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♰♰♰ 屍の数 ♰♰♰


その頃、駐車場と職員室用玄関の間では生き残った生徒達がゾンビの大軍を相手に奮闘していた。

各自でベルトに挟んで持っていたお手製の試験管で作った火炎瓶をゾンビの群れに投げつけてゾンビ達がこっちへ来るのを防いでいた。


だが、たまたま炎の海に巻き込まれなかった運のいいやつもいる。駐輪場からやってきた一匹の女子生徒ゾンビが女子ソフト部員の背後から静かに忍びよっていた。女子ソフト部員の女の子は試験管を投げることに夢中で背後にいる女子生徒のゾンビに気づかない。今がチャンスだ。そして女子生徒ゾンビは女子ソフト部員を襲おうと残り一メートルまで距離を縮めた。


その時うぃぃぃんうぃぃぃぃんという機械音が自分の背後から聴こえてきた。女子生徒ゾンビは後ろを振り向くとそこには電灯の光をいっぱいに浴びてコードレスミキサーを高速回転で回して高く持ち上げているエプロン姿の女子家庭科部員の黒い影がまるで悪魔のいけにえに出てくるレザーフェイスのチェーンソーを振り回している名シーンように見えると家庭科部の女の子はコードレスハンドミキサーでゾンビの体を細切れにした。周囲にゾンビの肉片が飛び散るその光景はどちらが悪魔なのか見分けがつかない。



※※※



 駐車場では遅い時間まで学校に残っている先生達の為に電灯がついてあり、両側に車が並べてあり、中央は通路になっていた。豊田達は中央の通路を歩きながら生存者達を乗せるのにちょうどいい車がないか探していた。


だが、車と車の間に隠れていたジャージ姿の男子体育教師ゾンビが中央の通路に飛び出てきて餌に向かってきた。すかさず家庭科部部長が男子教師ゾンビの元へと向かうと手に持っている万能包丁を男子教師ゾンビの顎の下から突き刺しゾンビの目の下に包丁の先が飛び出てきた。


「素晴らしい!これなら全員が乗れる!」


豊田がゾンビに見つかるかもしれないリスクを忘れて感動のあまり甲高い声をもらしてしまった。豊田が見つけた車は生存者達全員を乗せるのにはちょうどいい2t平ボディトラックを見つけた。学校で不要となった椅子や机などの廃棄物を載せる為のトラックがちょうど今日学校に来ていたのだ。豊田はさっそくトラックに駆け寄ると理科室から持ってきた道具で5分もたたずにピッキング技術でドアを開けた。


「すごーいっ!まるで映画みたい。」


家庭科部部長は豊田がやっている事が犯罪だとわかってはいても非情事態だと綺麗な犯罪に見えた。豊田はすぐに車の中へと入ると電気系統をいじり初めた。その間に家庭科部部長と副部長は周りにゾンビがいないか警戒しながら見渡していた。


「どうやら人気のない駐車場にゾンビは集まらないみたい。」


家庭科部部長がそう言って副部長がいる後ろを見た。すると副部長の背後の車の屋根の上に頭にダンボール箱をかぶったままの原先生ゾンビがしゃがみこんでいた。


「危ないっ!!後ろ!!!!」


副部長が後ろを振り向いたその時、車の屋根の上に乗っていた原先生ゾンビが副部長の上に飛びついた。



※※※




 駐車場と職員室用玄関の間では生徒達とゾンビとの奮闘はまだ続いていた。夏樹は試験管を投げてサッカー部員を二名を倒した後で次の火炎瓶代わりの試験管を手に取ろうと腰のベルトに手が触れた。


「あれ?もう試験管なくなっちゃった。ねぇ、あまっている試験管を誰か持ってない?」


夏樹は隣にいる同じく火炎瓶代わりの試験管を投げていた麻子に訪ねてみた。


「私もさっき投げたので切らしちゃた・・・」

「もっー!!いくつ投げても投げてもゾンビはゴキブリのように出てくるんだからっ!」

「私達、試験管を飛ばしていた時はゾンビを多く倒した手応えがあったよね???」


麻子が試験管投げ飛ばしていた時の威勢のいい声とは反対に唇を震わせていた。


「なのになんでまだこんなにゾンビがいるの??」

「わっ!」


突如、麻子と夏樹がいる近い場所で叫び声が聴こえた。野球部員が目の前に迫ってきた同じ野球部部員ゾンビを大根で振り飛ばしていた。夏樹と麻子の背後にいた真由が野球部員に目を奪われているといきなり背中が誰かの背中とぶつかった。真由が後ろを振り向くとコードレスハンドミキサーを手に持った家庭科部の女の子が真由に背中を向けながら迫ってきた3匹のゾンビ相手にハンドミキサーで肉の細切れにしていた。


「わっー!!助けてくれぇぇぇぇーーー!!!」

「お次はなんなのぉー???」


真由は叫び声が聴こえてきた方を見ると堀田が涙声で腰を地面について迫ってくる一匹の女の子のゾンビに後付さりをしていた。


「助けてよぉぉぉーー!!!!!!」


おたまやフライパンにハエたたきを手に持っている家庭科部の部員の女の子達がすぐに堀田を救いに駆けつけていった。


「ね、ねぇ???なんだかひょっとして私達ゾンビに囲まれてない???」


麻子が肌寒そうに両腕をさすっていた。夏樹は自分の周りぐるっと一周して見渡してみると夏樹の顔が青ざめていった。


「私達!完全に囲まれているッッ・・・!!」



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