♰♰♰ 悪魔の最期 ♰♰♰
倒れた金山先生はちょうど倒れた目の前にコードレス脱毛器があるのが目に入った。黒川が丸之内に目を逸らしている間に手を伸ばしてコードレス脱毛器を手に取ろうとした。だが、自分の手が掴む前に他の誰かの手がコードレス脱毛器を奪いあげた。金山先生は上を見上げた。コードレス脱毛器を大事そうに胸の上に抱きしめているみきが立っていた。
「これ、私のっ!!」
名城が階段の横にある保健室まで行くと鍵がかかっていた扉を無理矢理こじ開けた。
「急いで保健室に逃げろ。早くしねぇと化物が来る。」
名城の言葉を聴いて黒川達は我にかえった。真っ先にみきが保健室の中へと駆け走って入って行った。みきの後から恭一と上社も保健室へと入った。
黒川は丸之内に肩を貸しながら保健室へと向かおうとしたが、巨体な丸之内を一人で支えて進もうとするのは困難なようで神宮西も丸之内に肩をかしてあげて3人で保健室へと向かって行った。金山先生はコードレス脱毛器をみきに奪われながらも生徒達に再教育をする為に両手を床につくと上半身をもち上がらせた。
「許さないぞ・・・クズ共のくせに・・・・逃げれば幸せになれると思うなッ・・・!お前らも大人になればいつか俺のようになるんだッ!!大人になればわかるッッ!!!!!!!!」
黒川と丸之内と神宮西は金山先生に背を向けて保健室へと向かっていた。金山先生は黒川達を攻撃できないかと当たりを見渡した。すると神宮西が拾い忘れたチャッカマンとゴキブリ退治用のジェットスプレーが目に入った。
「これだっ!!!」
金山先生はチャッカマンに火をつけるとゴキブリ退治用のジェットスプレーのポンプに指で重みを掛けた。
「はははっ!!!これでお前らもオレと同じになるんだっ!!一人でも多く道連れにしてやるぅぅうう!!!!」
スプレーから吐き出された炎が金山先生の怨念と化し黒川達に迫って行った。炎の魔の手は黒川のうなじに近づいた。やった!金山先生はこの後に起きる燃え尽きて灰と化する黒川と丸之内と神宮西の姿を想像した。
しかし、いきなり足元が何者かに引っ張られて金山先生は後ろに引きづられてしまい炎は黒川のうなじに触れそうな所まで来ていたが届く前に炎は金山先生と共に引き下がって行った。黒川達は後ろを振り向いた。すると床に倒れている金山先生の右足には金山先生の手によって右足を無くした男子生徒ゾンビがしがみついて金山先生の足を引っ張っていた。
「くそうっ!!離せ!醜い化物共ッ!!!」
金山先生は空いている左足で右足にしがみつく男子生徒ゾンビの顔面に何度も蹴りを入れた。だが、左足にしがみつく男子生徒のゾンビは失った自分の左足を金山先生から取り戻したいかのごとく離さなかった。
金山先生は眼の前に何か集団が自分に近づいて来るのを感じてふと顔を見上げてみると前に片足しかない女子生徒のゾンビがまるで妖怪からかさ小僧のように片足でケンケンをしながらこっちへと向かって来ていた。
顎が削れて歯がむき出しになり、片目が飛び出ている男子生徒のゾンビに上半身しか体がなくても両肘を使ってこっちへと向かって来る女子生徒のゾンビや、両腕両足がなくても芋虫のようにこっちに向かってくる男子生徒のゾンビなどの自分が体の一部を欠落させられた複数の生徒のゾンビ達が金山先生の所へと向かって来ていた。
「チキショウ!」
金山先生はチャッカマンとゴキブリ退治用のジェットスプレーを自分に向かってくるゾンビ達へと構え、チャッカマンに火をつけ、スプレーのポンプを押した。
「あ・・・あれ???」
スプレーの煙の噴射がわずかしか出ず、ゾンビ達に届かない程度の最小限の炎しか出せなかった。何度もスプレーのポンプを押したが炎は勢いよく出る所かだんだん弱くなるばかり、そして最終的には煙は消えて中の空気を吐き出す音しかしなくなった。何度もスプレーのポンプを押している間にいつの間にか視界が暗くなった事に気づいた金山先生は顔をあげた。
するといつの間にか自分はゾンビ達に囲まれていた。金山先生の顔に焦りが見えると顔の横にある肩にいきなり手が置かれた。金山先生は手を置かれた右を向いた。すると目の前に顎が削られて片目の目玉が飛び出ているゾンビと目があった。もう、ゾンビが金山先生に触れる所までやってきていた。
「よるなっ!!来るなっ!!あっちへ行けっ!!」
体の一部が欠落した生徒のゾンビ達が金山先生の腕や足、腰、太ももなどを掴んみ、金山先生は貪欲な元教え子達に肉を食いちぎられて生きながら捕食された。
黒川と丸之内と神宮西の3人は金山先生の結末に口を開けっ放しで見とれていた。しかし、そのせいで足元で床をはいつくばって3人に近寄ってきていたひとみ先生ゾンビの存在に気付かなかった。丸之内はいきなり片足がひっぱられて床に尻もちをついた。そして片足が噛まれた感触がした。




