♰♰♰ 闇の住民と化した者 ♰♰♰
みきと恭一は二階の階段を降りていき遅れながらも一階の職員室用玄関の前までたどり着いた。
「あらら、もうゾンビちゃんがこんなにやられているわ。」
ゾンビ達は下駄箱の下敷きになっていた。生まれ変わったネオ恭一にとってはすでにゾンビが倒されている事に嬉しいようで自分の力でゾンビを倒せない事をくやしがった。
「くっそ~!もっと早く駆けつければゾンビを倒せたのにー」
「あんたいつの間にかキャラ変わってない?おっと!倒れているゾンビとのシャッターチャンス!」
みきは先ほど自撮りをしている最中にゾンビに襲われそうになったにも関わらずまったく反省しないで下敷きになっているひとみ先生ゾンビと一緒に自撮りをしていた。
「なぁ、君。さっき音がしなかったか?何か殴られたかのような音とかすかに複数の悲鳴も聞こえてきたような・・・・」
恭一は生徒用の下駄箱がある深い廊下の奥を見つめた。
「悲鳴なんて今日は学校中でいっぱいしていたわよ。」
「君は先に外へ行ってくれ。僕は廊下の奥で何が起きているのか確かめてくるっ!」
恭一はゾンビを倒し足りないようで廊下の奥へと走って行った。
「ちょっ!待ちなさーい!!みきを一人だけで駐車場へ行かせる気!?ああんっ!みきをぼっちにさせないでよぉぉぉ~!!!」
みきは一人になる事を恐れて恭一の後を追った。
丸之内の片手に持っていた武器であるちりとりが先に床に倒れ、後に続くように丸之内の大きな巨体もゆっくりと床に倒れて行った。
「コウちゃんっっっ!!!!!!」
黒川は叫び、上社は声に出ない悲鳴をあげ、神宮西は両手で口元を抑え、名城は丸之内を襲った犯人を睨みつけた。倒れている丸之内の背後にある闇の奥に潜み込んでいる丸之内を襲った犯人らしき者は手にバッドを持っており、足の爪先から頭のてっぺんまで全身血だらけの為に上社が初めて見た時はゾンビかと思った。
「ゾンビなのか?」
「いや、あれはゾンビじゃない。」
名城の言葉を聴いた黒川達はゾンビとは違うかつて感じた恐怖を思い起こした。
「金山先生っ・・・!」
神宮西が唇を震わせながら言った。丸之内を襲ったのはゾンビではなく理科室で追い出したハズの金山先生だった。
金山先生はガラスの破片の一部がかけていて血が染み付いるメガネをつけ、死んだ魚のように目玉がギョロッとむき出しに飛び出ており、真っ白な歯は真っ赤に染まり、歯の隙間からは何本かの髪の毛が挟まっていた。
頭髪はまるで鬼の角のように逆立ち、たった数時間で何十年も年を取ったかのように顔に何重もシワが刻み込まれ、皮膚が乾いた大地のように干からびていた。
手に持っているバッドには殴った丸之内の血だけではなく複数の血が混じり合っていた。理科室から追い出したわずかな間に金山先生は人間の名残が薄れていきゾンビのように変わり果てた姿へとなっていた。金山先生が口の先をゆっくりと持ち上げてニヤけると口の中を開いた。
「お前ら手に持っている武器をこっちによこせ。」




