで、特に驚いた様子もない。


それが気に入らないのか、ゆかりは少し不満そうな顔をしつつ、改めて尋ねた。


「チームは強くなれそうですか?」


「うーん、絶対とは言いませんけど、多分大丈夫だと思います」


その頃、理沙が健のもとへやってきた。


「一応、練習が一通り終わりました。あとは繰り返したり、少しだけ変えたりしているんですけど……」


自信なさげに報告する理沙に、健は優しく笑いかける。


「了解。とりあえず休憩して」


「はい」


理沙は頭を下げ、仲間のもとへ戻っていった。


そして健は、ゆかりに向き直る。


「先生、すいません。僕はバイトがあるので毎日は来られません。ですから先生にもフットサルを覚えてもらって、指導をお願いしたいんです。ということで、着替えてきてもらえます?」


「はい?」


ゆかりは完全に固まった。


顧問になったのはあくまで形式的なもの。フットサルの知識も経験もない自分が指導するなど、考えたこともなかった。


「ジャージくらいありますよね? 学校ですし、先生なんだから」


健がニヤリと笑う。


(あ、これ……仕返しだ)


ゆかりは悟った。


「えっ、私もフットサルするの? 無理無理無理!」


必死に拒否するゆかり。しかし健は容赦しない。


「人数が少ないですし、奇数は練習しにくいですから。今後のことを考えるなら、先生も多少はできた方がいいですよ」


「でも……」


迷うゆかりを見て、健が思いついたように声を上げる。


「みんな、ゆかり先生も練習に参加するから、着替えを手伝ってあげて。靴とかあったら貸してあげてくれる?」


「えっ!?」


志保たちが一斉に振り向いた。


そして次の瞬間――


「先生もフットサルやるんですか!?」


「確かに人数も揃いますし!」


(コクコク)


期待に満ちた目がゆかりに向けられる。


その視線に揺れる心。


(少しでも力になれるなら……)


だが――


「やっぱり無理!」


両手を振って拒否するゆかり。


しかし。


「志保、舞さん」


理沙の一言で空気が変わった。


「了解」


二人は即座に動いた。


「さあ、先生。着替えようか」


「大丈夫です、全然痛くないですからね~」


ゆかりの両脇を抱え、そのまま引きずっていく。


「ちょっと待って! ジャージも靴もないってば!」


必死の抵抗も虚しく――


「亜紀!」


パン、と理沙が手を叩く。


「大丈夫ですわ、先生。こんなこともあろうかと三橋に用意させてありますわ」


「準備万端すぎるだろ……」


健が呆然と呟く。


「いいんですよ、これで」


理沙が満足げに頷いた。


そして――


部室の中から、ゆかりの悲鳴が響いた。


「助けて~!」

読んでくれてありがとう!


ここからもどんどん面白くなる(多分)のでぜひ続きもどうぞ!


よかったらブクマや評価もらえるとめっちゃ嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ