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♰♰♰ 悪魔に協力 ♰♰♰

黒川がまず先に己の武器であるほうきを金山先生がいる方へと放り投げようと手を伸ばし初めたその時、丸之内は血を吐きながらも声を黒川に向けて発した。


「駄目だッ!!亮ちゃんッッ!!」


丸之内は声だけでも金山先生に反抗する意地を見せた。


「でも、このままだとコウちゃんが・・・」

「順番が違うっ!金山先生を殺るのが先決だっ!僕の事は後でいい!金山先生を倒すんだ!」


丸之内の熱意が乗り移ったのか黒川が自信の武器であるほうきを再び強く握り締めた。だが、丸之内の熱意は味方の後押しもしたが、敵の後押しもしてしまった。


「お前らは人の言う事をちゃんと効かない問題児だから教育が必要なんだっ!」


生徒達が自分の言う通りに動いてくれなくて怒った金山先生が手に持っている金属バットの先で丸之内の足を何度も叩きだした。丸之内の足の骨が砕ける音が聴こえた。上社は目をギュッと閉じた。神宮西は思わず両手で耳を塞いだ。


「頼むから辞めてくれー!」


黒川は金山先生に従わない熱意もすぐに冷めてしまった。

その時、黒川の背中がいきなり叩かれた。こんな時にいきなりなにをする?と自分の背中を叩いた張本人らしき背後にいる名城に視線を向けたら。


名城が怒りに我を忘れている金山先生から悟られないように目の向きだけをわずかに動かして黒川に金山先生の背後を見るようにと扇動した。黒川は名城から送られた意味ありげな目線の向く先を見た。すると金山先生の背後にひっそりと声を殺して近づいてくる一つの影が見えた。動きからして動物的な歩みをしているゾンビではなく意識して忍び足をしている人間のようにみえる。


最初は影が一つしか見えなかったが、その後でもう一つの影も金山先生の背後に近づいてきているように見えた。神宮西や上社も金山先生の背後に忍び寄る影の存在に気づいた。背後から金山先生に近付こうとしている人物はなぜか上半身が裸でスターローンが演じるランボーを意識しているのか頭にネクタイを巻き付けていてその手には巨大の三角定規でマシンガンを構えるように金山先生の背中に向けている。


味方が来てくれたと黒川は確信したが、理科室にいた生存者の中でこんなヤツいったっけ?と最初は思ったが、もう遠い昔の出来事のように思えてくるが参考書を取りに行くと言ったきり行方をくらましていた池下恭一の事を思い出した。


神宮西や上社も恭一が生きていた事に気づいて驚いているが、何よりも初めて合った時と恭一の様子がまったく違っている事に驚いていた。さらにおまけとして恭一の背後から行方がわなからなかったみきまでもいるではないか。だが、今や恭一やみきに一体何が起こったなんて聴いている暇はない。


黒川は背後から金山先生を襲おうとしている恭一の手伝をしてやろうとした。


「わかったよ、先生・・・。」


金山先生はようやく丸之内の足を叩く金属バットを上げる手を下ろした。


「ようやく話がわかるようになったな。」


丸之内は金山先生に従うなと自分から忠告したのに一体何のつもりなのだ?と信じられないような目付きで黒川を見た。黒川は自身の手に持っている武器のほうきをゆっくりとわざと時間をかけるように金山先生の足元に置いた。


黒川が時間を稼いでいる間に恭一は自分が手に持っている武器の三角定規を金山先生に突ける程の間合いまでやって来た。金山先生は黒川が床に置いたほうきを掴もうと腰をかがんだ。今こそ襲うチャンスだ!恭一が金山先生の背中に三角定規を突こうとしたその時、金山先生は黒川の背後にある真っ暗な夜の窓ガラスに反射して映った自分の背後で自分を襲おうとしている恭一の姿が目に入った。


金山先生は背後にいる恭一よりも早く後ろを振り向き、手に持っている金属バッドで恭一の頭を殴った。


「きゃああああああ!!!!!!」


恭一の背後からやってきたみきが叫び声をあげた。恭一は床に倒れた。名城は金山先生が恭一を殴って背中をこちらに向けている今のうちに金山先生を襲いかかろうとスッポンを高くあげた。だが、金属バットの先を頭に押し付けられている恭一を見た名城は金山先生に反抗する手を降ろした。


金属バッドは恭一の頭にぐいぐいと食い込むように押し付けられ恭一の口から血と共にひとつの歯が出てきた。名城はそれでもいちかばちか反撃するべきだと判断して深く息を吸い込んだが、名城が反撃しようとするのを予知した黒川が背後から名城の肩を叩いた。


「無駄だ。」


名城は背後にいる黒川に顔を向けて睨みつけた。黒川の表情に先程、金山先生に反論した時のような勇ましさが消え、諦めてしまった人間の顔に成り代わっていた。


「もう終わりだ・・・・」


上社も何を考えているのかわからない無表情のままではあるが現実を受け止めたのかポケットの中に手を突っ込み、中に入ってあった磁石と悪霊退散と書かれた札を金山先生の足元に投げ捨てた。


神宮西も負傷した丸之内と恭一を見たらすっかり意気消沈してしまいゴキブリジェットとアルコールランプを足元に置くと片足で蹴飛ばして金山先生の足元まで滑り込ませた。


名城だけはどうなろうと自分の意志を捻じ曲げるつもりはないつもりだが、黒川はそれを察したのか名城の武器であるスッポンを素早く奪い取ると金山先生の足元へ投げ捨てた。


「お前らは悪魔に協力した!」

「やだっーよくわからないけど!従った方が懸命なようねっ!」


みきはすぐに自信のカバンの中に手を突っ込むと自分の武器であるコードレス脱毛器を金山先生の足元に放り投げた。


「よーし、よし。やっと先生の言う事を効くようになったな。」

「先生、私達は先生の要求を飲んでやった。次に私達の要求を先生が飲む番じゃない?恭一を解放してあげて。」


神宮西は口では従っても、心の中までは金山先生に従っていない態度をとった。


「おーい、おいおいおいおい!?先生は君達の要求を飲むと約束した覚えはないぞ?」

「そんなッ!」


最初に武器を手放した黒川が声に出した。


「約束を守らない奴に約束をする奴がいるか!」


名城は金山先生よりも武器を放棄してしまった黒川達を攻めているようだった。

金山先生は騙されたと知った生徒達の面を見て改めて子供はマヌケなのだと思える事に満足した。



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