↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/143

♰♰♰ 救世主はいた!! ♰♰♰

天からの力強い声が聴こえてきた。その声は不思議と安堵と信頼感があり、3人は救いの言葉に自然に従ってしゃがみこんだ。その時、三人の背後にあった窓ガラスが割れる音と共に外から何か物が飛んできて先頭にいた真由の腕に触れた女子生徒のゾンビのあごに直撃した。女子生徒のゾンビは背後に倒れた。


夕日はまだ沈んではいない。床に散らばったガラスの破片が沈まぬ太陽に照らされて中に炎が灯っているかのように情熱にきらめいていた。3人は声が聴こえた通りにしゃがんだ為に被害はかすり傷程度ですんだ。夏樹がつぶっていた目を開けると床に散らばるガラスの破片にその場に倒れてうずくまる女子生徒のゾンビ。倒れたゾンビのそばには楕円形の物が弧をかくようにクルクルと回っている。続いて目を開いた麻子が声を発した。


「これってラグビーボール???」

「俺ら以外の者が弱い者いじめをするのは許さんッ!」


再び声が聴こえてきた方に3人と周りにいるゾンビ達の視線が集まった。外から凍える風が入り込む中で職員室の窓枠に両足を乗せてしゃがんでいる本山がいた。


「ほら、とろいんだよっ!デブ!」

「ぎゃあ!」


背後の外にいる東山に無理矢理背中を押された本山が職員室の床に仰向けになって落ちた。そして本山の後から窓に身を乗り出した東山がまるで今まで何度も不法侵入を繰り返してきた常習犯のように手慣れた動作であっさりと職員室の窓枠に乗っかった。先程麻子を襲っていた窓の外にいたサッカー部のゾンビ達は皆、地面に倒れていて本山と東山の職員室に侵入するさいの踏み台に使われていた。


「おじゃましまーす!」


東山が職員室の床に降りようとした時、本山がまだ床に仰向けのまま倒れていた。東山は悪気もなく本山の背中の上に足を着地した。


「ひでふっ!」

「本山、お前いつまでそこで寝ている?」

「誰のせいだっ!」


真由と麻子と夏樹はまるで金魚のように何度も瞬きをしていた。3人は年代が違う本山と東山の事は知らない。こんな出来事さえなければ三人は本山と東山の存在でさえ知らないでいただろう。東山は両手をポケットに突っ込んで周りを見渡した。


「なんで皆、突然干し柿みたいなしぶい顔をした干し柿星人になっている?」

「そんな事どうでもいいからさっさ俺の背中からどけ!」

「あ、ゴメン。本山の事を忘れていた。」

「お前、絶対にわざとだろっ!」


東山はようやく本山の背中から床へと降りた。その時、そばにいた野球部員ゾンビが両手をあげて本山に襲いかかろうとした。本山は床から立ち上がるとズボンについた埃をはらいながら言った。


「今まで上社が言っていた戯言って俺達を笑わかしてくれる為にわざと言ってたのかと思っていたけど、上社はマジで宇宙人がどうのこうのって警告していたのだな。」


本山が床に落ちていたラグビーボールを拾うとラグビーボールを野球部ゾンビの口の中に突っ込んだ。真由と夏樹と麻子は突如自分達の前に現れてきた本山と東山がゾンビ達に囲まれているのにもかかわらずあまりにも教室にいる時みたいに普通にしているものだから自分達の方の頭がおかしくなったのじゃないかと疑った。東山と本山は3人よりも前へと出た。本山が後ろを振り向いて三人に向かって言った。


「さっきはゴメンな。ガラスで怪我しなかった?」


真由がまだ状況がうまく飲み込めてないまま顔だけ横に振った。


「さっさと窓から逃げちゃいな。」


東山は親指を立てて後ろの窓を示した。3人はまるで首振り人形のように首を機会的に上下に何度も振るとさっそく窓から外へと降りて行った。三人が無事に外に逃げるまでの間に本山は机の下に引っ込めてあったキャスター付きの椅子を手に取るとそれを自分達に近づいてくるゾンビの大群に向けて投げた。


机の上にいた男子生徒のゾンビの一匹が机の上から飛び降りて東山に襲い掛かってきたが、東山は自分がゾンビに襲われるよりも早く眼の前にある机の引き出しを取り出して引き出しでゾンビの顔を殴った。横からもゾンビが襲いにきたが、東山はゾンビの制服の首の襟を掴むと自分に引き寄せてゾンビの頭に頭突きをくらわした。


本山と東山は真由達3人が無事に外へと逃げられるまでゾンビをよせつけないようにしてくれている間に夏樹と麻子が先に外へと降りて、真由が窓枠に片足を乗せたのは良いがもう片方の足を窓枠に載せるのに苦労しているのを見かねた本山が真由の両足が窓枠に乗せられるように手で真由のお尻を押してあげた。


外で夏樹と麻子と真由が無事に外へと出てこられるように両手を伸ばすと真由も両手を伸ばし、右の方の手に夏樹が左の方の手に麻子の手につかまると一気に足踏みに使われたサッカー部ゾンビの背中の上へと降りた、3人が無事に外へと逃げられたのを見届けると東山が自分達に群がっているゾンビ達に向けて言った。


「今まではほんの準備運動だ。だが、これからが俺らの本気を見るぞ!」

「んじゃあ、そろそろ俺らのとっておきの技を出すとすっか。」


本山と東山はお互いに顔を見合わせて2人独自の相打ちをすると二人は同時にゾンビの群れへと顔を向けて一歩前へと前進した。人数が圧倒的に多いゾンビの群れはそれだけで後ずさりをした。本山と東山にはゾンビの大群でさえ恐れもしない自信があるのか秘密めいた強さのオーラにゾンビ達は圧倒されていた。


「見せてやろう。俺達のとっておきの技とやらをっっ!!」


本山は床に転がっている椅子を拾うと椅子を高く持ち上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。