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アルテナ達は階段の下に止まっている車まで降りてきた、運転手がニコニコしながら花を両手いっぱいに持っている
「この花、不思議ですね、今まで荒れていた心が浄化された気持ちになります」
うさぎも嬉しそうに地面に落ちている花を拾った
「これでもう生贄の儀式なんてせずに済むね」
うさぎや運転手の嬉しそうな顔を見てアルテナも落ち着いた気持ちになった
「では王宮へ戻りましょう」
運転手は後部座席のドアを開けた、そこにある手枷を見て、アルテナはもうこの席に座る子供は居ないんだと嬉しい気持ちになった、それを察してかトウリはその手枷を引きちぎった
「この国の新たな出発だね」
トウリはそう言って手枷を折り紙の様にくしゃくしゃと丸める
「あ、すみません天使様は羽が大きいので車に乗れないかも知れないです」
運転手が申し訳なさそうに頭を下げる
「うぇー王宮の車なんだからもっと大きな車用意してよー」
天使が駄々をこねるのを見てアルテナは微笑んだ
「飛べるんだから飛んでおいで」
「トウリ様だって飛べるんだから飛んだら良いじゃない!天使に休息は無いのかー!」
「毎日休息じゃないか君たち」
アルテナは天使とトウリのやり取りにタルタロスでの過ごした日々を思い出す、運転手に促されアルテナ達は車に乗り、天使は車の上に座った、意地でも飛びたくないらしいが運転中羽が風に煽られ座るのも難しそうだ。そうこうしていると王宮に着き、国王と女王が直接出迎えてくれた
「あの花は何ですか!」
女王が凄い剣幕でアルテナ達に詰め寄る
「えーと、アレは火山が変わって、えっと何と説明したら良いか」
アルテナは叱られた子供の様に言い訳を必死に考えた
「コレを見なさい!」
女王が後ろに手を差し伸べると、その手を握る獣人の子供が立っていた、あの今にも死にそうだった女王達の養子だ
「あの花を浴びてから嘘の様に元気になったの、アルテナ、アナタは子供達の未来を救っただけでなく現在の傷付いた子供まで救ったのね」
女王はそう言うとアルテナを強く抱き締めた
「お礼なんて言い尽くせない、素晴らしいわ」
国王もアルテナの肩に手を置く
「例の核とやら現在も探してるが、早急に見付ける様に伝える、なんなら地面を掘り起こそう、影響の少ないところなら何とかなるやもしれん」
「いえいくらでも待つので焦らなくて大丈夫です」
アルテナはそう言うとポシェットから大量の宿泊チケットや食事券を取り出した
「こんなに頂いてるのでしばらく大丈夫です」
「そんな物、街に泊まらずとも王宮に泊まりなさい、毎日ご馳走を振舞おう」
国王がチケットを奪おうとするのをアルテナは避ける
「街を散策したいんです!見たい物があるんです!」
その場の全員が首を傾げて、アルテナは気まずそうにした
「今して貰ってるお化粧ってヤツ、私も自分でしてみたくて」
恥ずかしそうにするアルテナにトウリは更に不思議がった
「そんなものする必要ないのに」
その一言にうさぎがトウリの脇腹をチョップした
「思春期の女の子には必要不可欠なの!」
「でしたら王宮で最上級の物を」
女王が召使いを呼ぼうとするのをアルテナは止めた
「自分で買える範囲で探したいです!」
「それなら仕方ありませんね、お礼はまた改めましょう」
そんな話しをしていると、降り注いでいた花は徐々に消え、地面に溜まっていた花達も消えた
「写真撮っておけば良かった」
女王がポツリと言うのに全員がうなづいた
アルテナ達は街に戻り、休息を楽しんだ。天使はまだ着いてきている
「君帰らなくて良いのかい?」
トウリがクレープを頬張っている天使に聞く
「仕事終わりは自由時間なの」
「前に一緒に行ったカフェがまだあるならアルテナちゃん連れて行こうよ」
「いいねー」
うさぎが天使と談笑する、トウリの方はうさぎに渡されたティーン雑誌をめくって若者の事を学んでいた
「流行ってヤツよく分からないな」
トウリが独り言を言うとアルテナも雑誌を覗きうなづいた。その時通信機が鳴った、国王からだ、アルテナがそれに出ると少しの間会話を交わして切った
「歴史館で龍鉄鋼の核が見つかったそうです、幾つかあるみたい何ですけど1つで良いですよね?」
「1つで充分だろう、ルクトも何個とか指定しなかったし」
トウリも頷きながら言う
「じゃあ王宮に行きますか」
うさぎがそう言って先導をきる、その手には地図が持たれていた
「いやバスで行こう」
トウリが慌てて止めると、側に1台の車が止まった
「お迎えにあがりました」
王宮の運転手だった、天使以外のメンバーはホッと一息ついた
「今度は私が乗れる車でしょうね」
「もちろんです」
天使が腕組みして運転手に詰め寄ると、運転手はボタンを押した、すると車の屋根が開きオープンカーになった




