6-3
アルテナはジャンヌに抱きついた
「お師匠!お師匠!」
ジャンヌはボロボロと泣き出した
「アルテナ、ごめん、私はアルテナに全部話そうと思っていたのに、アルテナに良い方にと思ってやった事は全部間違いだった。あの時、アルテナが暖炉に隠れていたのを見つけたのは嘘だ、私はアルテナがあそこに隠れるのを見ていたんだ。私は聖騎士団の辞令が嫌で、全てを変えたかった」
「お師匠、私、復讐の為に修行していました。でも復讐だけじゃなかったです」
アルテナも泣き出した、魔剣は柄から白く変わっていった
「アルテナ、私は、私は、」
ジャンヌはアルテナを強く抱き締めた。魔剣は中腹部で黒く戻っていった
「お師匠」
アルテナはゆっくりジャンヌを押し戻す、ジャンヌの手には小刀が握られアルテナの腹部を刺していた
「お前の絶望した顔がまた見たい」
ジャンヌは光悦としたいやらしい笑顔をしている、アルテナはゆっくりジャンヌの手を小刀から離した
「お師匠、私、私にとってお師匠はただ1人です。私はお師匠を恨むのを辞めます」
「えっ」
ジャンヌは手に着いた血を見て絶叫した
「アルテナに、なんて事を、こんな事したかった訳じゃない!」
その時トウリが両手から突風を吹き出し、ジャンヌ達は吹き飛ばされた、魔剣まで飛ばされたのに魔王はガッカリしていた。トウリはアルテナの腹部からナイフを抜き取り、傷口を修復し回復魔法を掛けた
「トウリ様、これ」
アルテナは手のひらを広げた、そこには小さな小石があった
「今は街に戻ろう」
トウリと魔王は空を飛び姿を透明にした。男性メイドは魔王の居場所が分かるのかその場所を見ながら走った
◇
街に着き宿屋に入ると早速アルテナをベッドに寝かせた
「しばらくしたら熱が出るかも知れない、獣人にはなんの薬を飲ませたら良いんだ?」
「回復薬があれば良いが、この街で見た事無いな」
トウリと魔王が思案していると、アルテナが手を出し手のひらを広げ、先程の小石を見せた
「これ、ルクト様が授けてくれたんです。これを使えば一時的に魔剣にも効果があると思うって」
「不確かなのに試したのか」
トウリが驚くと魔王はため息をついた
「でも効果はあったろ、一瞬だけど、おかげで目が覚めた気分だよ、最後は悪夢だったけど」
「君の魔剣が欲しいは本心だったな」
トウリはアルテナから小石を受け取りそれをよく見た
「トウリだって欲しいのは本心だったクセに」
「この石どこかで見たな」
「無視は図星だぞ」
その時外から悲鳴が聞こえた、「男がメイド服着てる!」の一言でみんな無視した
「んー何だったかなこれ」
(忘れるな!それは龍鉄鉱だ)
「龍鉄鉱?」
ルクトの声にアルテナは反応した
「あ、これ龍鉄鉱か、小さすぎないか僕が持っているのはもうちょっと大きいぞ」
(今や貴重なんだからな、昔と違って掘っても出てこないんだよ)
「お前ら誰かと喋ってるのか?」
1度2人は魔王を見るが、すぐに視線を戻した
「無視は図星だぞ」
魔王は腕を組んだ
「龍鉄鉱ってなんですか?」
「昔龍を討伐する時にこの石を使うと龍の力を減少させる効果があったんだ、それで龍退治に必要な物だったんだよ」
(昔は沢山龍が居てね、退治するのに堀に掘りまくったんだ)
「そうそう、でもなんで魔剣に効いたんだ?」
「誰かと喋ってます?」
知らない間にメイドが部屋に入っていた、3人は1度メイドを見たが、スカートがめくれているのを見て視線を反らせた
「お前バカか、魔剣は元々の元々は龍だろ」
魔王は窓の外を見ながら喋る
「元々の元々は人間じゃないか、それを言うなら元々だろバカか」
トウリはメイドに背を向けアルテナを見ている
「2人とも喧嘩しないようにお願いします」
アルテナは手でガードを作りながら窓の外を見ている、メイドはこれ幸いと魔王の横に行きスカートをパタパタと仰いだ。3人は同時に手で目を隠した
「でも僕も龍鉄鉱は効くかと思って持っていった事があるが、何も起こらなかったぞ」
トウリは肩を震わせながら喋る、話しの邪魔だと思った魔王はメイドの首根っこを掴み窓の外に捨てた、3人は目隠しをやめ普通に戻った
「ルクト様が私なら出来るかもって言ってました」
「全部「かも」じゃないか、そんなに不確かで怖くなかったのか」
「ルクトってアイツだろ?神竜と言われてた、アイツが言うなら可能性あるだろ」
「ルクト様って龍なんですか?」
トウリが腕組みをする
「ここだけの話、ゴブリン達を運んでいた白い龍はルクトだよ、白い龍なんてそうそう居ないから」
「普通にタルタロスから抜け出してますね」
「タルタロスが飛んで行ったのにお前達が居るのは何か理由があるのか」
アルテナは説明しようとしたが上手く言葉が出なかった
「病人に無理させるな!」
トウリは魔王に怒る
「普通に喋ってたろ!そんなすぐに熱がでるか!」
私が書いたイラストも便乗で載せさせて貰います
一応トウリです




