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獣人の少女アルテナの冒険譚 ~神様との出会いが私の運命を変えた~  作者: 天津滝三五


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30/63

5-4

アルテナが格子戸を引っ張り外すと、そこから人質達が逃げ出してきた


「これで全員ですか?」


「モウ、ダレガシンデ、ダレガニゲタカワカラナイ」


あまりにも大人数なので他のゴブリン達も同じ意見なのか頷いていた、トウリは壁を粘土の様に丸め、大きな船を作った


「おーい、どうなってますかー」


穴の上からソックスが声をかけてきた


「この中にソックスさんの奥さんとお子さんは居ますか」


群衆の中から女性ゴブリンと子供が数十人出てきた


「オットヲシッテル?」


「あ、はい、えっとどれがお子さん?」


「コレゼンブ」


ソックスよ、君と言う奴は。


◇


全員を船に乗せトウリは船を浮かせた、揺れる度女性陣は叫ぶが、穴に向かって垂直になった時は叫びながら掴まるのに必死でアルテナも含め、全員余裕が無かった。ソックスの所までたどり着いた時、ソックスの姿を見て驚いた、職員に囲まれ励まされていたのだ


「投げ飛ばされるなんて酷い目にあったね」


「ヘラクロスは民衆の味方だからね」


どうも人間そのものに見えてる様で上手く誤魔化せている様だが、船が見つかった


「お前らが敵襲か!」


「ソックス捕まれ!」


トウリが手を差し伸べ、ソックスは飛び上がったが届かず穴に落ちた。アルテナがフックを投げ上手くソックスを捉えそのまま上空へと逃げる事が出来た


「お前も敵だったのかー!」


職員がソックスに激怒しているさまを、だんだんと遠くから眺める事が出来た


◇


上空の船の上で感動シーンが行われていた


「ダーリンようやく会えた、無事だったかい」


ソックスが両手を広げ涙を流している、その様子を見てアルテナとトウリは涙を流して頷いている


「子供達、怪我は無いか?お父さんが来たよ」


「オマエ、ダレ?ニンゲンアッチイケ」


妻達は怯えて縮こまってより集まっている


「トウリ様!早く戻さないと!」


「忘れてた!ソックス動かないで」


ソックスは妻の手のひらに何か書いた


「ソックスだよ」


「ソックス?アナタハ、」


そこでトウリはソックスの頭に手を突っ込んだ、その様子に女性陣は悲鳴を上げ倒れて行った、アルテナは予想しておらず額に手を置いた。ソックスは変形してゆき元のゴブリン亜種に戻った


「ダーリンナノ?」


「ソウダヨダーリン」


ソックス達は熱い抱擁をし、子供達も周りで喜んでいる。その様子を見てアルテナとトウリは涙を流し頷いた、しかしソックスの髪の色が元の色の反対色な気がし、気の所為か子供達とも髪の色が違う気がする、その事にまだ誰も気付いていない


◇


その時船が揺れだした、徐々に船先が降下していきスピードも出てきた


「トウリ様!落ちてます!」


トウリは急いで船底に手を当て、船は泥に変わった瞬間地面に落ちた


◇


船は山二つ分の所で落ちた、皆怪我は無いようだが色々なショックで倒れている


「直前に泥にしたお陰で無事ですね」


アルテナがトウリに声を掛けるが、トウリは両手を見ていた


「前はもっと飛べたのに」


「前とはもう違いますから」


少しセンチメンタルになる


「イイタイコトアル」


ソックスがトウリ達に寄ってきた


「ギルドニイライシタノオレタチ、ミンナ、タスケテホシクテギルドイライスル」


「じゃああの大量のゴブリンの依頼書は、」


「ミンナ、マッテル」


トウリとアルテナは互いに目を合わせ頷いた


「私達が何とかします」


アルテナはソックスに誓った


「じゃあ君達は元の住処に帰るかい?」


「モトノイエ、スゴクトオイ、カエレナイ」


(なら僕が返そう)


皆の頭の中にルクトの声が聞こえた、何処からか白い龍が現れ、その龍は木の船を持っている


「ありがとうルクト」


(え!な!トウリがお礼した!ミハエル聞いてた?)


個人通話までオマケで付いてきた、ソックスが何かを握りながらそれをトウリに渡した


「ソレ、クエストノホウシュウ、ソレミセタラクエストクリア」


トウリは手のひらを広げると、その上にゴブリンメダルが置かれていた、ゴブリン達が持っている個体判別の証明だ


「それめっちゃレアですよトウリ様」


「クエストイライスルトキ、ミンナツクッタ、ミンナモッテルハズ」


「分かった、助けた時これの事忘れない様にするよ」


ゴブリン達は船に乗り込み、トウリ達に手を振った、アルテナは両手で手を振り、トウリはただ見つめた


「初めてのクエストクリアですね!」


◇


ギルドに戻った2人は、報酬のメダルを受付に出した、受付嬢は驚いていたがクエスト報酬とメダルの報酬を出してくれた。その量にアルテナは目を輝かせた


「こんな大金が貰えるなんて」


「このくらい持ってるじゃないか」


「Fランクでこんなに貰えるなんてそうそう無いですよ!て言うかトウリ様持ってるんですか!」


トウリは無言で圧縮ポケットから報酬よりも大きな金袋をチラ見せした


「今までの旅費何処から出てたと思ってるの?」


トウリは不思議そうにした、アルテナは旅をする時お金等はほとんど師匠に任せていたのですっかり忘れていた、と言うかアルテナに渡される報酬が少ないのもある


挿絵(By みてみん)

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