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冥の龍は静かに頷いた、そしてアルテナの頭を撫でる
「そう、ここまで大変な思いをしたのね」
冥の龍はアルテナの頭の中の記憶を一気に呼び起こした、村での襲撃、旅の思い出、ジャンヌとの対立、全てを思い出しアルテナの目からは自然と涙が出た
「貴女が火山を起こしているんですか?」
アルテナは涙を拭きながら聞いた、それを聞いた冥の龍は少し俯いた
「そう、私が火山を起こしていると思っているから私の子供達をここに落とすのね」
「違うなら私違うってみんなに伝えます」
冥の龍はアルテナの顔を覗き込んだ
「伝えなくて大丈夫です、確かに火山が起きたから私は炎を出し抑えてる」
「なら、」
「でも人間共は私の子供達を次々ここへ落とし殺して行った」
アルテナも冥の龍の目をまっすぐに見た
「子供達と言うのはどういう事ですか?」
「私は生と死を司る龍です、人間も魔物もこの身で産んできた。私にとっては皆子供です、しかし人間は魔物を蔑み殺して喜んでいる、私はこのまま火山を噴火させ街を滅ぼそうかと思っています」
「喜んで居ない人間もいます!」
「そんな者居ません、何人がここへ落ちてきたと思っていますか?」
「少なくとも国王や女王はその状況を変えるべく私をここへ送りました」
冥の龍は身を引いた
「貴女に何が出来るのですか」
アルテナは少し怯んだ、自分に何が出来るのかまだ分からなかった
「冥の龍は人間が滅べば喜ぶのですか?」
「言ったはずです、人間も私が生み出したと、人間が死んで喜ぶと思いますか?しかし私は死に際に人間により無理やり魔物を生み出された、その魔物を人間は殺して回る。私は親として躾けをしなければなりません」
そこでアルテナは思い出した
「もう一度私の頭の中を見てください、女王と国王の話しを聞いてください」
冥の龍はもう一度アルテナの頭を触った、そして一筋の涙を流した
「もう何千年と経つが、こんな人間を見たのは初めてです」
「人間と魔物は共存を望んでいます、私を見てください、私は人間と魔物の子供です、私が証明です」
冥の龍はアルテナから目を背けた
「私はもう魂の存在です、もうこれ以上力が残っていません、この火山も抑え続けるのが難しいのです」
「では本当は人間も魔物も守ろうと思っていたのですか?」
アルテナの言葉に冥の龍は顔を隠した、アルテナは十二単衣を脱ぎ、いつもの衣装が現れ、舞を踊った
「何をしているのですか」
冥の龍は目を丸くした
「これは私の村で死者の魂を癒す踊りです、冥の龍には魂の癒しが必要です」
冥の龍は静かにアルテナの踊りを見た、踊り終わったアルテナは冥の龍に頭を下げた
「今まで守って頂きありがとうございます」
「それが巫女としての勤めなのですね」
冥の龍はそっとアルテナを抱きしめた
「可愛い我が子」
そして冥の龍は両手を広げ天を仰いだ
「貴女の願いを聞きましょう、貴女ならこの世が変えられるか見守る事にします」
そう言うと冥の龍は草の蔓に包まれ、蔓の中から花が溢れ、アルテナや火山ごと花は覆い尽くされ、吹き出した火山は花に変わり山から吹き出た、押し出されたアルテナは宙を舞う。それをキャッチしようとトウリは飛ぶが、天使の方がいち早くキャッチした
「私は分かっていましたがトウリ様は感が鈍いのですねー」
トウリを煽る天使にトウリは少しムッとした
「ルクトに言われたんだろ」
それを聞いて天使は顔を背けた
「いえ、私の直感です」
「なら僕の目を見なさい」
「私目の見えない天使なのです」
アルテナが挙手する
「あのー首が締まってて苦しいです」
トウリと天使は慌てて2人でアルテナを抱えた
「あ!お父、ルクト様から伝言です、聖騎士団とヘラクロスには少しお仕置が必要だと冥の龍が言っているそうです」
天使がアルテナから手を話し頭に流れるルクトの言葉を言った、バランスを崩したアルテナは落ちそうになった。その時花びらが聖騎士団とヘラクロスにまとわりつくと燃えだした、それぞれ悲鳴を上げ火を消すのに必死になった
「これは見物だな」
トウリがそう言うと空高く飛んだ
「こ、怖い!」
アルテナが怯えるが直ぐに震えは止まった、花は花びらを纏いながら国中に舞い飛んで行った
「これは冥の龍の思いですかね」
「さあね、中でどんな会話をしたのか知らないけど、何かを祝福している様に見える」
「生と死の龍」
アルテナがポツリと言うと、トウリの腕を叩いた、トウリは気付いて居なかったがアルテナを羽交い締めする様な形で支えていた
「トウリ様、苦しいです」
「どうやら降ろした方が早いね」
明日お休みもらいます!
遅いお礼ですが50話と言う節目を超えて読んで頂き有難い、私の妄想に付き合って貰ってるんよね、ありがとうねー(σ•̀ᴗ•́)σ後は話しの書き方とか勉強しないけんね
今回の話しは始祖の気持ちとか考えてみたんよね、自分の子孫の行く末とかどんな気持ちで見るんやろーって考えました




