C as in Cool(涼しいのC)、III
瑛子は邪魔にならない程度に生徒さんに挨拶をしていった。
ここでの生徒さんケア(care)が、結構重要だ。
教室に来る生徒さんがみんな、やる気満々! な状態で来てくれる(come)とは限らない。というか、ほとんどの方は人と話すモードのスイッチがオフの状態で来る。
当たり前と言えば当たり前だ。お笑い芸人(comedian)でもあるまいし、話を振られて即座に反応できる人はほとんどいない。
外国語でなら、尚更だ。
だが、この状態のままレッスンに入ってしまうと、場が温まるまで時間がかかる。レッスンは五十分しかないのだ。あまりゆっくりしているわけにもいかない。一回完結型のレッスンでは、教えることが終わらないから次回に引き延ばす、という手は使えない。
そこで、先生たちはロビーに出てきて、生徒さんとコミュニケーション(communication)を取る。
簡単な会話を英語でして、軽いウォーミングアップをするのだ。
鉄板の会話は、
Hello. How are you?
から入り、
It’s hot today!
と天気の話題を振ったり、
You look happy today!
など生徒さんに関する軽めのことを言ったりなど。
あまり深入りせず、けれども皆に同じことを言っていては飽きられてしまうので、適度にパーソナルにことを。
匙加減が難しいところだ。
それからクラスメイト(classmate)が近くにいる時は、その方たちの会話も促す。やはり知り合い同士のほうがレッスンも楽しくできるからだ。
「同じクラス(class)の〇〇さんとは相性悪いんで、他のクラスに振り替えてください」と言われると、そりゃあまあ、こちらとしても対応しないわけにもいかないが、できることなら避けたい。同じレベルのレッスンにちょうどよく空きがあるとは限らないからだ。
教室(classroom)でレッスンをいくつかこなすと、遅めの昼ごはんに入る。
炭水化物(carbohydrates、もしくは略してcarbs)を一気に食べると途端に眠気が襲ってくるが、ランチ時間が短いので仕方がない。時計(clock)を見ながら、休み中にやるべきことをこなしていく。
コピー(copy)を取ったり、生徒さんの宿題をチェック(check)したり。
ながら喰いをすると、あっという間に食べてしまうので満足感が感じられない。
瑛子はあくびを噛み殺した。
食後に食べるチョコレート(chocolate)がいけないのだろうなあと薄々思ってはいるのだけれど。
甘いもの(砂糖菓子一般を英語ではcandiesと言う。candyの複数形)くらいの楽しみがないと、一日持たない。
あと、新発売のお菓子が原因か。コンビニ(convenience store)に行くと、好奇心(curiosity)に勝てず、ついつい買ってしまうのだ。
せめてカロリー(calories)をカット(cut)しようと、無糖のカフェイン(caffeine)入りの飲料を飲む。
本日のお供はブラックのコーヒー(coffee)。大手飲料メーカーが今人気の歌手グループとコラボ(collaboration)しているので、缶コーヒーを買うとミニフィギュアが付いてくるのだ。
娘が集めている(collect)ので、家にはケース買いしたコーヒーがある。
娘がねだるので買ったはいいが、自分では飲まないので瑛子が飲む羽目になる。
まあ美味しいからいいんだけどね。
カフェインを摂ったからといって眠気が無くなるわけではないが、これで午後はなんとかやり過ごす。




