5-2
トウリはそのうちの一体を迷うことなくロープから外し、舌を再建させ胸の辺りに手を置くとゴブリンは復活した
「死者復活!?」
アルテナが驚くとトウリは首を振った
「それが出来るのはルクトだよ、僕は出来ない。死ぬ直前に回復魔法を掛けただけだよ」
「回復魔法ってなんですか?」
「あれー?それが出来るの賢者までだっけ?ほら、魔王がよく使うの知らない?」
「もしかして魔王様がやられたーってなった時に元気になるヤツですか?」
「んーなんか違う気がするけど多分それ」
アルテナは目を輝かせた
「魔法って素晴らしい」
トウリは改めてゴブリンの頬を叩いた、ゴブリンは目を覚ませ辺りを見渡した
「イキ、テル?」
「回復させたよ、君だね、ヘラクロスの事を言おうとしたの」
「ヒィ!」
ゴブリンは怯えて縮こまった、今死にかけた所なのだから自然現象だろう
「ちょっと待ってね」
トウリはそう言ってゴブリンの頭の中に手を突っ込んだ、ゴブリンは苦しそうにもせず不思議がっている。それを見ているアルテナは膝が震えていた
「ん、取れたよ」
トウリの手にはヒルの様な物が握られている
「なんですかそれ」
「呪いだよ、これで喋っても死ぬことは無いよ」
「シナナイ?」
「あ、待って、これ監視されてるね」
そう言うとトウリはゴブリンとアルテナの手を握ると、一瞬の間に場所が街の中になっていた、そしてトウリはまたゴブリンの頭に手を突っ込んだ。ゴブリンは変形し人間の姿になった
「さあ逃げよう、見られてるかも知れない」
「しゃ、喋りやすい」
ゴブリンだった者が感激しているのを、アルテナが手を引っ張って走り出した、トウリは走っているフリをして宙を飛んでいた
「トウリ様、楽してません?」
「何故分かる」
「私だって怒る時があるんですよ」
トウリは仕方ないと地面を走り出した。
◇
港まで着くとアルテナは軽く息を切らせトウリは平気そうな顔をしているが、ゴブリンは汗だくで立っているのも限界だった
「さあ喋ってもらいますよ」
アルテナが腰に手を当て仁王立ちでゴブリンの前に立つが、ゴブリンはへたり込み手で静止をしながら息をするのに必死だった
「アルテナ、もしかしてだけど君も並半端な体力じゃないね?」
「トウリ様と居るとその事忘れてしまいます」
アルテナはポシェットから水を取り出しゴブリンに渡した、しばらくして改めて問い詰める
「さあ喋ってもらいます!」
アルテナは先程と同じ様に腰に手を当て仁王立ちになった
「こ、ここは監視されてない場所ですか?」
周りを警戒しているゴブリンにトウリは辺りを確認した
「心配なら僕らだけの世界に行くかい?」
「僕らだけの世界?」
アルテナが首を傾げると、真っ白な空白の世界に飛ばされた
「な、なんですかここ!」
「んーなんて説明したら良いんだろ、僕の想像の世界と言うか」
トウリがそう言うと、白い世界は霧のように晴れ空中庭園が現れ、その周りを龍が飛んでいた
「ここは誰も関与出来ないから自由に話して良いよ」
トウリはそう言って椅子に腰掛けた、その瞬間人数分の椅子が出現した
「あの、貴方は人間では無いのですか?」
ゴブリンはモジモジしながら聞いた
「えーっと、一応人間かな」
「元神って感じですかね」
2人の言葉にゴブリンは膝を崩した
「最初から勝てる相手じゃなかったのか」
「なんで君達はあんな事してたの?」
トウリの問にゴブリンは正座した
「あ、はい、オレ達は、」
「椅子に座りな、対等に話そうよ」
ゴブリンは椅子に座り直し、膝に手を付きながら真剣な眼差しをした
「オレ達はヘラクロスに捕まっていました」
「それでそのマークを付けられたんだ」
トウリも膝に手を付き前のめりになる
「これはオレ達を監視する役割があります。元々別の場所で生活していたんですが、ヘラクロスに捕まり女子供は人質となり、オレ達は冒険者を襲う役割でした」
ゴブリンも前のめりになる
「冒険者を襲う?」
「それで亜種にされたんですか?」
アルテナも膝に手を付きながら身を乗り出した
「亜種なのは元々で、オレ達の住処には人間の教師が居て言葉を教えて貰ってました」
「冒険者を襲ってどうしたかったの?」
トウリもまた身を乗り出す
「オレ達が襲った所でヘラクロスが助けるんです、そしてヘラクロスへ勧誘し、入らない者はその場で殺してました」
「強制的にか」
「それと、体力のある者は奴隷の為に捕まえてました、オレ達の仲間も体力のある奴は奴隷にされてます。オリハルコン?だかを採掘して加工するんです」
アルテナがトウリに向いた
「ヘラクロス本部で聞きました、オリハルコンはロボットの戦体に使われてます」
「なんとまぁ、僕を殺す為のロボットを作る為に裏でそんな事をしていたのか、聖職者と名乗る割にやってる事が悪どいな」
「私も、ヘラクロスは正規な組織ではない気がします」
「僕を殺す?ヘラクロスが狙っているのは破壊神アレース様ですよ?」
ゴブリンの言葉に、その場の全員が固まった




