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アーサーは夢を見ていた、人間だった頃勇者を目指し仲間と共に氷の国に来ていた、タルタロスが着陸したと聞いたからだ。アーサーはタルタロスに赴き頭を下げアレースに加護をお願いしていた
「面白いね、人間が僕に頼み事かい、いい度胸してるじゃないか、どんな目に遭うかも分からないと言うのに」
アレースは嘲笑うようにアーサーに加護を授けた
「どうなるか誰も知らないよ、物は試しだ」
アレースは次第に冷笑を浮かべなくなった、アーサーの姿が変わっていったのだ。角が生え肌は黒く赤い目をして黒い翼が生えた、その姿を見た仲間たちは悲鳴を上げ一目散に逃げた、アーサーは喋ることが出来ず心の中で仲間を引き止めた
「ふん、人間如きがこのザマよ」
アレースの言葉にアーサーはアレースと気持ちが同期していた、アレースの胸の内の罪悪感が感じ取れたのだ。そこでアーサーは覚醒する
「アレース様のせいではありません、私が望んだ結果です、後悔などしておりません」
アーサーは既に目が覚めている事に気付き、寝言を自身で聞いてしまった気恥ずかしさから顔を隠した、そして辺りを見て誰も居ないのを確認した
アルテナ達が目を覚ますと、教会の外では大勢の人がひしめき合っていた。アーサーや村のおばちゃんが大鍋で食事を作り、それを村人みんなで食べていた
「アーサー頼み事良いかい、うちの子熱も無いのに体調が悪いんだ、ちょっと見ておくれ」
村人が子供をアーサーに診てもらうと、アーサーは子供をよく観察するとニコッと笑った
「風邪のひきかけだね、悪い気がついてるから取っておこう」
アーサーはそう言うと子供の額から黒い霧状の塊を出し、パクリと食べた
「これで風邪を引いても悪化はしないよ」
「いつもありがとうアーサー」
その様子を見てアルテナは悪魔とはこういう存在なのかと不思議そうに見ていた、キッカとヤチョウは相変わらずアーサーに色めき立っている。そこにソフィアがアルテナの背中を叩いた
「昨日の話聞こえたよ」
「え!凄く耳が良いんですね」
「アルテナだってそうでしょ」
ソフィアはそう言ってアルテナを手のひらに乗せて顔の前に持って行った
「内緒話の時こうすると便利でしょ」
ソフィアはそう言ってニコリとした
「アルテナ、みんなは自分の意思で着いてきてるんだよ、キッカとヤチョウの様子は見ていたからね、なにも心配しなくて良いよ」
「はい、慢心しないように心掛けます」
「いいね」
ソフィアはニコニコし、アルテナを地面に降ろした、そこで教会の掃除をしていた村人が慌てた様に飛び出してきた
「瘴気だ!一室から瘴気が出てる!」
「あ、トウリ様の事だ」
アルテナは手馴れたように教会の窓を開けトウリを起こしに行った
「もうアレース様はお帰り下さい!」
「君また邪気を食べたそうじゃないか!それ以上体に貯めたらどうなるか分からないよ!」
トウリとアーサーは押し問答をしている、アルテナはまるで親子喧嘩を観察している様な気分になる、そこにソフィアが手で2人を遮った
「そんなにアーサーが心配ならアーサーも連れて行けば良いでないか」
「私には村人の様子を見る義務が」
ソフィアの提案にアーサーは抵抗したが、トウリが名案だと手を打った
「君も勇者を目指していたろ、また旅をするのも気が紛れて良いかもしれないね」
アーサーはトウリに言われては弱いのか、何か言いたげにしたが最終的にうなずいた
「終わったか?じゃあ修行しようぜ」
悟空がトウリの足を蹴った
「師弟ってこんな関係だっけ?」
トウリは困った様にアルテナに聞いたが、アルテナは頭を抱えていた
アーサーが村人一人一人に挨拶をしている間、悟空とキッカとヤチョウはそれぞれ師匠から修行を受けていた、悟空はトウリに動きを見てもらい、キッカとヤチョウはソフィアの手に向かって攻撃していた
「師匠の手に向かって攻撃するの抵抗ある〜」
「嫌な気持ちになる〜」
キッカとヤチョウは別の事で文句を言っていた
「私が痛みを感じるくらいになったらいっちょ前だよ、もっと力込めて」
ソフィアは喝を入れていた、一方悟空は持てる力をトウリに投げ掛けるが、トウリはことごとくかわしたり手でなぎ払っていた
「昔のラージマハル国王はもっと強かったよ、同じ修行してみる?」
「それを早く教えろ!」
「じゃあ僕の真似をしてね」
トウリは素早く動くと悟空の目では捉えられない攻撃をした
「真似出来るか!もっと!なんかあるだろ!」
悟空は抗議をするがトウリは困った様に頭をかいた、そこにアルテナが前に出る
「悟空に合わせた動きから教えないと覚えらないですよ」
アルテナはそういうと悟空と拳の打ち合いをした
「で、徐々に強くするんです」
そう言って流れる様に拳を打ち最終的に悟空の頭を地面に埋めた
「てめー!またやったな!」
地面の中から悟空が文句を言っている、アルテナはジャンヌとの修行を思い出し遠くを見つめた
「お師匠」
地面から顔を出した悟空はそれを見付ける
「どこ見てんだコノヤロー!」




