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外れスキルなどない! オタク担任は洗脳してでも生徒全員生還を目指す  作者: ノーネアユミ


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15/33

15 恒例のあの回と再度の引っ越し

 異世界転移・転生のテンプレートと言えば‥

 (あかつき)家の冷蔵庫に食材がたっぷり現れるようになったので、私は決意した。


「とうとう‥アレを作ります」

「あれ? ‥まさかアレですか!」

「そう。これです」


 私が取り出したのはカレールウの箱。

 キッチンの戸棚(とだな)にあったのだよ。


「うわ、やった、手伝います」


 キッチンには米の備蓄(びちく)も登場したので、大量(たいりょう)に米をとぎ、たくことも可能に。

 野菜と肉を切りまくってお(なべ)(いた)め、煮こんだあとに入れるのはみんな大好きネブラスカ*カレー。


 犯罪的な香りに、全員やられた。


「くう、やっぱりこの味だよね」


 私もう得意料理はカレーって言おう。うん、それで十分。



「うま、うっま」

「異世界来てまだ最初の洞窟(どうくつ)()け出せていないのにカレー食べられるって、超贅沢(ぜいたく)

「カレーライスって合法でしたっけ?」


 だよね。




 しかし、カレーには大きな問題があった。

 みんな、あっという間に食べ終わってしまうのだ!


「ワタセン、おかわり~」


 (ひとみ)をウルウルさせて頼まれても、ない物はない。


「これ以上は漫喫(まんきつ)のカップラーメンカレー味で我慢(がまん)して」

「そんな殺生(せっしょう)な」


 ストレス値が高いのだろう。漫喫の戸棚からスナック菓子が消えた。



「せめてこっちでカレーが頼めればいいのに」


 江崎さんもぼやいている。


「レベルを上げれば品数増えるかもよ」


 私がアドバイスをしてあげたのに、彼女は(いや)そうな顔をしていた。


「それってまたレベル上げに行かなきゃいけないじゃないですか」

「ちょっと(こわ)い思いをするのと、カレー食べ放題をあきらめるのと、どっちが大変だと思っているの!」

「ちょっとじゃないじゃん!」


 まあ周りの子たちの目が光り出したから、江崎さんの強制レベル上げはもう決定したも同じだがな!




 そして3カ月が経過(けいか)した。


「先生、さらに上層へ向かえそうな通路が見つかりました!」


 探索(たんさく)組の報告で、再度の拠点(きょてん)移動(いどう)検討(けんとう)する。


 畑と青空を手放すのは惜しいが、全員のレベルがまったく上がらなくなっていたのだ。

 レベル上げのため、安全空間から出てもいいかもしれない。


 通路は平たんではないから上がったり下がったりする。

 私も同行したことがあるゾーンを過ぎ、マップでしか見たことのない通路にすすむ。

 新しい通路は、確実に上層(じょうそう)に向かっていた。



「この先の敵がでかくて強くて、逃げ帰るだけで精一杯(せいいっぱい)だったんです」


 勇者の坂本君情報だから確かだろう。

 強敵ゾーンへつながる通路はより上層に向かっている。つまりこの付近(ふきん)はまだ対処(たいしょ)できる(けもの)しか出ない。


「よし、今度はこの層に()()そう」


 私たちは居住(きょじゅう)可能(かのう)な空間を探した。

 前よりは(せま)いが、上層階への距離(きょり)がちょうど良い空洞(くうどう)を2か所も発見する。


「先生、ちょっといいですか?」


 どちらにするか迷っていたら半藤さんが手を上げた。


「片方に青空を描いて、もう一方には星空が描きたいです」

「はい採用(さいよう)


 そっか、両方(りょうほう)拠点にすればいいんだね。


 土魔法の園村さんが空間を平らにならす。



「私たちも壁に絵が描きたいです」


 絵の得意な子は半藤さん以外にもいる。

 平面になった壁に風景画が増えた。半藤さんが絵具(えのぐ)を出せるので、2か所の拠点の間はかわいいイラストで(かざ)られる。



 土魔法の園村さんは良く通る通路一帯(いったい)舗装(ほそう)してくれた。


 それなりに虫や獣は現れるけど、今のみんなには問題ない。

 私だってかなり強くなったのだ。


 直接の攻撃が弱い子もいるが、彼らは2つの拠点から1人では離れない。

 10日もたつ頃には舗装ゾーンには敵が現れなくなった。


 

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