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2026.10.31
ようやく修正追いついてきた
アレースは覗いてきたアルテナの目を見た、そして上半身を起こした
「寝てた方がいいですよ」
アルテナの制止を無視し、体全体を起き上がらせたが、何処かおかしいと思う前に宙に浮いていた
「安心しろ、力は失ってない」
「あ、いえ」
アルテナは何故だか気恥しくなり俯いた
「安静にしてて下さい」
それを言うのが精一杯だった、アレースは再びベッドに入り天井を見つめた
「風邪ってこんなにも辛かったかな、人間だった頃は風邪を引いても旅を続けたものだが」
「んー、それはそれで心配ですが、辛い時は休んだ方がいいです」
そう言いながらアルテナは落ちたガーゼをアレースの額へ置いた。そこへ扉が勢いよく開かれた、ルクトが入ってきたのだ
「トウリ!ついに体を手に入れたか!」
「何を言っているんだい、体は元からあったろ」
「人間の体だよ!前から言いたかった事があるんだ!千年も経ってしまったが!」
ルクトの熱意にアレースは体を起こし、またガーゼが落ちた
「トウリ!アレースや破壊神など地位は一旦忘れて旅に出ないか?」
「旅?なにを馬鹿げた事を、僕はこのタルタロスに幽閉されているじゃないか」
「それがだよ!君が体を手に入れたと聞いて誓約書を確認したんだが、誓約書には破壊神アレースの名前しか無いんだ!人間トウリの名前は記載が無かった、今なら自由なんだよトウリ!」
その言葉にアレースは目を丸くした
「また一緒に旅をしよう!トウリ!」
その言葉にトウリは目頭を押さえ、俯き顔を隠した
「なにを言っているんですか父上、貴方の神の地位は変わらないのですからタルタロスを監視する必要はあるんですよ」
ミカエルが部屋に入りつつルクトを抑えた、その手にはお粥が持たれている
「でも旅をするのはいい案ですね、アレース様も手枷なく自由にする時間が必要でしょう」
「それなら僕からもひとつ良いかな」
トウリが顔を上げて言った、その言葉に全員の視線が集まる
「僕の剣を取り戻したい」
「君は!あの剣でどれ程の思いをしたと思ってるんだ!」
ルクトは激高しお粥を壁に投げつけた
「あの剣!あの子に出会ってから君は変わった!何故君が幾1000年もの間牢獄に入れられなければならないんだ!そもそも魔剣に操られなければ大陸を割く事も無かった!」
「落ち着いてくれ、結果を見ればそうなるかも知れないが」
「だからこうなっているんだろ!」
ルクトは泣き出した、ルクトにとってトウリは心友なのだろう
「それなら」
アルテナが立ち上がった
「私も師匠に話したいです、あ、今も師匠かは分からないのですが、アレース様と一緒に旅をするのはどうでしょう」
「アルテナ、聞いていたか?僕はあの魔剣を手に入れて欲しくないんだ!」
ルクトは近くにあった花瓶を殴り割った
「決別の時だと思うんです、私もアレース様も」
「決別?」
その場の全員が沈黙した
「いい考えですね」
ミカエルが口を開いた
「アレース様はあの剣と、アルテナ様はお師匠様と、互いに依存していたものと離れる決断が必要ですね、その為の旅と言う事ですね」
「はい」
アルテナは椅子に座り直し頷いた
「いや僕はあの剣が欲しいんだけど」
トウリの言葉にミカエルが頭上チョップした
「アレース様があの剣をどうするかも旅の中で決めたら良いと思います」
ミカエルはにこやかに答えた
「行動と言動が合ってない」
アルテナは口が開いたまま閉まらなかった
「それなら、僕も手伝うよ」
ルクトも俯きつつ答える
「ここからアルテナとトウリを見ているよ、それで信託を与え手伝わせて貰う」
「では何か御神体を頂いていいですか?そうしたらルクト様とも旅をしている事にならないですか?」
「アルテナ、君は」
感激したのかルクトはアルテナをキツく抱きしめた
「ぐっシヌ!」
腕の中でアルテナが唸っている、そのアルテナを離しルクトは誰かを呼んだ、呼ばれた少年の天使がひょこひょこと現れた
「ラファエルだ」
少年の額には加護を受けたのか宝石がはめ込まれていた
「え、君もアレを」
アルテナが衝撃を受けていると、ルクトは少年の額の宝石に手を突っ込んだ
「え!」
更に衝撃を受けていると、少年の額から白い剣が現れた
「聖剣だ、トウリが持っていたら良い」
そう言ってトウリに渡す
「仮にも元勇者なんだからこれくらいが丁度いいだろう」
トウリは剣を受け取りまじまじと見た、すると頭を抱えだした
「ぐっ!頭に直接ルクトの声が聞こえる!気持ち悪い!これじゃ神託じゃなくテレパスじゃないか!」
「きーもーち悪いとはなんだ!下界の勇者達は喜んでいると言うのに!」
「うううっルクトの声が二重に聞こえる」
アルテナがわたわたとしだした
「御神体を下さいとは言いましたが、アレース様ここは慣れるしかないのでは」
「アルテナ、僕は今日からアレースでなくトウリで良いよ」
トウリの優しそうな顔を見て、アルテナは腰が抜けた、初めて会った時から見た事も無い顔だった




