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♰♰♰ 放課後の帰り道 ♰♰♰

 

学校が終わるチャイムと共にまっすぐに家に帰る者もいれば部活に精を出す者もいるし、友人達と校舎に残って会話を楽しんだり、彼氏彼女で学校でイチャついたり、黒川のように居残りを命じられた者もいた。岩塚由里は女友達の二人と一緒に家へ帰ろうと学校の外へ出る門と続いている一本道の坂を歩いていた。友達の二人はようやく学校から開放された喜びで気分を高めて会話をしていた。


「ねー、今日の帰りにサーティワンによって行こうよー」

「いいね!ついでに近くのお洒落な下着屋にも行きたい!」


だが、岩塚由里はどこか二人の話題に乗りきれずに浮かない顔のまま別の事ばかりを考えていた為に二人から遅れて歩いていた。


「由里?あんたはどうする?」

「え?」


気づくと二人の友達はすでに門の外へと出て自分はまだ校舎の中にいた。


「聴いてなかったの?帰りにサーティワンによろうって」

「ああ、ゴメン。私、教室に忘れ物をした事を思い出したから戻るわ。先に帰っていて。」


そう言って岩塚由里はチョコが入った袋をぎゅっと手に掴んで慌ただしく学校へと戻って行った。その様子を二人の友達は目に焼き付くように門の外から見ていた。

 

♰♰♰


 その頃、誰も人が通らなくて寂れ果てて雑草や木がまったく手入れもされずに伸び放題のまま放置されて哀愁が漂う校舎の裏側には神宮西明美が一人で歩いていた。神宮西明美にとっては校舎の裏側の人がいないその寂しさがかえって今はありがたかった。ここでは誰にも今の自分の心情を見られる心配がない。神宮西明美は校舎の裏側にある焼却炉の前まで行くと、焼却炉の蓋を開けて好きな人に渡すつもりでいた黒川によって粉々に潰されたチョコが入っている箱を焼却炉の中に入れた。


「ばーか。」


誰もいない事を良い事に神宮西はチョコを焼却炉に入れた後で一言呟いた。それはチョコを踏んだ黒川に対して言ったのか?それとも好きな人にチョコを渡せれなかった自分に対して言ったのだろうか?


 






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