9 マッピング
ルビを増やしてみました。
それから数日、住環境がさらに整う。
暁君の出す扉が、1つだけになった。
「え、何で」
あわててステータス画面を確認させてもらったら、彼のジョブが変化している。
「先生、僕『持たざる者』から『家主』に変わっています」
つまり扉は玄関のドア。
開いて中を見ると、1軒家分の部屋がある。
廊下からは、お風呂場に行けるようになっていた。
「ふ、フロだ!」
その場にいた全員の心が浮き立つ。
やっぱり日本人なら魔法できれいになるだけじゃなくて湯船につかりたいもの。
収容人数も本人プラス10人になったし。
洗脳による静けさ確保が功を奏したのか?
冷蔵庫や棚の中身も充実するし私のお弁当スキルと後藤君の購買スキルを合わせれば、栄養が十分に取れるようになってきた。
そして虚弱な矢島さんは、スキルで保健室を出現させる。
「ベッドが3つもある‥」
そのせいで冒険者鈴木君の出した寝袋がかすんでしまったが、宿泊できる場所が増えるのはよい。
「何でオレのスキル役に立たないんだよ‥」
うなだれる鈴木君にはご飯を大盛りにしたった。
「テレッテッテッテー、オレ、レベルアップ!」
生徒全員がレベルを上げて戻ってくる。
「イキタクナイデス」
渋りまくる江崎さんには、暁家の高枝切りばさみを持たせる。
「これなら離れた場所から攻撃できるでしょ、大丈夫だから行ってらっしゃい」
「私でも何とかなったから‥」
矢島さんが説得を手伝ってくれる。
虚弱体質の矢島さんは意外に戦えた。50cm越えのゲジゲジに向かって包丁を突き立てたそうな。
「あ、私が弱いのは体であってケンカじゃないので」
同行した男子が「あいつやべえ」とビビっていた。
探索から戻ってきた子には、攻撃回数やケガの有無、生息する動物の種類や分かれ道の数など細かく情報を聞き出す。
半藤さんの持つ鑑定では生き物の生態が、渡辺君の使う鑑定は敵のスキルを見ぬくことに特化していることが分かり、相性の良い動物を探して有利に戦いを進めていた。
ステータス画面から表示できるマップは2日くらいで消えてしまう。
情報を共有させるため、探索組のマップは全員に見せた。
生徒たちがだんだん探索に慣れて来た。返ってくるたびに泣きそうだった女子も、「まさか虫を平気で殺せる日が来るとは‥」と遠い目をしながらつぶやいている。
今では私が1番のザコキャラかも。
「さあ、準備は万端。新天地に出発よ!」
今日はとうとう拠点を移動させる日。
私は方眼紙と手作りの厚紙分度器を手に洞窟を歩く。
何って地図を作るためである。
ステータス画面にも表示されるが、あくまでそれは本人が移動した場所のみ。しかも時間経過とともに消えていくのだ。情報を共有するためには紙の地図が必要だった。
「昔のゲーマーはこうやってマッピングしたのだよ」
いやそこまでの年ではないけど? 夏のイベントで知り合った先輩オタクさんの言葉だよ?
1mごとに印を点けたビニールひもを生徒に持たせて私はチマチマ角度を測る。
ダンジョン攻略で地形情報は必須だからね。
ゆっくり移動だから新拠点にたどり着くまで2時間はかかってしまった。
「先生、これならステータス画面のマップを写した方が早いですよ」
矢島さんにツッコまれて気がつく。
(う、次回からはそうしよう‥)
へこんだ。確かにそっちの方が絶対楽じゃん。
外れスキル4人組は武器を渡されていないので、暁家の備品を装備しています。
方眼用紙でチマチママッピングはファミコンの女神転生を参考にしました。当時のファンは大変だったそうですね。
私は世代が違うので未プレイですが。
そして‥とうとう広告欄にペルソナ4が現れましたよ!
嬉しくて4回ほどクリックしました!
三国志は前から会ったのですが、やはりアトラスさんのRPGは喜びが別格‥




