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獣人の少女アルテナの冒険譚 ~神様との出会いが私の運命を変えた~  作者: 天津滝三五


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9-2

「うさぎさん東の国までなんですか?」

「うん、ここでのアルテナちゃんを見守ったら帰るよ、ロマンティ様が気になるし」

電車に乗りながらアルテナとうさぎは相席で後ろの席にトウリは座っていた

「ロマンティ様の代わりに謝るよ、ごめんねアルテナちゃん辛い思いさせて」

「いえロマンティ様悪気無さそうだったので」

「そうそうだからアタシ達が居るの」

そんな話しをしていると、トウリが窓の外になにか見付けた

「あれ廃村じゃないか?」

アルテナ達も窓の外を見る、アルテナは自分の村じゃないかと思ったが上空からでは良く分からなかった

「帰りにあそこに寄っても良いですか?」

「帰りと言わず今寄って良いんだよ」

「先に核を手に入れた方が安心するので」

「そうかい」

そうこうしていると電車は街に着いた様だ、ゆっくり速度を落とし宙に浮いた停車駅にはエレベーターが着いていた。飛び出したステップをアルテナは信用出来ず飛んで渡った、トウリはステップの下の遥か下の地面を見て、この距離なら落ちても問題無いと判断し普通に渡った

「いや2人ともどんだけ信用してないん、そもそも防護ネットがあるから落し物しても大丈夫な仕様だよ」

呆れながらうさぎが帯を地面に固定しながら渡ってきた、それを2人は白い目で見た

「いやだって、高いとこ怖ーい」

うさぎは両手を顎に付け誤魔化した

「あの巨大な写し絵、通信機に似てますね」

「あれはテレビって言うんだよ」

アルテナがビルに設置されたテレビを指さし、うさぎが説明した

「うさぎさんって前に東の国に来たことあるんですか?」

「あるよ、天使達と旅行で来たの、その時に天使達ゲームとか買ってたな」

「ああ、あれここで買ったんですか」

そこでテレビにはちょうど供物を捧げる儀式が中継されている、アナウンサーが軽快に実況している

「え、あれ」

アルテナはテレビを見て言葉が出ない様だった、祭壇の上に立たされている子供は目前の崖に怯えている様だった

「あれ獣人の子供じゃないですよ、人間の子供です」

アルテナの言葉にそばに居た住民が耳元に話しかけてきた

「奴隷の子供だよ」

それにトウリが反応した

「奴隷?300年前に廃止されなかったかい?」

「奴隷には人権が無いから新制度には適用しないって国王から通達があったんだ、大きな声じゃ言えないけど聖騎士団が関わってると思うよ」

「なんでも聖騎士団が関与してるね」

「そら国王の嫁さんが聖騎士団の幹部の娘だからね、国王も逆らえないよ、奴隷は獣人と同等って言うくらいだからね。前の国王の時はまだ良かったのに、ほらあれがその嫁さんだよ」

テレビには煌びやかな衣装を身にまとった女性とヘラクロスのマルセが映っていた、2人は握手をしている。テレビでは聖騎士団とヘラクロスが同盟を組む事を取り上げていた、女性は明らかに嫌そうな顔をしている

「あの女王いつも無愛想な顔して、テレビに映ってるって分かってるのか」

他の住民も文句を言っていた。アルテナがトウリの袖を引っ張り呼びかけた

「私デレス山に行って儀式を止めたいです」

「そうだね、でもテレビで言ってたのは昨日の話しみたいだからもう手遅れだね」

アルテナは落ち込み涙を蓄えた

「次の儀式までどのくらい期間がありますか?」

トウリが住民に質問した

「火山が吹き出るまでだから2週間なのか1ヶ月なのかは分からないけど、今日明日では無いね」

「デレス山ってどのあたりですか?」

「この街の2つ隣だよ、特急列車なら1日で着くかな」

住民にお礼を言い、3人はエレベーターに乗った

「とりあえずしばらくは儀式が無いみたいだから、旅の間に不足した物を買うのとギルドでクエスト受けよう」

「それなら欲しい物があります!」

トウリの提案にアルテナが目を輝かせながら手を挙げた、こんなアルテナは久しぶりに見た気がする。3人はデパートに着き化粧品コーナーを見ていた、トウリは腕組みをして悩んでいる

「うーんどれも一緒に見える」

「ヤチョウがパンテノールの入ったオールインワンのジェルが良いと言っていたんです、なるべく安いの買うのでちゃんと一緒に探して下さい!」

「ぱん?ごめんもう一度言って、と言うかこんな小さいのに高く無いかい?」

そこでうさぎがトウリの肘をつねった

「た・か・く・ない!これでも安い方!保護者なら頭に叩き込んで、箱に大きく成分書いてあるからちゃんと見て」

「箱が小さいから文字も小さい羅列に見えるよ」

「泣き言言わない!」

2、3時間程広い店内の化粧水をひとつづつ成分と値段を比較し、ようやく1つ決まった

「じゃあ次いつ買えるか分からないからまとめて買おう」

トウリがカゴに化粧水を次々入れだした

「ダメダメ!他の客の事も考えて買い占めはしちゃダメ!化粧水っていつ入荷するか分からないんだから」

うさぎがトウリの手を叩く、トウリは幾つか棚に戻した

「そんなに買って貰うの悪い気がします」

アルテナが縮こまっているとトウリがアルテナの頭を軽く押さえた

「お父さんに任せなさい」

「保護者!ほ・ご・しゃ!本当の父親じゃないからね」

うさぎが念押しする


挿絵(By みてみん)

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