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外れスキルなどない! オタク担任は洗脳してでも生徒全員生還を目指す  作者: ノーネアユミ


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16/33

16 ダンジョンでの日常 2

 そしてまず精鋭(せいえい)だけのチームをさらなる上層の探索に行かせる。

 自称(じしょう)女神が選んだ1軍は強敵にも徐々(じょじょ)適応(てきおう)し、本隊に情報をもたらしてくれた。


「ただいま~うわ、いい(にお)い!」

「お疲れ様! 今日はごちそうを用意したよ!」


 材料は巨大ミミズ肉。大食い後藤君の鑑定スキルがレベルアップして、今では食べられるかどうかだけでなくおいしいさまで教えてくれる。


 このミミズには『()(もの)に合う』なんて注釈(ちゅうしゃく)まであったとか。



 ミミズはぶつ切りにして内臓(ないぞう)を取り出し洗い、獲物(えもの)には必ずある(くさ)みを自家製(じかせい)ハーブで消し、醤油(しょうゆ)()けて唐揚(からあ)げにした。


 山盛(やまも)りの唐揚げの破壊力(はかいりょく)はどの世界で見ても変わらない。


(あげちゃえば元の姿も分からないし、分からなくなればみんな気にしなくなったし)


 生徒たちも強くなったものである。



 青空の下へ持って来たテーブルに、ドリンクバーの飲み物やスナック菓子を並べた。

 野菜スープは私の力作(りきさく)

 満喫にあったインスタントスープに暁家の調味町を加え、味に深みを出すのだ。


 そしてもちろん熱々(あつあつ)の白飯。


 個室で食べる食事も悪くないが、みんなでワイワイ食べるとおいしいよね。

 揚げたての唐揚げは絶品(ぜっぴん)だったし。




 ああそれと娯楽(ごらく)も増えた。パソコンでネットが使えるようになったのだよ。


 江崎さんのスキルだけじゃ無理だった。

 ゲーマーで映像配信者だった加藤君のスキルに『インターネット』が現れたのだ。


 元の世界との交信はさすがに無理だったけど、私たちだけのコミュニティだけで対戦とか協力が可能に。動画も見放題(みほうだい)




「スキルの複合(ふくごう)が可能なら、できることも増えるんじゃね?」


 コミュ強のギャルの間宮さんが女子数人を集めてコソコソ話している。

 友人思いの彼女は回復魔法もできる付与(ふよ)術師(じゅつし)だ。

 何をしているのか気になって見ていたら、手にはスマホを持っている。


「付与せよ、Wi-Fi!」


 彼女が呪文(じゅもん)(とな)えたとたん歓声(かんせい)が上がった。

 成功らしい!


 私たちの間でだけでだが、スマホの通話とメッセージが可能に。

 スマホをポケットに入れていた子しか使えないのが難点(なんてん)だったけど、問題はあっさり解決する。




「出て来て、スマートホン!」


 生徒たちが口々に叫ぶ中、九十九さんが、新ジョブ『魔道具店員』を獲得(かくとく)したのだ!


 彼女のバイト先が携帯(けいたい)ショップだったらしい。ステータス画面にコインを近づけ投入することで、スマホの購入が可能になったのだ!


 九十九さんの元々のジョブは『清め手』で、洗浄(せんじょう)魔法と浄化(じょうか)魔法しか覚えていなかった。


 浄化魔法は虫ゾンビ? みたいな敵と対峙(たいじ)した時に発動して、いわゆるアンデッド系には有効(ゆうこう)だ。

 しかしそれ以外に使いどころもなく、ジョブランクもあまり上がらなかった。


 それでも探索には積極的(せっきょくてき)参加(さんか)していた九十九さんだ。経験値がたまりにたまっていたようで、『魔道具店員』はいきなりランクB。


「えっと、ステータス画面に硬貨(こうか)投入(とうにゅう)すると商品が現れますだって」


 私はすぐ、出張手当で手に入れた硬貨をつぎこむ。

 スマホも充電器(じゅうでんき)もゲットできた。




 異世界に召喚(しょうかん)されてから半年が経過(けいか)する。

 今では精鋭組だけじゃなく、他のメンバーも上層の探索に慣れて来る。

 敵が弱い下層なら個人行動も余裕(よゆう)なくらいに。



「今日は野菜の世話行ってきまーす」

「新しいスキルで遊べるゲームが増えましたよ」

「ねえねえ、こんな素材見つけたんだけど鑑定してよ」


 みんなすっかりこの生活に順応(じゅんのう)してやがる。

 アニメや小説のクラス召喚って、こんな気軽(きがる)だったっけ?




 毒魔法使いの中村さんが発酵(はっこう)スキルを駆使(くし)してチーズとか甘酒の手作り挑戦してた。ただの趣味(しゅみ)で。


(あの子、マンガやアニメも好きだし、たぶん()女子なんだろうな‥)


 (あたた)かい目で見守ろう。




「先生、オレのジョブが変化しました」


 後藤君のジョブは『大食い』から『グルメ』に変わっていた。


「で、先生の協力が欲しいんですけど‥」

「なになに」

「先生のホテルと技を合わせたら‥ビュッフェとかできないっすかね」



 ‥できた。



「よおっしゃあ!」


 洞窟内に久しぶりの()たけびだ。


 ビジネスホテルの朝食風景がそこに広がっている。


 スクランブルエッグにソーセージ、みそ汁とスープ、トーストと白飯にお(かゆ)

 焼き魚に佃煮(つくだに)にハンバーグ。



 そして極めつけに‥カレー!


「お店のカレーが、こんなにいっぱい」


 以前作りに作ったのに全員が満足する量には到底(とうてい)たりなかったのを思い出す。



 もうすでに寸胴(ずんどう)(なべ)いっぱいのカレーって、何て神々(こうごう)しいのかしら‥


 私も後藤君もMPをほとんど消費してしまったけれど、()いなどなかった。


 カレーを食べ終わった後は寸胴鍋をビュッフェの扉から出しておく。

 これは絶対再利用できるに(ちが)いない。



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