第五十四話 証明
私は街を歩いている、今に限った話ではないが人通りが少ないのは嬉しい、時計は九時少し前を指しているところだ。
私は今から、アイリスを殺すだろう、少しばかし今回は心苦しいだが、目的のためなら致し方ないことだろう。
アイリスは間違えなく人間ではないのだから。
アイリスの情報を渡された時、見た目や職業などしか言われなかったから、情報を集めるのは苦労した。
まったく、銀髪の神官なんてこの街だけで何人いると思っているのか、私の前任は殺されたと聞いていたが、なかなかしっぽを出さなかったのは面倒だった。
最終的には、四つの情報からそれを確信したのだが、まず一つ目はこれはこじつけ程度の話かもしれない、今までの蝶、蜂、ムカデは全て銀髪の人間だった、二つ目は港町の時急に消えたこと、三つ目の毒への耐性まず普通の人間ではないのではないか、と思えた、四つ目はレイナとの出会いだ、なぜアイリスはボウガンを持たずに移動したのか、そして今までの動きを見て間違えないのは、武器が無かったとしても囲まれるような実力じゃないことだ。
それと、彼女の情報を集めていく中で、虫と言うワードが出てきた、まあこちらは大した情報ではない。
まあ、最悪ただの人であっても殺すことをいとわないだろう、私は彼女を殺せば報酬が出る訳なのだから。
だが、警戒しないといけないのは、彼女の能力にあるだろう、暗殺できるものだといいのだが、虫などの化け物に対して、毒や爆破は効果が薄かった、なら直接刺すのが正解だろう。
「リーチェさん、何ですか話したい事って」
「耳を向けてくれないかな、あまり聞かれたくないことで」
「はあ、分かりました」
人は少ないが全くいないわけではない。この嘘も信憑性はあるだろう。
周りの人間に見られる可能性だが、目の前に噴水があって、顔をそちらに向けているのだから、おそらくばれないだろう。
私は全ての確信を持って、ナイフを首元に刺す、が人間相手の手ごたえではない。
血は噴き出すが、赤ではない、その理由はすぐに分かった、神官服の中から虫が出てくる。
「それを使えば、寝ている間に殺せたんじゃないのか」
「昨日、今日で孵化したばかりですし、あなたたちは全員夜も警戒を怠らないじゃないですか」
「まあ、そうだな」
真正面から向かって勝てるのか?少なくとも今までのものと同等以上の力があるのに。
少し体を引いて、火炎瓶を投げる、燃えれば嫌でも、街の兵隊が出てくるだろう。
ふと、横を見ると、赤い髪に炎のマント間違えなく、レイナ・クロスがいた。




