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露店で夕食を取りながら2人は呆然としていた、アルテナは小声でブツブツとトウリの事がバレた場合の言い訳を考えていた
「あれ?お前どこかで見たな」
どこからかそんな声が聞こえたので声の元を探すと、深くフードを被った青年がぬいぐるみにオヤツに串焼きと大量に抱えながら立っていた
「あれ?君魔王じゃない?」
トウリは青年に指差しながら立ち上がった
「やっぱり、お前トウリだな」
「魔王?え、魔王がなぜこんな所に」
アルテナも立ち上がる
「たまの息抜きだよ」
「魔王様、こちらの方は」
魔王の背後から刀を携えたメイド服を着た女性のメイドと、ゴリゴリマッチョのメイド服を着た男性のメイドが現れた
「トウリ、と、誰?」
「トウリ様のお供のアルテナです」
「ふーん、ちっちゃ」
「あの、野暮な事聞きますが、女性のメイドは分かるのですがそちらの男性の方は」
トウリがこめかみを押さえながら説明した
「この人達は魔王が生み出した魔物だよ」
「あ!魔王様お口にソースが付いていますよ」
ソースなど見えないが男性メイドが魔王の口元をレースのハンカチで拭いた
「魔王様そろそろおトイレに行かれないと次の屋台で並びますよ」
「もーいい加減にしてくれ、朕はもう大人だからそんな事しなくていいって」
魔王は心底ゲンナリしていた
「魔王は冥の龍により生み出されたが、死に際の最後に生み出されたが為親の愛を恋しがっていたんだ。僕の両親ですら親子ごっこに付き合わされたんだよ、それで最終的に作り出したのが彼ら」
アルテナに説明するトウリも嫌な思い出だったのかちょっとイライラしている
「しかしこのメイド服とやらはコイツらが勝手に着てるんだ」
魔王も嫌そうに説明した、その説明を聞いてアルテナは男性メイドを凝視した
「ところで魔王よ、いい加減その一人称変えなよ」
「またそれか、朕が朕の事何と言おうが勝手だろ」
「いや、だからそれだよ、連続して言ったらダメなんだよ」
アルテナも不思議そうにした
「何がダメなんですか?」
「いや、だから」
「千年もずっとモヤモヤしていたんだ、何がダメなんだ」
「ダメなものはダメなんだよ」
トウリの頭の中でルクトが笑っていた
「「なにがダメなの?」」
魔王とアルテナが同時に尋ねてきた、トウリは一杯一杯になり泣き出してしまった
「なんで知らないんだよーダメなんだって」
その様子に魔王は抱えていた荷物を落とした
「何かが変わったと思ったが、トウリ、お前どうしたんだ。前なら冷笑して鼻で笑っていたでないか、まるで生前のお前じゃないか、少年時代のままだ」
驚く魔王とは裏腹にメイド達はここぞとばかりにトウリに足蹴りをしていた
「オラオラもっと泣け」
「毎回魔王様に勝ってるからと言っていい気になるなよ」
その様子をタルタロスで見ていたルクトは、文字通り椅子から転げ落ち涙が出るほど大笑いしうずくまってしまった。その様子はトウリの頭の中にも伝わってきた
「私から説明いいですか」
アルテナが小さく手を挙げ、これまでの経緯を話した
◇
「じゃあトウリは今人間なのか?」
「神の力は残っている」
「だが魔剣が無いんだろ、フン!では次の決戦では朕が勝ってしまうな」
そこでトウリは片手から聖剣を取り出した
「聖剣ならあるぞ」
「なんであるんだよ、素手で来いよ、何も持つなよお前は」
そこでメイド達が魔王の横で扇を仰いだ
「魔王様なら人間ごときのトウリなど恐るに足らずです」
「魔王様はお強いですから」
そこでまたアルテナは手を挙げた
「なんでおふたりは争っているんですか?」
トウリと魔王は少し考えた
「朕が人間を滅ぼそうとしてるからじゃないか?」
「いや僕は人間が居なくなっても構わないよ」
「じゃあ、朕が強いから」
「僕が毎回勝ってない?」
「朕がイケメンだから」
「どうでもいいけどその一人称を連呼するの本当にやめて」
2人の間にアルテナが割り込んだ
「じゃあ2人は訳もなく争っていたんですか?」
「んー強いて言うなら魔王が世界を壊そうとしてたから僕が止める為に出立ったのかな」
トウリが考えながら喋る
「はーまるで勇者ですね」
アルテナの言葉に魔王とトウリはハッとした
「「勇者だったわ」」
タルタロスでルクトはまた椅子から転げ落ち、信託で「忘れてたのか!」とツッコんだ
「魔王様、そろそろ花火をしてもいい時間になります、お早めに河川敷で場所取りしないと花火出来なくなりますよ」
「だから!朕は!大人だからしないの!」
男性メイドに担ぎあげられ、魔王は文字通り連れて行かれた、女性メイドは丁寧にお辞儀しその後を追う
「魔王様も大変ですね」
「自業自得だけどね、ここにいる限りまた魔王に会うね」
「何故です?」
「魔王はこのラージマハル国内の上空に城を築いたんだよ」
「敵国ですよここ!」
「んーなんか僕の周りをウロウロしてるんだ」
「じゃあ魔王との決戦ってここで行ってたんですか?あれ?御伽噺では人気の無いとこだった様な」
「僕が大陸を割いてから地上で戦ったらダメな事になったから上空で戦ってたよ」
「次元が違った」




