18 出会い
たまたま七夕に出会いのシーンを持って来れました。
まあ出会うだけで何もないんですけど。
そして探索と休憩と家事のバランスが上手く行っていたある日、私のスマホが鳴る。
通話アプリを起動させると緊迫した声が。
「人が倒れています。生きているけど意識がなくて」
「分かった。回復魔法はかけて上げて。私も今行くから」
なんとこの世界で初めての人類である。(自称女神は除いて)
私はさっそく休憩中だった戦士や魔法使いと一緒に洞窟の奥に向かった。探索組は新しい場所に向かう時はかならず光魔法がかかった光る石を目印に置いている。地図が苦手な子のため対策を取っていて良かった。
「あ、先生」
敵を倒しつつたどり着くと、パ二くっている生徒たちと合流できた。
倒れているのは若い男。鎧は血まみれだが、回復魔法はかけてあるはず。もう傷はふさがっているだろう。
私は彼の上半身を持ち上げて、矢島さんから受け取っていた経口補水液を彼の口にふくませる。
男の目元がピクッと動いた。もう目を覚ましそうだ。
生徒たちには周囲を警戒してもらい、私はホテルの扉を出す。
男子に鎧をはぎ取らせ、ベッドに横たわらせた。
「九十九さん、洗浄魔法をかけてあげて」
怯えている少女に頼むと、九十九さんはハッとして呪文を唱える。
今まで気がつかなかったようだ。動転しているのだろう。
数分後、男は目覚めた。
「ここは? 俺は死んだはずじゃ」
意識が戻った男に洗脳をかける。
「あなたは誰でなぜここに来たの? 正直に全て話しなさい」
もし悪意ある人間だったら困るからね。
「俺はロヴェンテ、冒険者をやっている。このダンジョンにはチームで来たが、強敵に出会ってな。仲間を逃がすため俺が囮になった」
まあ幸運にも彼は悪人ではないらしい。
「深手を負って崖から落ちたはずだ。気がついたらここにいた」
上層へ続く絶壁は他にもあったらしい。
「それよりなんで子供が大勢で、こんな場所にいるんだ?」
ロヴェンテさんの目は生徒だけでなく私まで子供だと語っていた。
「この子たちは17歳で私は28です」
「は? 嘘だろう」
「‥それより他に教えて欲しいことが」
ひとしきり情報を引き出す。彼が害になるとは思えなかったので、全員で拠点に戻った。
「え、なんで地底深くにこんな空間があるんだ?」
ロヴェンテさんは不審がっている。
「君たちは背も低いし、おとぎ話で聞いたドアーフか?」
「違います。体格が違うのはそーゆー人種だからですね」
生徒たちも緊張している。この半年、知らない人間に会っていなかったのだ。無理もない。
彼からはできるだけこの世界の情報を得たい。
「ステータス画面を見せてもらえますか?」
一般的な強キャラのパラメーターが知りたくて聞いてみたが、彼にキョトンとさせてしまった。
「すてーた? なんだ?」
私が出して見せると目を丸くしている。
「な、空中に光る文字? のようなものが現れただと!」
この世界では召喚された人間しか使えないのだろうか?
ロヴェンテさんはスキルにも驚きっぱなしだった。
「扉を、出す? 火や水を出すのは知っているが、こんな物体を出す魔法など見たことない」
私は悩んだ。
(思っていたより私たちの力はチートだったんだな。どうしよう。この世界を混乱させたい訳じゃないし)
そう言えば1軍勢は物質を出す魔法を使えない。土魔法は土を出すより、今ここに存在する土を操っているだけ。
自称女神はこの世界にある力だけの戦士を選んだとか?
(いやいや、見た感じ何も考えていなかったような)
とりあえず考えを横に置く。
洞窟内はマッチョ青年の加入で、だらけモードが一変した。
女子はガタイの良い戦士にキャーキャー言っているし、男子は女子に人気の異世界人にライバル意識が隠せないようだ。
「あんな口ばっかりの奴、どこがいいんだろうな?」
普段は自信たっぷりの坂本君が焦っている。
「子供には興味ないんだが」
困惑するロヴェンテさんを見て私はホッとした。
合法ロリとか言い出したら洗脳する所だったよ。
ロヴェンテは22歳ですが30くらいに見えます。
新キャラの名前変更しました。




