7-2
トウリ達が帰ってくると、アルテナに扇風機を当てながらそれを写真撮影しているメイドが居た
「元気そうだね」
「朕を撮れ」
それに気付いたアルテナは恥ずかしそうにした
「メイドさんが記念だと」
「これからアルテナ様はレディとなるのです、その最初は記念として残さねば」
「レディってなに?」
魔王の言葉にメイドは懇々とレディについて話し、ついでにアルテナ改造計画を話していた。トウリはカメラを受け取りまじまじと見た
「これなに?」
「カメラ知らないんですか!」
アルテナはある程度カメラの説明をして、後ろで魔王がポーズを決めメイドが写真を撮っていた
「ってそれよりお聞きしたい事があって」
アルテナが言いかけていると魔王がアルテナとトウリの肩に腕を掛け寄せると、メイドがその瞬間を写真に撮った
「なにがしたかったんだ?」
トウリが魔王を押しのける
「こうしている時間も今だけだからな、朕の写真だからって売るなよ」
「今だけ?」
アルテナが首を傾げる
「クエスト全部終わらせたよ」
トウリが懐から大量の金袋を出した
「3日で終わらせたって事ですか?!」
「なんかランクが上がるらしいよ、アルテナは病欠だったけど同じチームって奴で上がるって」
トウリが説明書を出した
「この短期間で!」
「なんか魔王が競走しだして、僕まで釣られちゃった」
「ルクトと言われてるあの龍なんか怒ってたな、ブレスを吐かれた時朕は殺られると思って3重結界張ったぞ」
アルテナのちんけな想像力ではとても分かりそうになかった
「それで聞きたかったことって?」
トウリが改めて聞き返した
「あ!あの、私のクローって魔物に寛容な神様が隕石で作られたのを私の父に授けて下さったんです、その神様ってもしかしてトウリ様ですか?」
「ん?僕そんなの作った覚え無いな」
魔王がトウリの肩をこつく
「あの時のコイツがそんな親切な事するか」
「あの時のトウリ様は邪神そのものでした」
魔王の言葉にメイドも頷く
「邪神ってなんだい」
「じゃあルクト様とか?」
(僕でもないよー、考えられるのはあの人かなぁ)
「あの人?」
「あの人の話しはするな」
(でもそれ以外だと分からないよ)
ふと気付くと、トウリの首から黒い霧が出ていた、それを見た魔王とアルテナは構えた
「近くに魔剣でもあるのか!」
魔王はなにか企んでいる顔をしている
「ああ、ごめんあの人の事思い出したら出ちゃった」
それを聞いてみんないそいそとトウリに扇風機を当てたり窓を開けたりし始めた、魔王はトウリの頭をパシンと叩いた
「その機能要らなくない?」
魔王がトウリに指さすが、トウリはジロリと見て反省した顔をした
「そうそう神託聞いたかい?」
トウリが頭をさすりながら聞く、アルテナは枕で霧をパタパタと扇いでいた
「はい、聞きました」
「「龍鉄鉱の核を探せ」」
「龍鉄鉱の核ってあの丸いヤツでしょ?あんなのなんの役に立つの?」
トウリは首を傾げるので、アルテナはルクトとの会話を話した
「そんな力あるのかな?」
「昔は要らないからって売ってたんですよね?売ったところから辿れないですか?」
「んーどこの人だったかな?やたら核を気に入ってる人居たね、未来の役に立つとかなんとか訳の分からないことブツブツ言ってて気味悪かったよ」
「名前も覚えて居ないですか?」
「カッツィとか言ったかな」
「カッツィ?!東の国の化学の英雄ですよね!ほら!車とかバイクとか空飛んでるの知りません?」
「あー、あの東の国以外使えないポンコツでしょ」
「いやいや!圧縮ポケットとか大発明した英雄ですよ!」
トウリは自分のジャケットの内ポケットを見て、小さくカッツィと書かれていた
「え、なんか凄い人?」
「めちゃくちゃ凄い人です!」
そこでアルテナはキッカとヤチョウの言っていた事を思い出した、東の国では魔法は認められないと、化学の発展となにか関係あるのかと思った
「とりあえず目的は出来たか?」
魔王が2人を交互に見る
「はい、東の国に行きます」
「その前に西の果てに行こう」
トウリが静止してきた
「西の果てに?何故?」
「西の果てはここから近い、そこに住んでるエルフでやたら物知りな奴知らないか?」
「西の果ての案内だか番人だかしてるエルフさんなら知ってるんですけど」
「若い方?それなら合ってると思う」
「その方が?」
「何でも知ってるから東の国に行く前にその人にも聞いてから行こう」
魔王がちょいちょいっと割ってきた
「なんでもって、種類によらないか?」
「多分知ってるよ、色んな人種があそこに集まるからね」
「観光地になってましたね」
「昔は侵入しただけで弓で狙われたのにね」
「秘境なんでしたっけ」
(君達歩いて行くの?)
「僕達なら走ったら余裕で着くけど」
「私は獣人だから高速で走ってても問題無いですけどトウリ様は気付かれません?」
「この間走ってるの見たぞ」
魔王が腕組みしながら言うのを2人は見たが、無視をした




