表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フットサル、しよ♪ --五人だけの女子フットサル部、初めての勝利へーー  作者: izumi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/15

第10話 楽しくやりたかっただけ

悩みのない人なんて本当にいるのでしょうか?

「うぅ、お腹空いたよ~」


お腹を鳴らしながら半泣きで廊下を歩く志保。


四人は午後の授業が終わると、帰り支度もせず遠藤舞の教室へ向かっていた。


「ほら、早く行くぞ。帰っちゃうだろ」


「一食抜いたくらいで情けないですわね。ダイエットだと思えばいいのですわ」


その瞬間、亜紀の腹が鳴った。


「お嬢様でもお腹は空くの」


「なっ……!」


顔を赤くする亜紀。


「って、おい。何してる」


柚季は歩きながらタブレットに何かを打ち込んでいた。


「前見ないと危ないよ?」


志保が覗き込む。


「“お嬢様でもお腹は減る”……って、亜紀ちゃんの情報?」


「どうでもいい情報ではありませんわ!」


「どうでもいいだろ!」


理沙が強引に話を戻す。


「いいから急ぐぞ。本題を忘れるな」


三人は一瞬止まり――


「……そうですわね」


「……うん」


(コクコク)


明らかに忘れていた。


「お前らな……もういい、行くぞ」


――教室前。


「どうする?」


「出てきたところで話せばいいですわ」


(コクコク)


しかし――


「遠藤先輩~!」


志保、突撃。


「またこのパターンですの……」


「慣れてきたな、亜紀」


しばらくして、舞が出てきた。


「……また勧誘?」


「違います。少しだけ話を聞いてください」


理沙が頭を下げる。


沈黙。


その空気を破ったのは亜紀だった。


「才能ある者には義務があります。あなたはそれから逃げているだけですわ」


空気が凍る。


舞は静かに言った。


「……場所、変えない?」


――公園。


ベンチに座る舞。


「で、何を聞きたいの?」


「どうしてポジションを譲ったんですか?」


「……」


「それで、どうして欲しいの?」


「ハンド部に戻らないんですか?」


「戻らない」


即答だった。


「なんで!?」


「戻らないって決めたから」


その一言には強い意志があった。


やがて舞は口を開く。


「プレッシャーに疲れたの」


夕焼けを見上げながら、静かに続ける。


「勝っても終わらない。期待は増えるだけ」


「楽しくて始めたのに、今は苦しいだけ」


涙が滲む。


誰も何も言えなかった。


「だから辞めた。楽しくやりたかっただけなの」


沈黙。


――破ったのは理沙だった。


「それでも、来てほしい」


志保も続く。


「一緒に楽しくやろう」


亜紀も。


「同じことはさせませんわ」


そして志保。


「先輩を必要としてます」


舞の表情が揺れる。


さらに志保は続ける。


「私も同じだった」


自分の過去を語る。


「楽しくやりたい。それでいいと思う」


柚季が前に出る。


「やりたいこと、ある?」


「なければ、一緒に見つければいいの」


静かに響く言葉。


理沙が最後に言う。


「待ってます」


四人が頭を下げる。


「やめてよ……」


舞は困ったように笑う。


沈黙。


そして――


「返事、明日でいい?」


その一言で空気が変わる。


「もちろん!」


志保が笑う。


舞は少しだけ笑った。


「じゃあ、また明日」


去っていく背中。


四人は頭を下げ続けた。


やがて理沙が言う。


「一歩前進だな」


「でも……迷う必要なんてないですわ」


「気持ちは簡単に割り切れない」


重い空気。


だが志保は笑う。


「大丈夫」


「なんで?」


「迷ってるってことは、変わってるってことだから」


その笑顔に、理沙は少しだけ呆れて――


「……そうだな」


夕焼けの中、四人は帰路についた。


読んでくれてありがとう!


ぜひ続きも見てください!


応援もらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ