13 問題はほとんど解決しました
薬と回復魔法の併用により、鈴木君ケガは順調に治る。
あんな大ケガだったのに、傷口がうっすら残るくらい。
(強敵と戦う時は、不測の事態を想定しなくちゃ)
私は反省した。
「暁君、これからはレベル上げの時、いつも一緒に来てくれない?」
そうすれば強敵に出会ってもとりあえずは逃げられる。
洞窟探検は、レベル上げに従事する場合と食べられる獲物を狩るパターンに分けることにした。
ちなみにあの大蜘蛛は‥後藤君に見せたら、「足は食えますね」だった。
まさかカニみたいな味でおいしいなんて。
予想外の大立ち回りにビビって、探索は様子見。
だがその間に、追放組で娯楽にしか貢献できなかった江崎さんが、とうとうやってくれた。
『遊び人』である彼女のレベルがやっと上がる。覚えたスキルは‥『マンガ喫茶』だったのだ。
もうクラス全員が余裕で収容できるのだよ。
やっとみんな個室で眠れる。
ドリンクバーにシャワールームも完備されていて、カップ麺やスナック菓子も食べられた。
ま、1時間でMPを使い切り、みんな洞窟に放り出されてしまったけど。
(おそらくレベルが上がれば6時間や12時間パックが使える)
そうすれば休息がちゃんと取れるから強敵との対決も可能になるはず。
上層へ向かうためのピースが、1つずつそろった。
「でも上層に向かうその前に、江崎さんのレベルアップは必須だね!」
嫌がる江崎さんを特訓に追い出し、重点的にレベルを上げさせる。
彼女はあまり戦闘をさせていなかったから、弱い獲物からだけど。
「私だって家事やりますって」
「しばらく君の料理は免除するから、探索に向かってね」
彼女は面倒くさがりだけど、個室への欲望によって他の生徒にひっぱられる。
悲鳴を上げながら敵を倒したそうだ。
「そろそろ絶壁でのレベル上げを再開できますよ」
勇者坂本の進言を受け入れ、万全の準備を整えてから大蜘蛛の絶壁に向かう。
「うっぎゃあああ」
巨大蜘蛛に逃げ惑う江崎さんだが、50センチくらいのはほぼ自力で倒させた。
「動きは止めてあるんだから、ちゃんと止めまで刺してね」
戦闘の役に立たないと経験値はもらえないのだから。
そして漫喫の6時間パックが可能になる。結果としてみーんな個室へ引きこもりになった。
だって全個室にパソコン完備でオフラインのゲームも可能。運動部の子が出す合宿所より数倍快適で炭酸飲料飲み放題だし。
どんな仕組みなのかは分からないけど、誰も気にしなかった。
(今までロクなプライバシーなかったからね。多分反動だ)
まあ私が離れても大人しく待ってくれるからいいんだけど。
拠点付近のモンスターは狩りつくして安全だから、私が探索組に同行しても問題ない。
食料問題も完全に解決した。
スキル『マンガ喫茶』を研究した結果、江崎さんのステータス画面に向けMPをそそぐと、軽食を注文できることが判明したのだ。
品数は少なかったし、いかにも冷凍食品って味。
しかし問題はそこじゃない。
ステータス画面にそそぐのは別に江崎さんのMPじゃなくても構わなかったことだ。
「え、俺のMPでも行けるじゃん」
衣食住インフラ組はMPを使い切る毎日だったが、それ以外のメンバーは戦闘で使うだけ。毎日あまらせる生徒だっていた。
つまり、MPに余裕のある子が注文すれば、いくらでも食事が出せるのだ!
「やっと3食腹いっぱい食べられる~」
後藤君以外にも大食い系の男子が喜びまくっていた。
台風のせいで頭痛がやばいっす。




