8-2
キャンピングカーが森の奥に着くと、森に見立てたシャッターが開き中は車庫になっていた、何台も車が置いてありそのうちの一角に車を停めた
「身分証出してくるからアルテナちゃんはゆっくりおいで」
キッカが走って行き受け付けに身分証を提示している間にトウリが降り、うさぎが帯でアルテナを包みながら降りた。
そこへ反対側の階段からエルフが降りてきた
「久しぶりだねトウリ、君が自由にしていると聞いて何か理由があるのかと思ったよ」
「…何故姿が変わらないんだ?君は」
「まあ昔色々とね」
「老人共も元気なのか」
「それなんだよ、今に死ぬと思っていたが、なかなか元気でね」
「まあいい事だな」
エルフはアルテナに近付いた
「おお、これはまた、聞いていたより酷いね」
エルフはアルテナを受け取ると歩き出した、それにみんながぞろぞろとついて行く。
◇
泉のところまで行くと、アルテナをその泉に入れた
「この泉は傷を癒す効果があるよ」
エルフがそう言うとトウリは首を傾げた
「僕の時は知恵の泉って言ってなかった?」
「私達は加護を授ける泉と聞きました」
トウリに続きキッカとヤチョウも言い出す、それにエルフは胸を張った
「ま、私達もよく知らないんだよね」
「そこにアルテナを漬ておいて大丈夫かい?」
「大丈夫だよ、なんか知らないけど魔法とかで治癒出来ない怪我人とかはここで癒されるんだ」
「治るって事かい?」
「癒されるんだ」
トウリとエルフは互いに見合った後歩き出した
「ではトウリ、私達がここの出入りを禁じていた間の話しを聞こうか」
「たいして話す事ないよ」
キッカとヤチョウはそれに慌てている
「お知り合いだったんですか!」
「まあまあアタシ達はここで待とう」
うさぎに促され皆アルテナの側に座った
◇
トウリ達が戻ると、そこは女子会よろしく話に花が咲いていた。アルテナは眠っている様だ
「あ、トウリさん、トウリさんって何者なんですか?」
キッカが座りながら身を乗り出す
「まあまあ、それよりアルテナはどうかな」
エルフが手で抑えて、皆でアルテナをよく見た、眠っている様に見える。
そこに悟空が沙悟浄と猪八戒と中性的な顔立ちの成人を連れて現れた
「ヤチョウ、キッカ聞いてくれよ、今回の修行さ」
「悟空っしっアルテナちゃん寝てるから」
「アルテナ?あの飛ばされたっきり居なくなったアルテナか?」
悟空はアルテナを見た
「なんかデカくなってないか?」
悟空よりも大きくなっているアルテナに戸惑っている様だ、うさぎが経緯を話すとアルテナの横にちょこんと座った
「俺っちよりも早く成長するんじゃねーよ」
それだけ言うと再び歩き出した
「悟空良いのかい、目を覚ますのを待たなくて」
「興味無いね!」
沙悟浄の引き止めを振り切って無視をしようとした時、成人が錫杖で悟空の頭をこついた
「せめて目が覚めたら会いに来なさい」
成人はそれだけ行って先に行ってしまった
「目が覚めたら、教えてくれ」
悟空は振り返らず背中でそれだけ言って走って行ってしまった、沙悟浄と猪八戒もそれを追いかける、その物音に気付きアルテナは目を覚ました
「アルテナちゃん起きた?」
キッカが覗き込むとアルテナは起き上がった
「なんか水臭い」
「神聖な泉だから謹みなさい」
エルフが軽くアルテナの頭をこつく、アルテナは泉から出てポシェットを漁った
「シャワーしたいです」
それだけ言ってずっとポシェットを漁っている、エルフがシャワーの場所を教えるとアルテナはうさぎに付き添われその場所に向かった
「なんかちょっと印象変わった?」
「なんかオーラと言うか、ちょっと違うね」
キッカとヤチョウの会話にトウリは首を傾げた、しばらくするとうさぎが戻ってきた
「おそらく化粧水が欲しいみたいなんですけど、誰か貸して貰えませんか?」
それにヤチョウが反応した
「そうか肌が出てるから気になるよね、私のがオールインワンだから使って良いよ」
「着る服ある?今までの小さいよね」
キッカの質問にうさぎは頷く
「私の帯で簡単な服は作れるんですけど、時間が経つと消えるので何かあると助かります」
「胸が隠れたデザインが良いね」
「私達の国のデザインしか思いつかないけど良いかな」
女子3人の会話にトウリが手を挙げる
「アルテナは自身の村の伝統衣装を重んじていた、それにそったデザインに出来ないか?」
それを聞いて女性陣は紙を広げワイワイと何やらデザインを書き出した、アルテナの村の伝統衣装と東の国の衣装を掛け合わせたデザインだ
「ではこの案でいきましょう!」
キッカとヤチョウはまた大釜を出すと、なにやら材料を入れだした
「冷蔵庫じゃなかったのか」
トウリが関心して覗き込むとキッカが手で押してきた
「あまり近付くと危ないので離れていて下さい」
そしてキッカとヤチョウは呪文を唱えだし、気のせいか大釜が光っている様に見える




