10-1✔︎︎︎︎
アルテナ達が祭壇の場所まで戻ると、聖騎士団とヘラクロスは火傷を負った状態で横たわっていた
「これ本部とかにバレたら私達目をつけられますか?」
アルテナが従者に聞いてみる
「火山の仕業ですから、物見櫓など不敬な事した罰です」
従者はニコリと笑った、その時アルテナの頭に大きな花が乗った、アルテナの頭の中に冥の龍の声が聞こえる
(私の残った力で良ければ使いなさい)
そう聞こえ、アルテナの体の中に今までに無い活力を感じた。
アルテナは自然と頭に浮かんだ踊りを踊った、するとアルテナの体から花が舞い火山の花と一緒に国中に飛んで行った
「それは何の踊りなの?」
トウリが聞くが、アルテナは首を傾げた
「自然と体が動き出した感じですね、この国の傷付いた人や魔物が癒されたら良いなって」
うさぎがアルテナの顔を覗き込んできた
「誰にも習ってない踊りって事?と言うか今の花何?」
「分かりません、ただ火山の中で冥の龍に抱きしめられた時の様な暖かさを感じます」
トウリがアルテナの額の石を見た、石の色は他の色と混ざっていた
「うーん何か加護を貰ってるね、冥の龍の力となったら相当強い力だよ」
「じゃあ今出た花は」
「冥の龍の加護だね」
アルテナは額の石を触ってみた、自分では見えないのでどうなっているのか分からなかった。そうしていると周りが騒がしい事に気付き、見てみると従者と貴族達が言い争いをしていた
「ヘラクロスだけでなく聖騎士団まで怪我を負った責任を取れと言っているんだ!」
「ですから、こんなところに来た以上怪我も考慮して下さい」
「あの女のせいだぞ!」
貴族達は揃ってアルテナに指を向けた、突然の事に驚いたアルテナは身が怯んだ、それをトウリとうさぎがガードする。
天使が前に出て両手を広げた
「生贄が問題を解決したと言うのに、こんな危ないところに来ておいて怪我をしたら生贄のせいだと騒ぐのは些かおかしくありませんか?」
「その女が何かしたんだ!」
「彼女は巫女です、その力を見せてやりなさい」
天使は突然アルテナに振ってきた、アルテナは慌てたがトウリが耳打ちしてきた
「ここに着いた時に与えた僕の力を使いなさい、今の君なら僕が想定していたより強力な力が使えるよ」
それを聞きアルテナはトウリの手から伝わった感覚を思い出す
「でもどうしたら」
アルテナがトウリを見るが、トウリも考えている
「やり方を教えた事ないからどう教えたら」
そこで天使がアルテナに耳打ちした
「ルクト様からの伝言です、今のアルテナちゃんなら頭に浮かんだ物をそのまま表現すれば叶うよって」
そこでアルテナはしぶしぶ魂を癒す踊りをした、魂を癒す踊りは冥の龍の時とは違う花が舞った、その花はそれまでのとは違う花で、聖騎士団とヘラクロスを包んだ。
花が飛び散るとそれぞれ傷が治っていた
「これ、回復魔法」
アルテナが驚くとトウリは満足そうに腕を組んだ
「僕の力だからただの回復魔法じゃないよ」
それを聞いてアルテナはゴブリンの舌を再生した事や自身が刺された時の傷を再生した事を思い出した
「トウリ様って破壊する以外にも強い力をお持ちですよね」
それを聞いてトウリは唸った
「そもそも大陸を割ったから破壊の〜って言われてるだけで、それ以外にも力はあるよ」
トウリは困った様に頭をかいた、そこへ聖騎士団達がトウリを囲む様に立ちはだかった
「やはりアレース様でしたか、逃亡の罪で捕らえさせて頂きます」
「僕はただの冒険者だよ」
そう言ってトウリはギルドカードを見せる、聖騎士団は困った様にカードを見たりコソコソと耳打ちしたりしている
「偽装だろ!アレースなら我らがここで倒す!」
ヘラクロスもその周りで抗議している
「ギルドカードは身分証だ、正式な物かどうか確かめさせて貰いたい」
聖騎士団はそう言うとギルドカードに手を出した
「身分証なのですよね、人に渡す程軽い物ではありません、これ以上疑う様なら私が手を出すしかありません」
天使はトウリの前に出るとそう言って羽を広げた、その羽は鋼鉄の様に鋭く尖る
「くそ、殲滅の天使め」
聖騎士団とヘラクロスは天使に手出し出来ない様だった、天使はこちらを見ると少し悲しそうな顔をした
「変なあだ名付けられてる〜」
アルテナ達は天使をなだめた
「天使が庇うと言う事はアレースに違いない!天使が居なくなった時はその時だ!」
「なんの時ですか?」
天使はニコリと笑った
「さあ!では皆で降りましょう」
天使が手を叩くとしぶしぶと皆階段を降り始めた、それを見届けると天使はうさぎを、トウリはアルテナを掴み空を飛んで行った、聖騎士団とヘラクロスはそれを見て慌てて追いかけようとしたが、貴族を巻き込んで仲良く階段を落ちて行った
「あーあせっかくアルテナちゃんが回復してあげたのに」
天使は悪戯っぽく笑った




