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獣人の少女アルテナの冒険譚 ~神様との出会いが私の運命を変えた~  作者: 天津滝三五


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7-3

「お前達が話している相手はルクト神か?」


魔王が問い詰める様に詰め寄ってきた


「えーと、なんと言うかー」


アルテナの目が泳いでいる


「何故隠すのか分からんが、ルクト神なら言いたい事がある」


(嫌な予感しかしないんだけど)


「いつかお前を倒し朕がお前の上に立ってやると伝えろ!」


トウリがため息をつく


「数千年前に封印された事を根に持ってるんだよ」


「500年も水晶に閉じ込めおって!復活するのに何人の血を吸ったと思っている!」


魔王の雄叫びにアルテナは怯えている


「血を吸った?」


「生贄だよ、なんの組織なのか僕達も知らないけど、魔王を信仰している組織が誘拐した人を生贄にしていたんだ」


「そんな恐ろしい事が」


魔王は何故かふんぞり返る


「朕や魔に属する者は人間の血で強くなるからな」


「じゃあ魔王様は今はお強いんですか?」


「いやぁ、その、朕が復活した時に怒りで暴れてたらトウリに、その、ちょっとやられちゃって、力が半減しておる」


「ならまた人間の血を吸うんですか?」


「人間の血など穢れたもの要らん!奴らは今も朕の祭壇に人間を供えるのが嫌で上空に城ごと逃げたんだ」


「なんか以外でした、魔王様って力を求めているのかと思いました」


「おーん、そうだなぁ、魔剣があれば今よりは良くなるかなあ」


魔王は天井を見て見ないようにしているが、トウリから黒い霧が出で仮面のせいでどういう表情をしているのかよく分からなかった


「魔剣は誰にも渡さないよ、僕が取り返す」


「いずれ朕の物になる」


2人は額を合わせ睨み合っている、アルテナはどうして良いのか分からず2人の間に入った


「とりあえず目的地も決まりましたし出発しましょう!」


◇


旅準備が終わり、街の門に立ち魔王とメイド達と別れの言葉を交わした、魔王とトウリは睨み合っているが


「旅の道中お気をつけください」


「メイドさん達もありがとうございました」


「これを餞別に」


メイドは圧縮カプセルからバイクを出した


「こんな良いものを!」


「な!それは朕の」


それに気付いた魔王は慌てている


「お古なので差し上げましょう、新しいの欲しかったんですよね?」


「しかしこれは限定品で」


「でも新しいの置くとこ無いですよ?魔王様限定品しか集めないじゃないですか」


そこでコソコソとアルテナはトウリに近付く


「トウリ様はバイク運転出来ますか?」


「乗り物はみな運転した事ない」


そんな2人に気付いた男メイドが近付く


「アルテナ様は運転出来ますか?」


「子供用なら、これ大人用ですよね、足が届かないです」


それを聞いて男メイドがバイクを弄り出した


「ああ、そんな事したら、」


魔王が何か言いかけるのをメイドが抑えた、カスタムされたバイクはステップが付き子供でも運転出来る様にアクセルが変えられていた


「さあアルテナ様乗ってみて下さい」


促されバイクに乗って見ると、高い位置で重量感があるのでグラグラしそうだ


「ちょっと怖いですけど走り出したら大丈夫だと思います」


「自転車の乗り始めと一緒ですね」


メイドは誤魔化そうとしたのだろうが自転車とバイクでは別物の様に思った


「僕バイク初めてだ」


「乗り方教えます」


トウリは戸惑っていたが、男メイドに丁寧に説明を受け、馬に乗るように跨った


「では出発!」


いざ走り出すとぐらついたがスピードが出ると安定して走れた、トウリは後ろを見たが手を振るメイド達だけなのを確認してまた前を向いた


◇


しばらく走っていると、分かれ道で土砂崩れがありもう片方の道を走った


「これ僕達走った方が早くない?」


「どこに人目があるのか分からないので」


(ところで止まる時片足を着くが、アルテナは足着くかい?)


「あ」


「え?」


(止まれるかい?)


「どうしましょう」


「何処か手頃な岩にぶつかって止まるか」


(おそらくだけど!トウリが前に足を出せば良いと思うよ)


「こうかい?」


まだ高速で走っているのにトウリは足を地面に着け、車体は大きく揺れたがすぐにまっすぐ走り出した


「トウリ様!足無事ですか!」


アルテナが見ると、トウリの足先は無くなっていた。アルテナは驚愕し声が出ない


「いやはや、人間の体なの忘れてた」


そう言ってトウリは足先を再建した


「回復魔法もお願いします」


「ん?痛くないよ」


「私の時みたいに熱が出るかも」


「それはいけない」


トウリは早急に回復魔法を掛け、何処からかトウリの靴が飛んできた


(その靴この世界でひとつなんだから無くさないで)


「なにさ靴くらい」


そう言っていると眼前に大きな洞窟が見えた


「この洞窟があるって事は遠回りになってますね、この洞窟良い噂聞かないんで迂回しましょう」


すると洞窟の中からトウリを呼ぶ声が聞こえ、2人は驚いた


「あの人の声だ」


トウリがそう言うと後ろからハンドルを握り最速にギアを入れた、と思ったがそんなに早くならなかった


「トウリ様!あれ!」


洞窟の中から白い帯が出てきたかと思えば、アルテナ達をバイクごと包み洞窟の中に引き込んだ


挿絵(By みてみん)

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