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外れスキルなどない! オタク担任は洗脳してでも生徒全員生還を目指す  作者: ノーネアユミ
2章 地上の世界

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34/52

34 村

 10話くらいはストックできました。

「ここから少し下ったところに村がある」


 私たちがいるのは鉱山の中腹。

 えぐり取られ、ぽっかりと空く地表の大穴を見渡す。今までは見上げるだけだった。


 山道を下るのは大変だったが、傾斜はなだらかだし上り坂よりはマシ。

 木立が切れ、畑が広がる。家も点在していた。




 村に到着すると村人からジロジロ見られた。


「ゾロゾロ出てきたな」

「見慣れねえ。どこのモンだ」


 すっごい警戒されている。まあしょうがないか。



 冒険者の5人とはここでお別れだ。

 私は彼らに向けて希望を告げた。


「私たちのスキルは、他言無用でお願いします。無用な混乱を避けたいので」


「ああ、分かった」

「了解。さすがに言えねえよな」


 洗脳を発動しながらなので、5人ともすぐ了承してくれる。



「お前ら、先に帰ってくれ」

「おう」


 しかしなぜか村の柵から出て坂を下っているのはジェイク・ドン・ミック・ガイの4人だけで、ロヴェンテさんは残っていた。


「町まではつき合うさ」


 ちょっと照れながら彼は私に告げる。


「助かります」


 この人が良い人なのは知っていたが、面倒見も良いらしい。



「ワタリ、こっちだ」


 ロヴェンテさんに連れられ一軒の家に向かう。


「すまん、宿が欲しい。庭を借りていいか?」


 中年の女性がエプロンで手をふきながら出てきた。


「何人だい?」

「13人分だ」


「そりゃ多いね。というか、あんたたちはどこから来たんだい? 山から下りて来たんだろうけど、村を通らずにダンジョンに入れたかねぇ」


 うわ、ここの人たち村を通った人間全部を把握(はあく)してるの? 赤ジャージの集団が目立つから?


 てか田舎の情報伝達速度、早っ。



「転送魔法の暴発だろうな」


 ロヴェンテさんがすごく分かりやすい言い訳をしてくれた。


「ああ、そりゃ災難だったね。家畜小屋で良ければ泊ってきな」


「テントもあるし、食料にも余裕がある。場所さえ貸してくれればいい」


「それなら裏の空き地があいてるよ。井戸はあそこ、便所はあっち。火をたく時は火事に気をつけておくれ」


 トントン拍子に話が決まった。



「できたら空き家を貸してもらえますか、古くてもせまくても大丈夫です。できたら数泊したいんです」」


「じゃあ今夜だけ外で寝るんだね。使って良い所を村長に聞いてあげるよ」



 農家のおかみさんに案内されて、家畜小屋の裏に向かう。


「料金は銅貨13枚さ」


 私が銀貨を取り出すと、おかみさんは2枚をサッと取った。


「つりはないから。もうちょっと待っていておくれ、食事を出すよ。保存食だけじゃ味気ないだろ」



 満足げなおかみさんが家に戻ると、ロヴェンテさんが貨幣の数え方を教えてくれる。


「これが銅貨10枚分でこっちが5枚分なんだ」


 ぼったくられたのが銅貨2枚なら騒ぐほどじゃないね。



「じゃあ、今夜はここにテントを張ります」


 私たちは野営の準備を始める。


「家を借りる必要はあったのか」


 扉を出すだけならどこでもいいはずだから。しかし私は首を振った。


「まあ、拠点が欲しいんですよね。資金はありますし」


 出張手当で出せる金額も増えていた。


 ちょこちょこ使ってはいたが、『傭兵』ジョブの綸堂君がスキル『換金』を覚えてからは特に増える。

だからお金はかなりあるのだ。


 町についたら、家を買ってもいいかもしれない。



 テントの内側に、転送陣の出口を作る。


 生徒たちはそこを通ってゾロゾロ拠点に戻って行った。

 私はお弁当をどっさり出し、待機組に情報を伝える。


「え、外に出られたんですか?」


「うん、今村の空き地にテント張らせてもらってる。村の人に怪しまれないように、交代で出てくれない?」


「よろこんでー」


 私は弁当を食べずにお風呂だけ入り、村側に戻る。

 私と一緒に待機組が外出当番だ。珍しく矢島さんまでついて来た。


「え、テントで寝るの?」

「あーいえ、空だけ見て戻ります」


 なるほど。彼女以外の追放組3人はテントで寝るらしい。

 テントはギューギューづめになりそうだ。



 チップ文化があるので多少のぼったくりは許容される世界です。

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