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トウリはその薬を手に取ると、窓の向こうに向かってルクトの子供のカミエルを呼んだ
「カミエルっていつも何か研究してた子ですか?」
「そうそう、薬物に詳しいから。国王、ちょっとこの薬調べるよ」
国王は頷いた
「構いません、私達も知りたかったところです」
女王がトウリの前に来た
「改めてお願い申し上げます、今度の儀式の時、」
その時窓の外から声が聞こえた、そちらを見ると白い羽根の女の天使がにこやかにこちらに向かって飛んできた、かと思えば天窓にぶつかった
「あそこ開かないので、衛兵!テラスへご案内なさい」
女王は動揺ひとつせず兵士に指示した、兵士は急いで天窓のところへ走り必死に指さし案内した。テラスから恥ずかしそうにカミエルが入ってきた
「最近眼鏡の度が合わなくなってきて見えませんでした」
「いつも物を近くで見すぎだ、この薬が何なのか調べて欲しい」
トウリはそう言って薬をカミエルに渡した
「おお、得意分野、トウリ様よくご存知で」
「いつも研究してるだろ、頼んだよ」
カミエルは早速研究道具を取り出しその場で調べ始めた、女王はそれを見届けると改めてトウリに話し掛けた
「それで、今度の儀式の時、そちらの龍の力を持つ巫女様にデレス山で何が起きているのか調べて欲しいのです、問題が解決したら供物など必要ありません」
「良いのかい?女王は聖騎士団の幹部の、」
「今どき魔物駆除などバカバカしい、何千年も繰り返してきて分からない物なのか、人間も魔物も共存を望んでいます、古代からの掟など棄ててしまえば良いものを」
女王は本音を隠す事無くグチグチと言う
「そもそも聖騎士団の斡旋が無ければ、ヘラクロスのこんな怪しい薬に頼らなくとも東の国には優秀な医師が居ると言うのに」
女王の愚痴は止まりそうに無い、国王もどうしたら良いのか迷っている様だった
「お礼は必ずします、望みがあれば遠慮なく言ってください」
女王を鎮めながら国王はトウリに言った、トウリはアルテナ達を見て皆驚愕していた
「え、じゃあ、龍鉄鉱の核が欲しいんだけど」
「龍鉄鉱?の核?とはなんですか」
アルテナが東の国の地下に埋まっている核について説明した
「そんな物が埋まってたのか、技術者なら知っていたかも知れないが。だが地下に埋まっている物を掘り起こして街に影響が無いか調べる必要があるな」
「それならカッツィの歴史館にレプリカが置いてあるじゃない、倉庫に本物が置いてあるかも知れないわ」
女王の一言に国王は納得した顔をした
「まずは歴史館に本物があるか確認しよう、元々はアレース様の物だ、借りていた物を返すのと変わらない」
「いや売ったのでもう僕の物じゃないんです」
「売った、?ロイヤリティとか権利書などは交わしているか覚えてるか?」
「あー無いんじゃないかな、以前は要らなかったし」
「東の国がこれだけ発展したのはアレース様のおかげです、改めて権利書を交わしましょう」
アルテナがヒョコっと顔を出す
「それをするとどうなるのですか?」
「この国の利益を7:3で分けるのはどうでしょう」
その言葉に皆驚愕しアルテナとうさぎはトウリを見た
「いや、ありがたいけど、核さえあれば後は要らないよ」
国王は悩み指を立てた
「では巫女様の活躍次第で決めよう」
「私ですか?!」
突然のプレッシャーにアルテナは震えた、トウリはアルテナの肩に手を置いた
「大丈夫だ、ルクトの加護があればなんとかなるだろ」
「なんとかならなかったら」
震えるアルテナの頬をうさぎが手で挟んだ
「アルテナちゃんなら大丈夫だよ」
「あのー」
カミエルが手を挙げる
「検査結果出ました」
全員でカミエルの持っている機械を見る
「こことここの数値を見ると普通の栄養剤に痛み止めが入ってるんですね」
カミエルが波状のグラフを見せるが、カミエル以外は何が何だか分からなかった
「でもこの粉の色見た事無い色してるんで、おかしいなって更に調べたんですよ、そしたら微量ながらグレシアの花の成分が入ってたんです」
「グレシアって漢方とかに使われる奴ですよね、女性疾患に良いって言う」
女王がカミエルに話しかける
「そうなんです、人間の女性にとってはとても良い成分なんですけど。実はこれ魔物にとっては劇薬なんですよ、微量と言いましたが、成獣の魔物ならちょっと具合悪いなって程度なんですけど、幼獣の魔物なら死んでしまいます。今回獣人の子供という事なので徐々に寿命削られてたんじゃないかと思います」
「ヘラクロスめ」
女王が悪態つくと、アルテナが何か考え出した
「ヘラクロス支部でゴブリン達マスクして薬作ってましたが、もしかしてゴブリン達も何かしら影響があったのでは?」
「子供が居たなら多分大勢死んでますね」
カミエルの言葉にアルテナはゾッとした、幾ら子を大量に産むからと言ってやっていい事ではない、そしてアルテナはその場にマスクもせず乗り込んでいた。おそらく犠牲になったであろうゴブリン達や、同じ目にあったかもしれない自身の事を思いアルテナは鳥肌が立った




