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女王と共にアレース達はタルタロスに乗っていた、アルテナの顔の傷は跡が残ってしまった
「私の幹部だったデレスと言う男が消息不明で現在も捜索中なのだが、前から嫌な噂があってな、私がトウリと仲良くしているのを快く思わず、ヘラクロスに加入したと聞いた、あくまで噂だったが彼なら此度の結界の解き方も分かるだろう」
女王は淡々と喋るが、とても奇襲されたと思えない
「何故呪文をちょっと変えて暗号を複雑にしないんだ」
「あのな!お前達みたいに自在に魔法が使える訳じゃないんだ!最高峰の魔法使いが何日も掛けて作った結界だったんだ!」
「破られてしまったがな」
怒った女王が両手から吹雪を吹き出した、アレースはいつもの様に手で受け止めるが、いつもと違って手が凍ってしまった
「?凍った」
「何故だ?」
アレースとルクトと女王は顔を突き合わせ、首をかしげている
「トウリお前ちょっと仮面外してみろ」
アレースは言われるまま仮面を外した、整った青年の顔に幾つもの傷が見えた
「顔が、崩れていない」
その姿に女王とルクトは驚いた
「トウリの顔ものすごく久しぶりに見たよ」
女王はそう言ってそっとアレースの頬に手を置いた
「まるで生きている様だ」
アレースは髪を整え何か誤魔化した様だ
「生も死もないよ、この体は」
ルクトが椅子に座り直した
「僕らにとっては死んだと変わらない、あの頃の君はね」
それを聞きアレースはまた仮面を被った
「なんで被るんですか?お顔が戻ったのでは?」
アルテナの言葉に皆一瞬間が空いた
「長い事仮面を被って居たから外すのは落ち着かないんだ」
アレースはそう言ってアルテナの隣に座った
「ところでアルテナ、君に加護を授ける話しだが。僕の剣が無くなってしまったからそれが出来なくなった、すまない」
「いえいえ、元来加護を授かる事なんて無かったはずなので大丈夫です」
アルテナはブンブンと両手を振り遠慮している、そこでルクトが手を打った
「なら僕から加護を授けよう、僕はほら、全知全能だし」
「自分でそれを言うか」
女王は冷ややかな目線を送る
「でもいい案だ、アレースからだったら善が出るか悪が出るか分からんからな」
「いや、でも、ずっと言いたかったんですけど、私納める奉納品無いんですけど」
アルテナは縮こまってしまった、ルクトは高笑いした
「こうして新たに会話出来る相手が出来ただけでも感謝だよ、僕達はほら、下界の人と触れ合える機会少ないから」
「ちょくちょく下界には降りてますよね?」
アルテナの言葉を聞いているのか否かルクトは立ち上がりアルテナの前髪をかき上げた、その手をアレースが掴み止める
「アハ」
ルクトは小さく笑い、アルテナの額にデコピンした。力が強かったのかアルテナは椅子ごと倒れた
「え!痛い!え?」
驚くアルテナにアレースと女王は頭を抱えた
「アルテナ、それが彼の加護だよ」
女王は苦虫を潰した様な顔をしている、どうやら初めてでは無いようだ。アルテナの額が光だし、小さな宝石がそこに埋め込まれていた
「熱い!痛いですこれ!」
「慣れるまで辛抱だよ、獣人族は回復が早いから明日には良くなってると思うけど」
アルテナは痛みのあまり泣きじゃくり床を強く叩いた、その瞬間、床と手の間から炎が吹き出した
「一体なんなんですか!」
「おお、そういう能力が付いたか」
ルクトがまじまじと眺めている、アレースと女王は感心した顔をした
「これが、加護」
そう言ってアルテナは両手を叩いた、手の隙間から炎が吹き出しアルテナの手の毛を焼いた
「あちちちち!あれ?熱くない」
「自分の能力だからね、怪我とかはしないけど毛は無くなるかもね」
「あわわわわ」
アルテナは急いで走り大きな花瓶に手を突っ込んだ、花が少し焼けて枯れてしまった
「花が!」
「花なんていくらでも出すさ」
ルクトはそう言って両手から大量の花を出し、天使達が集めた
「父上またこんなに出したら飾るところが無くなります」
ルクトが高笑いすると、タルタロスに衝撃が走った、船体は大きく揺れた。窓の外を見てみると、暴徒と化した住民が居た
「中心に居るの聖騎士団だな、女王が僕らと長い事居るのが気に触った様だ」
「ではここでお暇しようか、タルタロスに居るといつもこうだ」
女王はそう言って天使達に囲まれながら退場した、女王が外に出ても攻撃は止まなかったのでタルタロスを出発させる事にし、宛もなく浮遊する事となった
◇
数日が経ち、アルテナが新しい力の練習をしていると、天使達が慌ただしくしている、話をきくとアレースが風邪を引いたようだ。アルテナはアレースの部屋へ様子を見に行った
「アルテナか」
ベッドに横たわるアレースは覇気もなく弱々しく、仮面を外し濡れたガーゼを額に乗せている、それを天使が看病していた
「どうやら僕は人間に戻った様だ」
アルテナは目を丸くし、アレースの顔をよく見た




