↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/143

♰♰♰ チョコを食べたのは誰か?② ♰♰♰

改めてここにいる全員が犯罪を起こした容疑者を探しだす探偵のようにお互いの顔を見合った。


「で、あんたはどうなのよ?素業はどうあれあんたは女の子に手を出しすぎているじゃない?みきのぜんぜん好みじゃないけど。」


いきなりみきに容疑者に仕立てられた名城は眉を高く釣りあげてしかめ面をした後で口の片端だけを持ち上げて笑って答えた。


「おいおい、チョコを食べたのは男だけとは限らないだろ?」


今度は理科室にいる男性諸君が女の子を疑うかのように距離を取り出した。


「女だって友チョコを貰っているし、チョコを手作りした場合は出来上がったチョコの味見くらいは勿論しているだろ?」


名城は腕の良い弁護士のごとく自分にかけられた疑いを他に向けさせた。確かにその通りで女性陣の反応は名城が言った言葉に心当たりでもあるかのようにざわつきはじめた。だがこれで名城が自分にかけられた容疑を完全に晴らしたワケにはならない。


「そういえば、君は確か学校にいるそこら中の男にチョコを渡していたような・・・。」


丸之内が怪しむような目でみきを見ながら言った。


「そこら中の男じゃない!みき好みのハンサムな男の子だけっ!」

「なるほど。学校中がゾンビだらけになったのはお前のせいか。」


先ほどみきに疑いをかけられた名城が今度はみきに疑いをかける側になった。


「えー!という事は清潔で純粋のお手本であるみきが疑われているのぉー!?」

「今、何か聴こえたか?」黒川は隣にいる神宮西に尋ねた。

「なにも。」神宮西は即答で答えた。

「なによっ!学校中がゾンビだらけになったのはみきのせいだとでも言うのっ!?言っておくけどね!醜いゾンビになる前にせめてみきからチョコを貰えてむしろよかったじゃない?とびっきり可愛い子からチョコを貰えたのだから!むしろこっちが感謝して貰いたいくらいっ!」

「どういう神経をしたら人に危害を加えた事を感謝してもらいたいと言える?」


上社が長年求めていた未知の生命体にようやく遭遇したかのように感動していた。


「ちょっと!みきだけがゾンビを増やしたのを責められるのは不公平じゃない?あの女だって誰かにチョコを渡したかもしれないじゃない?」


みきは適当に自分のそばにいた女の子の神宮西を指した。疑いの視線が今度はみきから神宮西に向けられると黒川がすぐに神宮西をかばった。


「それはない。昼休みの時に屋上にいたらたまたま遭遇した神宮西とぶつかった拍子に神宮西が持っていたチョコを俺が足で踏み潰したから。」

「あんたがチョコを貰えないのも納得するわ・・・・。」


黒川は神宮西を助けようとしたつもりが、かえって神宮西の古傷をナイフでさらにえぐるような事をしていた事に気づいていなかった。


「俺のおかげで神宮西がチョコを渡す相手がゾンビにならなくて済んだじゃないか。」


神宮西は今の自分の顔を人には見せられないと手で顔を隠していた。


「へー君にもチョコを渡す相手がいるのだな。」


丸之内が珍しいように言った後で黒川は神宮西に顔を向けたら神宮西と目が合った。すると何故か神宮西はかなり気まずそうに黒川の目線を逸らし神宮西は今の話題を逸らしたがっているように別な事を言い出した。


「そんな事はもうどうでもいいっ!怪しい子は他にもいるでしょ?例えば家庭科部の子達はどうなの?自分達が作ったチョコの味見くらいしているでしょ?」


神宮西の言葉に家庭科部の部長が真っ先に反論した。


「失礼なっ!私達は料理のつまみ食いは厳禁ッ!それよりあの3人の方が怪しい!トイレを3人で占領してずっーとトイレの中に篭ってチョコの話題をしていた!」


家庭科部の部長は真由と夏樹と麻子を指した。


「それだけはない。」


麻子がすぐに否定したが、その後の言葉が続かず、どこか恥ずかしげに落ち着きがなくて次の言葉まで一呼吸が必要だった。


「・・・・だって私が買って来たチョコは実は高級デパートで買ったベルギー産のチョコなんてウソなの。」

「えっーーー!?」


いきなりの麻子の告白に真由と夏樹は仰天していた。


「ベルギー産なのは包装紙だけ。以前に貰い物のベルギーチョコの包装紙をずっと取っておいただけなの。チョコは近所のスーパーで安売りしていた物を買っただけ。」

「麻子も白状したなら私も白状しなきゃ。」


今度は夏樹の番みたいで自分だけ罪があると思っていた麻子は意外な展開に驚いていた。


「手作りチョコなんて大嘘。実は1週間だけ家事の手伝いを変わるかわりに妹にチョコを作らせただけなの!」

「じゃあ、私達・・・!!」


麻子が胸につっかえていた物がようやく取れて晴れたような顔になった。


「お互いに嘘を付いていただけだね!!」


夏樹も罪悪感から解放された表情になった。


「真由だってお金がないから安物のチョコだし、そもそも馬鹿だから手作りチョコなんて作れないもんっ!なんらかんら言ったって3人は似た者同士だねっ!」


夏樹と麻子と真由はお互いにハグし合った。


「なに三人だけの世界に入って学園青春ドラマをやっているの!?今やっているドラマはスプラッターホラーラブコメディなんだけどっ!!!」


みきや周りの生徒達は自分達にはまったく関係のない見たくもない3人のドラマを見せつけられて貴重な時間を無駄に使わされた事に腹を立てていた。


「やれやれ・・・話が脱線するのはこれで何度目だ???」


上社はもう誰がゾンビなのかこの際もうどうでもよくなってきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。