第14話 はじめてのユニフォーム
書きやすいキャラと書きにくいキャラってあるんですよ。本当に。
「で、練習法はどうしますの?」
「そうだな……とりあえず本で調べるしかないな」
「じゃーん! 創部記念プレゼント第2弾、フットサル参考書!」
ゆかりが突然声を上げ、机の上に三冊の本を置いた。
(フットサル練習法)(フットサルルールブック)(フットサル上達法)
「おぉ~~!」
部室に歓声が上がる。
「先生、これどうしたんですか?」
「もちろん買ったのよ。顧問なのに何も知らないじゃ困るでしょ?」
「えっ、今さっきですか?」
「ううん。志保ちゃんたちが相談に来た日に買ったの」
その言葉に、五人は驚く。
「まだ二人しかいなかったのに……」
「でも、あなたたちなら作ると思ったもの」
ゆかりは照れながら笑った。
「調子に乗って、もう一ついくわよ。創部記念プレゼント第3弾!」
袋からボールを二つ取り出す。
「おぉぉ!」
拍手まで起こる。
「ゴールは注文済みよ。あそこにあるでしょ。ただしこれは後でお金返してね」
「そこはプレゼントじゃないんだ……」
「ごめんね」
「先生に無茶言うなよ」
「そうですわ。庶民の先生にそこまで求めてはいけませんわ」
「ちょっと待ちなさい」
ゆかりのこめかみに血管が浮かぶ。
「気のせいです!」
「気のせいですわ!」
二人は即否定した。
「……まあいいわ。あとユニフォームもあるし、無駄遣いはダメよ」
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「ねえ、練習着は?」
舞の一言で空気が変わる。
「確かに……」
「私はこれでいいけど」
舞はジャージを見せる。
「でも、みんなは?」
「お金ない……」
志保がジト目で全員を見る。
無視された。
「私は一着なら何とか」
「僕は無理なの。機材買ったから」
「……そこは聞かないでおきますわ」
亜紀がため息をつく。
「いいですわ。私が用意します」
「えっ?」
「相原財閥の名にかけて、恥ずかしい格好はさせませんわ」
そう言って、亜紀はノートに描き始めた。
数分後――
「できましたわ!」
見せられた瞬間、全員が固まる。
「……これ、なに?」
「人……?」
(コクコクコク)
「これがユニフォーム?」
完全に事故だった。
「ふふん、理解できませんのね」
亜紀が高笑いする。
四人は円陣を組んだ。
「無理」
「無理だな」
「絶対着ない」
(コクコク)
結論、即一致。
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「どうする?」
「時間稼ぐ。舞、描ける?」
「簡単なら」
「頼む」
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「亜紀ちゃん、このデザインすごいね」
「分かりますの?」
「でも……これは亜紀ちゃん専用だと思う」
「……は?」
「庶民には着こなせないよ」
(コクコクコク)
「確かに……」
亜紀が考え込む。
そこに柚季。
「みんなが着られるデザインがいいの」
「なるほど……」
さらに理沙。
「こっちはどうだ?」
舞の描いた案を見せる。
「地味ですわね……」
「でも全員着られる」
沈黙。
そして――
「……分かりましたわ」
勝利。
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「三橋、来なさい」
電話一発。
数秒後、ドアが開く。
「何かありましたか、お嬢様」(プルプル)
「誰!?」
爆速すぎる。
「これを量産なさい」
指示が飛ぶ。
そして――
数分後。
「できました」
段ボール大量。
「早っ!?」
「靴まで!?」
理解不能。
「持っていきなさい」
「いいのか?」
「当然ですわ」
「お~ほっほっほ!」
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「……もう突っ込まない」
理沙が諦めた。
「明日から練習できるね」
舞が笑う。
「じゃあ課題」
理沙が仕切る。
「ルールは各自勉強。練習は私と志保で考える」
「了解」
(コクコク)
「えっ、私も!?」
「お前が始めたんだろ!」
グリグリ。
「痛いぃぃ!」
部室に笑いが響いた。
読んでくれてありがとうございます!
ここから志保たちももっと面白くなりますので、ぜひ続きもどうぞ!
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