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獣人の少女アルテナの冒険譚 ~神様との出会いが私の運命を変えた~  作者: 天津滝三五


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8-1

1ヶ月経ち、その間にキッカとヤチョウは西の果てに報告しに戻り、アルテナは何とか歩ける様になっていた、外に出てうさぎとトウリが調理しているのを見付けた


「アルテナ大丈夫かい、今うさぎのスープ作ってるよ」


「うさぎくらいなら幾らでも出せるので」


自身の分身をスープにしたのかと驚きたいところだが、そんな元気もなく声も上手く出せなかった


「鳥の肉なら力も付くんですが上手く取れなくて」


うさぎはそう言いながらアルテナの体を支えると、肘や膝、背中が肉割れをしているのを見た、まだその傷が癒えてないのか赤くなっている。


トウリもその傷を見て木のしゃもじを置いた、暗い室内で見るのと明るい外で見るのでは別物だった


「今から取ってくるよ、僕が狩るとあまり美味しくないかも知れないけど」


アルテナは椅子に座り、深く腰掛け呼吸を整えた


「だからあの人が嫌いなんだ」


トウリはそう呟き、アルテナの肉割れの部分に軟膏を塗った


◇


何日かはアルテナは外まで出る練習をし、何とか喋ろうと頑張っていた、そこにヤチョウとキッカが戻ってきた


「ああ!アルテナちゃんが外に出てる」


「回復傾向はありますな」


2人は喜んでアルテナに近付くが、アルテナの関節や背中に肉割れが大量にあるのを見て言葉を失った


「これ、普通じゃないですよ」


「拷問ですよこれ」


ヤチョウが圧縮ポケットからボディクリームを出す


「このクリーム傷とかにも良く効くよ、万能保湿クリームだよ」


「あ、あり、」


「その声」


キッカがアルテナの声を耳を澄ませ良く聞いた


「これ、声変わり?」


「女の子も声変わりするのか?」


トウリが不思議そうに聞いた


「女性は徐々になので一見分からないですが、本来ならゆっくり声が変わるんです」


「一気にきたからこの状態なんですね」


そういうと2人は大釜を出し何やら準備しだした


「魔女と言っていたからなにか薬でも作るのか」


トウリが少しワクワクしながら見ていると、大釜の中に手を突っ込みなにかタッパーを出した


「すみません、これ冷蔵庫代わりなので品物はもう出来てます」


少しガッカリするトウリに「気持ちは分かる」とうさぎが慰めた


「ジャーン大根と蜂蜜漬け〜!」


「大根と蜂蜜?」


「アルテナちゃん!よく噛まずに軽く噛んで飲み込んで!」


そう言うと無理やりアルテナの口にとろとろが付いた大根を押し込んだ、アルテナは数口噛むと吐き出しそうになるのを、キッカとヤチョウは押し込んだ


「あ゛れ゛、ち゛ょ゛っ゛と゛い゛い゛」


アルテナが喉を押さえて驚く、アルテナからしたら前より喋りやすくなったが、周りから見て悪くなっていないか心配する声だった


「アルテナちゃん、今は無理して喋らない方がいいよ」


「ここでエルフ様から御令達です、みんなを連れて西の果てに来る様に、との事です」


「元より西の果てのエルフに用があったからそれで構わないよ」


◇


アルテナ達はキャンピングカーに乗り込み出発した、アルテナは揺れるのが辛そうにしている


「悟空達と旅をしていた時もアルテナちゃん辛そうだったね」


「そうそう悟空くんの話し聞きたい?」


キッカとヤチョウが悪戯に聞く、アルテナは頷いた


「あ、でも実際見た方が何百倍も面白いから着いたら見せるよ」


「面白いなんてキッカ意地悪ーい」


2人はクスクス笑った


「ところで、その、聞いて良いかな?お師匠はどうしたの?」


アルテナは答えようとするが、声が出なかった


「ああ、そうだった、いいよ良いよ、良くなったらまた教えて」


少しの間沈黙が流れた


「ところでトウリさんってどうやってアルテナと知り合ったんですか?」


「どうって、その、えー」


トウリが色々考えているとアルテナがギルドカードを見せた


「ギルドで知り合ったんだ」


「うさぎさんはロマンティ様からの使いでアルテナを守ってるんですよね」


「そうよ、今のアルテナちゃんは弱ってるから」


キッカが運転しながら少し考えた


「ロマンティ様って守護の神ですよね、それって、トウリさんが危ない人とか、」


「「それは無い!」」


うさぎとトウリは同時に否定した、それにうさぎが意地悪い顔をした


「危ないって言ったらある意味危ないのかなあ」


「言うなよ言うなよ」


トウリが小声で祈る、アルテナも冷や汗をかいていた


◇


何日かし、西の果てに着いた、相変わらず入り口の受け付けには人集りが凄い。キャンピングカーはそれを通り過ぎ裏へと回った、裏は海になっていて渡れそうに無い


「アルテナちゃんここからが見せどころだよ」


キッカが悪戯に笑うと、ヤチョウが呪文を唱え車体に魔法を掛けた、そのまま車を発進させ。車は海の上を走っていた


「これだけ大きな物を浮かせるの、上級者なんだなあ」


2人は鼻高々にしているが、アルテナ達は少しガッカリしていた、以前のアルテナなら飛んで喜んだが今は隣に想像もしないほど凄い人が居るが、2人にはとても話せなかった


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

成長期の肉割れ再現してみたけど、アルテナはこれより酷い状態だと思って頂けたら幸いです

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