『死の大陸の古代ロボ、部品を剥ぎ取られる前に存在ごと消滅させられる』
第1話 一部変更しました。
「アル。港がないから、浜辺に乗り上げよう」
『戻れますかね? そんなことして』
「大丈夫だろ。俺の力も上がってるんじゃない?」
『信じますよ』
「よーし。あの辺に突撃だー」
ドーン! ガガガガー! 船体が浜辺を通り過ぎて、だいぶ奥地の方まで突っ込んだ。
『ご主人様! 急に勝手に漕がないでくださいよ!』
「ちょっと手伝おうかと思ったの!」
『こんなとこまで来ちゃって、どうやって帰るんですか?!』
「ごめんごめん。担いでいくから」
『船担いでる人ってみたことないですね。それは見てみたいです』
「だろ? 見せてやるから許してくれ」
『しょうがないですね』
船を降りて、周辺を確認する。
「何もいないな」
『そうですね。しかし不思議です。あれだけ焼き払ったのに、まだ森がありますね』
「うーむ。どうもすごい速さで木が生えてきてるようだぞ?」
『どういう原理なんでしょう?』
「何か俺たちの大陸とは違うんだろう。土壌とか大気とか。調べてみる価値あるな」
『食べられるものとかあるんでしょうかね? 私はいいですけど、ご主人様は何か食べるでしょう?』
「持ってきた食料がもつまでは、うろうろしてみよう」
「ふーむ何もないな。つまらんな」
『ご主人様! 何かすごい速さで近づいてます!』
「む? なんだ?」
ドドスン! ドドスン!
木々をなぎ倒して、山みたいなデカいロボットが現れた。
全身を赤く光らせて、こっちに無数の砲口を向けている。
「おいアル。なんかビームとかミサイルとか、めちゃくちゃ飛んできそうだぞ」
『まともに食らったら消滅しますよ!』
「うわー! 危ない!」
ズガガガガガガガッ! ドゴォォォォン!!
空を埋め尽くすミサイルと熱線ビームが二人を襲う。
ケイは反射的にアルの肩を掴んで自分の前に突き出した。
パキィィィィン!!! 凄まじい爆炎。
だが、アルの周りに張られたバリアが全てを弾き飛ばしていた。
『……今、私を盾にしましたね?』
「いやいや、アルのバリアを信じてたから! 完璧じゃん、鉄壁鉄壁!」
『信じるのと盾にするのは別問題です』
『というか、ご主人様から流れてくるマナが多すぎてバリアの強度がバグってますよ』
「いやー付けといて良かったマナシールド!」
『何誤魔化そうとしてるんですか?』
「よし反撃だ!」
『反撃……前に言ってたアレ使うんですか?』
「アル……信じてるよ」
『声に出しても許しませんよ』
「行くぜ!〈もしマナが無限にあったら撃ってみたい最強魔術! 理論上究極最強ビーム!〉」
『名前が長いし! そのまますぎです!』
周りに大量の魔法陣が所せましと並び、それは綺麗に配置され、さらに巨大な魔法陣を作成していく。 見渡す限りが魔法陣で埋め尽くされ、強烈な光が放出される!
(ドガァァァァァァァン!!! ズザザザザザザザザザザザーーーーーッ!!!)
「うおっ、アル、頼むっ!!」
『やっぱりこうなるじゃないですか!!』
発射した瞬間に発生した強烈なノックバック。
ケイは反射的にアルの胴体に全力で抱き着いた。
その瞬間、アルの全身から四角い形状のマナシールドが急展開され、ケイごと二人を完全に覆い隠す。
(ドッゴォォォォォォォォォォン!!!)
凄まじい速度で後ろへと吹っ飛んでいく二人。
バリアに包まれて砂浜を激しくバウンドし、元の船のすぐ横に派手に突っ込んでようやく停止した。
バリアが消え、ケイがアルからパッと手を離して立ち上がった。
「ふっ。俺の計算通り。砂浜まで帰ってきたぜ。船も一緒に」
『嘘のレベルは上がらないんですか?』
「上がってるだろ? 完璧だろ?」
『いえ、まだレベル1だと推測いたします。
しかも、しれっとまた私を盾にしましたね?』
「四角いシールドで綺麗に囲んでくれたおかげで無傷だよ! やっぱりアルは最高の相棒だな!」
『褒めてもツケの額は減りませんからね』
前方を振り返ると、そこにはロボットの姿どころか、山も消え、地面にドデカい亀裂が入っていた。
ふとステータス画面を確認すると、
【レベルアップしました!】
「レベルが上がったぞ?! あいつどんだけ強かったんだ?」
『それを一撃で倒したんですから、ご主人様、人間やめましたね?』
「まだ人間だと思ってるが……せっかく倒したのに、部品も手に入らんかったな」
『そろそろ帰りましょうよ。さすがに疲れたのでは?』
「ああ。いったん帰ろう。あと、あの魔術名前長いな。ロマン砲と命名しよう!」
『もう一生撃たないでください』
「帰りは俺が漕いでやるよ」
『港に突っ込んじゃいますよ』
「家まで一瞬かもよ?」
『もっとダメでしょ。噂になりますよ』
「それは困るな。静かに暮らしたいもんな」
『もう無理だと思いますけどね……』
結局アルに漕いでもらって、俺たちの麗しのわが家へ帰るのだった。
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