7-4
アルテナ達を包んでいた帯は洞窟の奥に着くと外れた、バイクは起動したままだったのでその場で旋回し、ゆっくりスピードを落とすとトウリが足を出し上手く止まれた
「上手く行きましたねトウリ様」
アルテナが喜んでいると、トウリが暗い顔をしている事に気付いた
「トウリ久しぶり、どうしてアタシを避けるの?」
そこには見上げる程の巨大な女性が居た、彼女の周りを白いうさぎが跳ねている
「でっ」
「デカいって言ったら叩き潰すね」
アルテナは急いで口を手で塞いだ
「彼女は元々岩だったのが村人の信仰で神に昇格してからこの姿なんだ」
「その村はもう廃村になっちゃって、暇だから転々としてるの」
「元々岩って事は体が硬いんですか?」
「触ってみる?」
アルテナはバイクから降りて女性の人差し指を握った
「やめろアルテナ!君も彼女の養子にされるぞ!」
「へ?」
「アルテナって言うのー、可愛い、是非私の子供にしたいな」
彼女はそう言うとアルテナを掴んで胸に押し当てた
「さあ私からの加護を受け取ってー」
「だ!だ!ダメです!私の親は死んだ親が私の親です!」
「あら、親は死んだの?孤児なの?ならアタシが育てるよ」
何を言っても通用しなさそうだと思った瞬間彼女とアルテナの間に挟まれたクローが光り出した
「その腕輪どうしたの?」
彼女はクローをよく見た、アルテナは父親から譲り受けた事を話した
「そう、彼は死んでしまったの」
彼女は少し沈んだ顔をした
「彼は旅の途中私の子供を助けてくれて、是非養子においでって言ったのだけど断られて、お礼の品にこれを授けたの」
「あなただったのですね」
「ロマンティって呼んで」
トウリがロマンティを指さす
「それ本名じゃないよ、本名は、」
そこでロマンティの周りにいたうさぎから白い帯が出て素早くトウリの口を塞いだ
「本名なんて野暮ね、あだ名が良いじゃない」
「あだ名なんですね」
「うん、アタシが考えた、あら?あなた呪われてるの」
「いえ?呪われてませんが」
「呪われてるよ、成長を止める呪文が掛かってる」
「へ?」
トウリは帯を引きちぎる
「やめろ!呪いをどうするかはアルテナに任せろ!」
「トウリ様、呪いの事知ってたんですか」
「言わなかったっけ」
「ルクト様から小人病なのか、とは聞かれましたが」
「んー、言った方が良かった?」
アルテナは考えたが、誰がそんな呪いを掛けたのかが気になってしまった
「じゃあ呪い解くねー」
ロマンティが手をかざしてきてアルテナは慌てた、トウリは怒っている
「僕の時もそうやって無理やり呪いを解こうとして!本人に確認するのが先だろう!」
その時洞窟の更に奥の方から子供達が走ってきた
「チョウじいちゃんが死んじゃうよ!」
子供達は泣いている
「チョウが?ごめん行かなきゃ」
ロマンティはそう言うとアルテナを離し、人間サイズに縮んだ、それでもトウリよりもはるかに大きいが。
ロマンティは子供達と奥へ走って行き、アルテナ達も後を追った。そこにはテントがあり、そこ中で老人が寝込んでいた、息も絶え絶えで今にも死にそうだ
「チョウ!お母さん来たよ!」
「チョウ!目を覚ましてお母さんだよ!」
ロマンティと子供達はチョウに呼びかける、チョウはうっすら目を開けた
「母さん、ごめん、今まで母さん達を守る為に、ここまで生きてきたけど、もう守れない」
「いいの、チョウ、出て行っても良かったのに家族の為に残ってくれた事誇りに思うの」
その言葉を聞き、チョウは目を閉じ呼吸を止めた。ロマンティも子供達も泣いていた。
しばらくし、皆が落ち着いてきた
「私の村でのお祈りをしてもいいですか?」
アルテナが唐突に言い出す
「良いよ、アタシのお祈りは済んだから」
アルテナが踊りを始めると皆それを見た、アルテナが最後にアルテナの村のお祈りのポーズをする
「まるで巫女様だね」
ロマンティがアルテナの頭を撫でる
「巫女?」
「神様の使いだよ、神様の為にお祈りをする人かな」
そこでロマンティがアルテナに指さした
「蛇木目阿寺の名のもとにアルテナちゃんを巫女に認定しまーす」
「蛇木目阿寺とは?」
「ん?なんの事?」
頬に指をやり小首を傾げる蛇、ロマンティに指さしトウリは白い目で見ている
「それがこの人の、」
そこでうさぎがまた帯を出し口を塞いだ
「じゃあお礼に呪い解いてあげるね」
ロマンティはアルテナが抵抗する前にあっさりと呪いを解いた、トウリは無理に帯を外そうとして更にくい込んでいた。
アルテナの体は徐々に大きくなり、思春期代まで成長し人間に近い姿になった
「うう、痛い」
アルテナはうずくまり、体を抑えている。そこを帯から脱出したトウリがアルテナを抱え走り出した
「やっぱりあの人はろくな事しない!」
トウリは憤慨している、そこにうさぎが飛ぶように走ってきて走るトウリに追いついている、うさぎは帯を出し自身を包むと中から白いワンピースを着た女性が現れた
「しばらくはアルテナちゃん大変だと思うので私が手伝います」




