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『あるマッド魔導具職人の日常 〜死の大陸に核ミサイルを撃ち込んでレベル6311になった件〜』  作者: すわ


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『死の大陸の古代ロボ、部品を剥ぎ取られる前に存在ごと消滅させられる』

「アル。港がないから、浜辺に乗り上げよう」


『戻れますかね? そんなことして』


「大丈夫だろ。俺の力も上がってるんじゃない?」


『信じますよ』


「よーし。あの辺に突撃だー」




ドーン! ガガガガー! 船体が浜辺を通り過ぎて、だいぶ奥地の方まで突っ込んだ。




『ご主人様! 急に勝手に漕がないでくださいよ!』


「ちょっと手伝おうかと思ったの!」


『こんなとこまで来ちゃって、どうやって帰るんですか?!』


「ごめんごめん。担いでいくから」


『船担いでる人ってみたことないですね。それは見てみたいです』


「だろ? 見せてやるから許してくれ」


『しょうがないですね』




船を降りて、周辺を確認する。




「何もいないな」


『そうですね。しかし不思議です。あれだけ焼き払ったのに、まだ森がありますね』


「うーむ。どうもすごい速さで木が生えてきてるようだぞ?」


『どういう原理なんでしょう?』


「何か俺たちの大陸とは違うんだろう。土壌とか大気とか。調べてみる価値あるな」


『食べられるものとかあるんでしょうかね? 私はいいですけど、ご主人様は何か食べるでしょう?』


「持ってきた食料がもつまでは、うろうろしてみよう」


「ふーむ何もないな。つまらんな」


『ご主人様! 何かすごい速さで近づいてます!』


「む? なんだ?」




木々をなぎ倒し、地響きを立てて現れたのは、山のような巨体を持つ古代の防衛用ロボットだった。


ロボットの全身が怪しく赤く発光し、無数の砲口がこちらをロックオンする。




「お、おいアル。なんかビームとかミサイルとか、めちゃくちゃ飛んできそうだぞ」


『これは、まともに食らったら消滅しますよ!』


「うわー! 危ない!」




ズガガガガガガガッ! ドゴォォォォン!!


直後、空を埋め尽くすほどのミサイルと、極太の熱線ビームが二人を襲った。


ケイは反射的にアルの肩を掴み、自分の前に引き寄せる。




(パキィィィィン!!!)




あたり一面が爆炎に包まれるが、アルの周囲に展開された半透明の「マナシールド」が、全ての攻撃を小石を弾くかのように完全に無効化していた。


あまりの鉄壁ぶりに、煙すらシールドの内側に入ってこない。






『……今、私を盾にしましたね?』


「いやいや、アルのバリアの性能を信じてたからな! ほら、やっぱり完璧に防げたじゃないか。鉄壁鉄壁!」


『信じるのと盾にするのは違います』


「しかし、これだけの攻撃を防いでもビクともしないとは……」


『いえ、ご主人様から流れ込んでくるマナが多すぎて、シールドの強度がバグっているだけです』


「いやー付けといて良かったマナシールド!」


『何誤魔化そうとしてるんですか?』


「よし反撃だ!」


『反撃……前に言ってたアレ使うんですか?』


「アル……信じてるよ」


『声に出しても許しませんよ』


「行くぜ!〈もしマナが無限にあったら撃ってみたい最強魔術! 理論上究極最強ビーム!〉」


『名前が長いし! そのまますぎです!』




周りに大量の魔法陣が所せましと並び、それは綺麗に配置され、さらに巨大な魔法陣を作成していく。 見渡す限りが魔法陣で埋め尽くされ、強烈な光が放出される!




(ドガァァァァァァァン!!! ズザザザザザザザザザザザーーーーーッ!!!)




「うおっ、反動がやば――アル、頼むっ!!」


『やっぱりこうなるじゃないですか!!』




発射した瞬間に発生した、天変地異レベルの超絶的なノックバック。ケイは反射的にアルの胴体に全力で抱き着いた。


その瞬間、アルの全身から輝く立方体――四角い形状のマナシールドが急展開され、ケイごと二人を完全に覆い隠す。




(ドッゴォォォォォォォォォォン!!!)




音速の壁を軽々と突破し、凄まじい速度で後ろへと吹っ飛んでいく二人。


バリアに包まれて砂浜を激しくバウンドし、元の船のすぐ横に派手に突っ込んでようやく停止した。




バリアが消え、ケイがアルからパッと手を離して、服の砂を払いながらフッと不敵に笑った。




「ふっ。俺の計算通り。砂浜まで帰ってきたぜ。船も一緒に」


『嘘のレベルは上がらないんですか?』


「上がってるだろ? 完璧だろ?」


『いえ、まだレベル1だと推測いたします。しかも、しれっとまた私を盾にしましたね?』


「四角いシールドで綺麗に囲んでくれたおかげで無傷だよ! やっぱりアルは最高の相棒だな!」


『褒めても許しませんからね』




二人が恐る恐る前方を振り返ると、そこにはロボットの姿どころか、先ほどまで存在していたはずの山脈すら跡形もなく消え去り、地平線の彼方まで一直線に巨大な大穴グランドキャニオンが穿たれていた。




ふとステータス画面のログが目に入る




【レベルアップしました!】




「レベルが上がったぞ?! あいつどんだけ強かったんだ?」


『それを一撃で倒したんですから、ご主人様、人間やめましたね?』


「まだ人間だと思ってるが……せっかく倒したのに、部品も手に入らんかったな」


『そろそろ帰りましょうよ。さすがに疲れたのでは?』


「ああ。いったん帰ろう。あと、あの魔術名前長いな。ロマン砲と命名しよう!」


『もう一生撃たないでください』


「帰りは俺が漕いでやるよ」


『港に突っ込んじゃいますよ』


「家まで一瞬かもよ?」


『もっとダメでしょ。噂になりますよ』


「それは困るな。静かに暮らしたいもんな」


『もう無理だと思いますけどね……』




結局アルに漕いでもらって、俺たちの麗しのわが家へ帰るのだった。

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