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♰♰♰ 出られた高校の名は・・・ ♰♰♰

 餌より高い場所に立ち、下にいて何にもできない餌に対して驕り高ぶっていたゾンビだったが、いつの間にか自分と同じく車の屋根の上に立った副部長の両手に持っている二つの人参で頬をビシバシとムチで打たれているかのように殴られていた。


荷台にいる野次馬たちは主に家庭科部員が副部長を応援していた。先程のように物をゾンビに投げつける事もできたが、副部長に当たることも考慮して物を投げずに副部長を応援する事に尽くした。だが、ゾンビも粘って運転席の上に意地で立ち続ける。そして今が反撃の時と頭で副部長の顔面にめがけて頭突きを喰らわした。


「痛っ!!!!」


副部長の体が後ろによろけて荷台にいる家庭科部員の中に悲鳴があがった。ただでさえ危険な場所に立っており地面に落ちたりでもしたら副部長の命はない。


だが、副部長は足を踏みとどめて倒れはしなかった。鼻に熱い物を感じて人参を握っている手で鼻を押さえた。手にドロっと生ぬるい液体のような感触がして手を鼻から離して見てみると赤い鼻血が手についていた。痛みと血、戦いゆえの代償を見た副部長はここで苦しみを避けたい本能よりも屈辱のほうが上回った。


「うああああああああああああ!!!!!!」


副部長は片手に持った人参を高くあげるとまるで動物のような叫び声をあげてゾンビラグビー部員の片目に人参を突き刺した。ゾンビラグビー部員は片目を抑えながらうろたえていた。だが、ゾンビは目に人参が突き刺さったままタコ殴りで副部長の顔や肩や体に叩きつけた。副部長も負けじと爪でゾンビの頬をひっかいた。腐ったゾンビの皮膚は皮膚がバターのようになめらかに剥がれた。


副部長は残り一本となった人参を両手で掴むとそれで何度もゾンビの顔をビンタし続けた。副部長の顔には青あざができ、顔がふくれあがってかろうじて副部長の顔だとわかる程にひどい。ゾンビの目には人参が突き刺さったままだ。しばらくお互いに殴り殴られ状態が続いていたが、鍛えられたゾンビのパンチがついに副部長の人参を突き破って人参は折れてしまった。


「そんなっ!」


勇敢にも車の屋根の上に登った副部長にも武器である人参が折れたのはショックが大きいようだ。


「にんじんもないのにどうやってゾンビに反撃すればいいの???」


荷台にいる家庭科部員達に不安の声が広がった。するといつの間にか副部長が座っていた窓際の席に移った豊田が窓から顔を外に出して頭上にいる副部長に向けて言った。


「おーい。いつまでそうやって遊んでいる?そろそろ校門が来るぞ。」

「校門・・・・」

「肛門????」


真由だけが言葉の意味を間違えたが豊田の言葉を聞いてある事に気づいた副部長はいきなり下にしゃがみこんだ。


いきなり戦うのを放棄したのを不思議に思ったゾンビが前を向くと車が進んでいる先に没という大きく書かれた一文字が自分に迫ってくるのが見えた。


校門は生徒達が下をくぐれるように高くアーチ型になっており、アーチの一番高い円弧にある看板の文字には『日没高校』と書かれてある。


ゾンビは日没高校の『没』の文字に顔面がぶつかりトラックはもうスピードで校門の下をくくって学校から外へ出るとゾンビの顔は看板から引き離されてゾンビの体は地面へと落下してまるで高い所から落とされたトマトのようにぐちゃぐちゃに潰れた。

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