sideリリベル4
ルイス様の婚約者として、私は妃教育を受けている。
隣国の王子の元に行くのなら、必要なことだと、私は熱心に受けていた。
そんな打算の心も知らずに、ルイス様は「僕が呪いに打ち勝つことを信じてくれてるんだね」と感動してるし、王様と王妃様も、婚約破棄の呪いがあるのに、頑張ってくれていると褒めてくれた。
なんだか、申し訳無く思うけれど、私は国王一家に可愛がられ、日々を過ごしていた。
いつの間にか、私の家族は、私を家族の一員として受け入れてくれたようだった。
ルイス様がとにかく私を大事にされるので、どんな場所に行っても私は大切に扱われるようになった。
呪いなんて、嘘ではないか、と思う程、私達は幸せに過ごしていった。
このまま、ルイス様と結婚する未来がきたりするのではないか?
ふと、そう思いそうになる度に、ダークに魔女様の呪いは絶対だと言われ、淡い期待は消えたのだが。
それでも。
私のことを心から愛してくれるルイス様と、少しでも長く時を過ごしたいと願ってはしまうのだ。
そんな願いは届かずに、やっぱり魔女ねえ様の言うとおりの未来がやってくるのだけれども。
学園に入学する前に、ルイス様に紹介されたのは、隣国の王子様だった。
「アドナルド・フォン・ミズリンです」
少し浅黒い肌に金茶色の髪、瞳は赤く、野性的な風貌で軍事大国の王子らしく鍛えているのか筋肉質で鋭い目つきをしていた。
「今度、僕たちが入学する時に、留学してくることになったんだよ」
ルイス様は、裏表の無い顔でにこにこと話しているが、アドナルド殿下は決して腹を見せない訓練をしていそうだなと観察するように眺めてしまう。
この方が、魔女ねえ様の言う隣国の王子ならば、何かしら呪われているはずだけれども、そもそもどんな呪いなのだろうか。
それを確認するには、どうしたら良いかしら。
「ルイス殿下が、羨ましい。呪いがありながらもこんなに美しい婚約者がいるのだなんて」
「リリベルのおかげで、僕は毎日幸せなんだ」
蕩けそうな瞳で見つめられる。
そんなルイス様を作り笑顔の下で冷めたように見ているアドナルド殿下。
あぁ、心配だわ。朗らかで裏表の無い所がルイス様の長所なのだけれども。
こうやって他国の王子と比べると、こんなに純粋な人が渡り合っていけるだろうか、と気にかかる。
私が気にしても仕方がないことだけれど。
それでも、私と婚約破棄した後のことが気にかかるくらい、ルイス様のことを嫌いではなかった。
私は決して、ルイス様を嫌いではなかった。




