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外れスキルなどない! オタク担任は洗脳してでも生徒全員生還を目指す  作者: ノーネアユミ
2章 地上の世界

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46 第3・4・2・5文型

 英文法の教科書を開きながら読むと、理解が一層深まります。

 ‥ファンタジーでやることじゃないですね。


「次に教科書の第3文型に飛びます」


「え、第2は?」


「第3の方が簡単だからそっち先に覚える」


 第3文型に出て来るのは目的語だ。

 目的語の概念(がいねん)は日本語にもあるから理解しやすい。


「I played tennis. これは、私は、遊んだ、テニスを、の順だね」


「先生、He likes to study.ってのがありますよ。これも第3文型なんですか?」


「あああ、to不定詞は目的語にもなるからね。語順だけ覚えればいいよ」



 子供たちが理解すると、すぐ第4に移る。目的語が2つあるやつ。


「He gave me a candy. 彼は私にアメをくれたって意味だよね。ここで重要なのは、英語では誰にあげたのか、が重要で先に来ます。何をあげたのかは絶対に次」


 つまりHe gave a candy meにしちゃうと、彼はアメに私をあげちゃうことになるから気をつけてね、と教える。



 動詞も変えて例文を覚えさせた。sendとか。



「ちなみに、He gave a candyを先に言ってしまったら、その次にto meをくっつければいいから。それで彼はキャンディをくれた、私に、って意味になるよ~」




「第3と第4が分かったね、じゃあ次に第2」



 ここまで理解してからの方が、第2文型は覚えやすい。



「I am a student. のa studentみたいに、文章から切り離せないけど目的語じゃない言葉もあります」



 私は息を吸いこむ。


「それは全部補語」


「え?」




 教科書には補語の説明がゴチャゴチャ書いてあるけど、全無視じゃ。


「切り離せるのが修飾語で、切り離せないけど目的語じゃないのは全部補語だと思いなさい」


「は、はあ」



 高校生が文型を苦手なのはほとんど補語のせいだと私はにらんでいる。


 目的語は日本語にあるから覚えやすいけど、補語はないもん。


 母国語にない概念は理解しづらいんだよ。



 昔教わった高校の担任へ恨みをこめながら、塾のバイトで身に着けたテクニックを教える。



「そっか、できた。ワタセン、英語の青山より分かりやすいっすよ」


 だろ? 私はドヤ顔になる。




「じゃ、最後に第5ね。これは主語+動詞+目的語+補語の順番にすればいいから~」



 高校の授業は暗記が中心だけど、単純暗記は苦手な子も多い。


 他の覚え方を知っていれば、伸ばせる子も増えるのよ。




「それ以外だと、日本語ではいつ・どこで・誰が・何をする、の順で言葉を並べるでしょ」


 昔々・ある所で・おじいさんとおばあさんが・住んでいましたって感じだ。



「だけど英語だと、誰が・何をする・どこで・いつの順になるの」


「へーそうなんだ」


 まあ強調したい部分を前に持って来ることもあるけど。




 しかしまあ、講義を頑張ったおかげで、後藤君もふくめ全員が短い文章なら読めるようになった。


 この世界の平民としては優秀な方だろう。



(ロヴェンテさんにも教えようかな‥いやいや、余計なおせっかいって思われちゃうでしょ)




 ***




「ハッピーバースデートウ―ユー♪」


 最近はクラスの誰かが誕生日になると必ずお祝いするようになった。


 その日はビュッフェを出していいことにしたら、全員が誕生日を申告しだしたのだ。



 私も、暁家のキッチンでケーキを焼く。


 生徒たちからホールケーキが食べたいとリクエストがあったのだ。


 イチゴは手に入らないけど、生クリームやバターは買える。


 そして暁の家の戸棚にはホットケーキミックスやケーキ型があるし。



 洞窟にいた頃はホットケーキしか作っていなかったけど、これさえあればパウンドケーキが焼けるのだ。



 漫喫のソフトクリームを塗って、それっぽく仕上げたら生徒たちから大好評だった。


 調子にのってロヴェンテさんにクッキーを手作りしたら、すごく喜んでくれた。


(これって、つき合っていると考えてもいいのかな)



 ちょっとだけ調子にのって、すぐ頭を振る。


 彼からは何も言われていない。

 手をつないだことさえないのだ。



(つき合っているとは言えない‥でも私から言うのもなぁ)


 もし告白されたなら、お付き合いするのもやぶさかではないのだが‥


 この部分を書いている時、実際にケーキを焼いてみました。


 味はともかく、見た目は物体Xに‥


 異世界でデコレーションケーキを作るってのは、至難の技+重労働だと思います。



 英文法のお話は‥高1・3時の英語教師への恨み言ですね。

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