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外れスキルなどない! オタク担任は洗脳してでも生徒全員生還を目指す  作者: ノーネアユミ
2章 地上の世界

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51/52

51 プール!


 暑さが厳しくなる。


 みんなダンジョンで依頼をこなすか、冷房の効いた部屋にいるかどっちかになった。


「ダンジョンは温度が一定だから楽。なんでこの世界なんでこの世界、エアコンないんだ」


「まだ発明されていないからな」


 男子の会話を聞き流す。

 まあ現代ヨーロッパもエアコン設置率が低すぎて、夏は熱波の被害にあっていたけど。




 暑い時期は、冒険者ギルドで氷魔法の依頼が増える。

 依頼料も、他の依頼より割高だ。


 賢者和田さん・水魔法使い大久保君に加え、『冷風』を覚えた高橋さんも引っ張りだこ。




「プール行きたい‥」


 水泳の授業は面倒くさくなるお年頃だろうが、暑い日は気持ちが変わるのだろう。



「学校指定の水泳着なら、人数分出せますよ」


 『仕立て屋』ジョブの佐藤さんが申し出てくれた。


「粘土(ねんど)を操(あやつ)れば、水をためることはできるんじゃないかな」


 土魔法使いの園村さんも提案してくれる。


「よし、じゃあプールを作るか」

「おっしゃ」




 問題は作る場所だ。


 地底の拠点が一番目立たないだろうから、そこにしよう。


 園村さんの土魔法で穴を掘り、粘土をあやつって保水力を高める。

 大久保君が大量の真水を出して穴をいっぱいにした。



「子供用のプールくらいか」


 広さはあんまりない。大浴場くらい。

 風呂よりは深いけど。



「やっほう!」


 着替えの早い男子から、水に飛びこんでいた。


「さすがに全員は無理だから、15分ずつ交代ねー」



 保水力はそこまでなかった。

 だんだん水位が下がるので、そのたびに大久保君や和田さんが足している。



「大久保君ってさ、水を出せるだけじゃなくて動かせたりもできたよね」

「あたり前だろ」

 

 暁君がオドオド話しかけていた。

 コミュニケーションはまだ苦手らしい。


「なら、川で泳ぐこともできるよ、ね。溺(おぼ)れてもすぐ助けられるから」


 なるほど。



「川ならみんなで楽しめるね」




 地底から戻った私は、集落に向かった。


 泳ぐとしても地元の人に安全な場所を聞いた方が安全だから。



「泳ぐ? 無理無理。最近は雨が少なくてね。とても泳ぐことなんてできないよ」


 初めて村に来た時お世話になったおかみさんに聞くと、水不足だと知らされた。



(プール作っている時じゃなかった)



「ため池とかあったら教えてください。水魔法使える子がいるんで」


「ため池?」


 あら、この地域にはため池の風習がなかった。



「畑に水を引くための池造っていいですか」


 私は村長さんに聞いてみる。


「そんなことができんのか?」


 中々信じてもらえない。


「場所を指定してくれれば、造ってみますよ。大きいのは難しいですが」



 村長と一緒に川の近くを見て回る。

 確かに水量は少なかった。


「畑に水路ってあるんですか?」


「いや。ここいらから水をくんで使うのよ」


 水田じゃないから用水路まではなかった。


「なら畑の近くにあれば便利でしょうね」




 ひと晩泊まってMPを回復させてから、ため池造りに向かう。


 午前の授業を終わらせ、私は大久保君と佐藤さんと園村さんと鈴木君と和田さんを伴(ともな)って段々畑の上の斜面を登った。



「ここら辺なら掘っていいって許可もらったから、お願いします」


「はいはーい」


 園村さんが昨日造ったくらいの穴を想定し、斜面をえぐって行く。

 和田さんは取り除けられた土砂から粘土層を分離した。


 私たちは粘土と水を混ぜこねてから、底や側面を補強した。


 その後、鈴木君が防水タープをスキルで出し、佐藤さんが池の幅(はば)にそってぬい合わせる。


「ここまでやれば、保水力もしばらくは持つよね」


 昨日のプールから学んだのだ。




 暑い中の作業で汗をかきまくる。

 お昼休憩の時はアイスクリームも出して、味わいつつ涼んだ。



 午後は水路の作成。今度は和田さんが水路を掘り、園村さんが粘土を分離していた。


 水路も一応補強する。



 村人に声をかけてから、仕上げに大久保君が水をドバっと出した。


「おおお!」


 下流から歓声が聞こえる。

 水が無事に届いたらしい。


 季節の変わり目は気温の変化がすさまじくって、どう頑張っても風邪を引きます。

 やっと前回のが治ってきたところなのですが。


 ちなみにこれを書いていた時は西日本水不足でした。

 書き終わったとたん、台風が連続で襲来しています。

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