♰♰♰ 理科室へ行く目的はどこへ行った??? ♰♰♰
みきと恭一はせっかく安心した気持ちがすぐにどっかへと行ってしまった。
「ねぇ!じゃあさっさと逃げないとっ!さっきの放送で変な奴が言っていた集合場所の理科室ってどこ!?」
恭一がみきをまるで地べたにいるありを見ているかのような見下した目線を送った。
「は?君は理科室の場所も知らないのか?ここは幼稚園じゃないのだよ。」
「ここは幼稚園どころかもうサファリパークじゃないのっ!!!」
「まぁまぁ、落ち着き給え。俺らが理科室の場所を知っている。」
上社がみきと恭一をなだめようとした。
「じゃあ今すぐにみきを理科室まで案内してよ!」
「それは無理。」
神宮西がすぐにみきの期待を砕いた。
「えぇー!?どうして~????」
「これから黒川の友達を助けに視聴覚室まで行くの。」
神宮西が人差し指で黒川を指した。
「おいちょっと待て、君の名前は黒川だって?何処かで聴いた事がある名前だなと思っていたがもしかして先程、理科室に集まるようにとアナウンスしたのは君なのか?」
「ああ、そうだよ。俺がアナウンスした。」
みきは小型犬のように黒川に噛み付いてきた。
「道理でおマヌケな声のアナウンスをした人とそっくりな声だと思った!よくも待ち合わせ場所をみきが近くにいた図書館から場所がわからない理科室なんかにしたわねっ!おかげでとんだ災難にあったじゃないっっ!」
「えぇっー!?図書館の場所がわかる奴がこの世にいたのか!?」
黒川達は驚いていた。
「ゾンビ達でさえ図書館の場所を知っていたわ!それと頭のイカれた女もねっ!まわいいわっ!みきを理科室まで案内する事で今までの失態を帳消しにしてあげるっ!」
「やだね。俺はコウちゃんを助けるまで理科室にはいかない。」
「んもぉー!どいつもこいつもみきの足をひっぱる馬鹿ばっーーーーかっっ!!」
みきが怒りで頭からマグマが噴火しそうな勢いだった。
「僕も理科室にはいかない。」
ここで恭一がなぜか皆が避難場所にしている理科室へといかないと発言した。
「どうして理科室に行かないのだい?」
上社は池下にも誰かを助けたい特別な事情でもあるのじゃないかと訪ねてみた。
「僕には命に変えても大事なものを取り返しにいかなければならない。」
「そうか・・・お前にも守らなきゃいけない物があるのか・・・」
これから友人を助けに行こうとしている黒川は今日始めてあったばかりの恭一に深く共感して恭一の肩に優しく手を置いた。
「それで、君が守らなきゃいけない物って一体何かね?」
上社が今度は好奇心から訪ねた。
「参考書。」
「は?」
ここにいる全員が聴き間違えをしたのじゃないかと耳を疑った。
「わかってないようだな君たち。しょせん底辺高校の馬鹿共に参考書の有り難みなんて理解できるわけないよなっ!僕は君達負け犬とは違うのだよ。負け犬とはっ!」
神宮西がとぼけた声で恭一に質問をした。
「参考書を武器にして戦うという意味???」
「はははっ!参考書を武器に使うなんて参考書の使い方も知らないようだな底辺高校の負け犬は!だから皆ゾンビになるのだ。ゾンビ達と遊んでいるヒマがあるなら参考書の一つでも買って読むべきじゃないのか?じゃあ、僕は負け犬共と時間を潰しているヒマはないのでね。さっさとここから立ち去らせてもらう事にするよ。」
そう言って恭一は右側にあるゾンビがいなくなって安全な渡り廊下を走って渡って行ったのを見届けた後でみきがあきれた声で言った。
「馬鹿だと気づかない奴が馬鹿と言うんだっつーの。」
黒川が恭一を止めに行こうとした。だが、上社に腕を掴まれて阻まれてしまった。
「やめておけ。ドラマや映画だとああいう奴は大抵死ぬ。牧沿いを食らうだけだ。」
「そうよ!あんなガリ勉野郎は放っておいてみきを理科室に送るべき!」
黒川は恭一が向かった先をまた向いて悩み抜いていたから神宮西が後押しした。
「黒川、今は優先しなきゃいけない事がある。」
「そーよ!あんたもたまにはまともな事を言うのね!まず優先しなければならないのは・・・・」
みきがまだ喋っている途中で神宮西の言葉にハっと目が覚めた黒川が言った。
「その通りだ。早くコウちゃんを助けにいかなきゃ!」
「ちっがぁーう!!!!そうじゃないでしょ!!みきを助ける事が第一優先っ!!」
黒川に神宮西と上社の3人はみきの言葉を完全無視して視聴覚室へと向かって3階の廊下の突き当りを走って行った。みきはひとりだけ取り残されてしまった。
「いいわっ!みきひとりで理科室へ逃げきるから!!あんた達もあのガリ勉野郎みたいに死にたければ勝手に死ねばっ!」
その時、先程神宮西に消火器の煙をかけられた男子生徒ゾンビの一匹が復活して床からうつ伏せのまま這いつくばり餌であるみきの足元までやってきて片手を伸ばし、みきの片足の太ももに手が触れた。
「きゃあ!!何触っているの!変態ッ!!」
みきが驚いて海面から出た魚のように体を飛び跳ねた。
「もぅ~!みきをひとりにしないでよ~!!待ちなさ~い!!」
みきは結局、一人で理科室へと向かう危険よりも黒川達の後に着いて行く事になった。




