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翌朝、アルテナは疲労感たっぷりにお茶を飲んでいた。
トウリとは隣同士に部屋を借りたのだが、反対隣の客が喧嘩をしているのか部屋の中で朝まで大暴れしていて、朝になり朝日が差して気が付くが、トウリの部屋から黒い霧が溢れ出し部屋の外に充満していて、皆が「瘴気だ」と騒いでいたので宿屋中の窓を開け回っていた。かく言うトウリは小さく縮こまっていた
「ごめんね、タルタロスに居た時は誰も教えてくれ無かったから、僕の霧が寝てる間にここまで出てるなんて知らなかった」
「いえいえ、まだ破壊神の力が残っているのでこういう事を想定してなかったのもいけないです」
朝食のパンを千切り一口食べ、アルテナはかぶりを振った
「今日はギルドに行ってクエストを1つ行いましょう」
「クエスト!どんなクエストかな」
トウリは途端に嬉しくなり、パンにジャムを付け出した
「そうですねー、小型の魔物退治が多いと思います、スパイダーとかゴブリンとか」
「え、魔物を倒すのかい」
そこでまたトウリが魔物庇護派なのを思い出し慌てた
「あーでは薬草摘みや採掘などクエストが無いか見てみましょう!旅人用のでも良かったら下水掃除や街の清掃などもあるはずです」
トウリは紅茶を飲み、それをくるくる回した
「考えてたんだけど、今の時代魔物退治って種類によって別けられてないかい?」
「あ、そうですね、私達みたいなキャットチーフやエルフなど知性のある魔物は退治されないですが、訳もなく襲ってくる様な魔物は退治の対象ですね」
「でしょ、それで動物もさ、人間に害の無い動物は重宝されるけど襲ってくる動物は退治されるじゃないか」
「動物に例えましたかー」
「人間だって哺乳類って立派な動物だよ」
「ほにゅ?とりあえず人間も人間同士で害のある人は捕えられるし聖職者みたいな良い人は重宝されますね」
「でしょ、前にジャッカロープの串焼き食べたの覚えてるかい?」
「あー氷の国の、美味しかったですねー」
アルテナは両頬を押さえた
「そうそう、そんな感じでさ、僕の魔物は全て守られるべきって考えは変える必要があると思うんだ」
トウリの発言にアルテナは初めて出会った時を思い出した、人間の血が混ざっていて汚いと言った事を
「今でも人間は憎いですか?」
「んーアルテナみたいな子が居るなら人間も全てが憎い訳じゃないと思い始めてるかな、モリスは別だけど」
突然の師匠の名前にアルテナは固まった
「だからね、クエストで魔物退治もしてみたいなって、最初は知能の無い魔物が有難いかな」
アルテナはしっぽを上げた
「本当ですか!」
「あ、でもリザードマンは嫌だな、友達が居るんだよ」
「リザードマンですかー、友達?言葉を話すんですか?」
「話すよ、リザードマンは勉強さえ出来れば話せるよ」
「ええ!」
アルテナはお盆をひっくり返された様な常識を変えられた瞬間に出会った
「リザードマンってやたら知能高く襲ってくるので、ただちょっと頭の良いモンスターだと思ってました」
「リザードマンは血の気が多いからね、すぐカッとなるけど、リザードマンの中にも良い奴は居るよ」
そんな事もあるのかとアルテナは開いた口が塞がらなかった、その口にトウリは一口大のケーキを突っ込んだ
「え?なんでケーキを?」
「ん?こうするものじゃないのかい?僕はよくルクトとか昔のラージマハル国王とかにやられたよ」
「それは、おそらく、からかわれています」
トウリは机に伏せった
「僕の周りはろくでもない奴ばかりだ」
「と、トウリ様、大丈夫ですこれからですよ、これから」
アルテナはなんと慰めたら良いのか分からなかったが、朝食を終えるとギルドへ向かった。
◇
ギルドの掲示板のFランクの欄をあらかた見ている
「どれも魔物退治ですね」
「んーなら食料にする魔物とか、無いか、この辺は魔物は食べないか」
「多いのはゴブリン退治ですね、多発しているのでしょうか」
「この辺の地域でゴブリンってなかなか聞かないね、森林とか少し涼しい地域がネグラなのに」
2人は目を合わせ、ゴブリン退治のページを1枚取った。それを受け付けの機械に入れ、各々のカードを入れた
「はい、アルテナ様とトウリ様はゴブリン退治ですね、受け付けま、した?トウリ様?」
昨日とは別の受付嬢なので、不思議な顔をしている
「たまたま同じ名前なんですよ」
「そうそう出身地が同じなんじゃないかな」
受付嬢は怪訝な顔をした
「今どき苗字の無い名前なんて獣人以外いませんが」
「え!そうなの!」
トウリはこの幾千年の間にそんな事になっているなど思って居らず、急に焦りだした
「簡素にしたんです!ほら、名前がすっごく長くて記入欄に入らなかったので」
アルテナはカウンターに乗り上がる勢いで訂正する
「そうなんですね、今や世界広しですからね。失礼致しました、それではご武運を祈ってます」
アルテナ達はため息をつきギルドを出た




